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ナルシシズムという病に抗う ――モメラス『反復と循環に付随するぼんやりの冒険』劇評
第62回岸田國士戯曲賞にノミネートされた松村翔子が主宰する演劇ユニット、モメラス。新作『反復と循環に付随するぼんやりの冒険』を、9月20日から24日まで北千住BUoYで上演しました。
「あなたにとってお金とは何ですか?」という問いをテーマにした本作品。『悲劇喜劇』11月号(10月6日発売)より「演劇時評」の評者を担当している堀切克洋氏が読み解きます。 (冒頭写真撮影:月館森)
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自分の信じる「正しさ」を、どこまで説明できますか? 岡本裕一朗『答えのない世界に立ち向かう哲学講座』冒頭公開
第1講 哲学とは何か、現代の視点から見定める
人生論でも、ハウツーの知識でもなく
岡本 哲学といえば、かつて日本では著名な哲学者の学説を学んだり、人生論を説教したりするウサン臭い学問のように見られてきました。しかし、そんな哲学のイメージは、いまではすっかり古くなっています。
哲学はもともと、自らが生きる時代においていったい何が起こっているのか、絶えず問い直すアクチュアルな学問です。そのため
ダーウィンの覗き穴 性的器官はいかに進化したか マンガ版 第13回
連載第13回 012●貞操帯は誰のため
正規の手続きでないように見える、オスの強引な受精行為は、どうにも忌まわしい印象を受けてしまいますが、これは、メスのたくみな受精コントロールに対抗する秘策(?)のひとつだったのです。そしていま、貞操帯というもうひとつの秘策(?)をオスは繰り出してくるのです。乱交が当然の自然界において、オレ以外のオスとヤルことは許さんとするオスの態度は、雄々しくもあり悲しくも
混迷するアメリカ政治を見据えていた?2018年に蘇ったノーベル賞劇作家の幻の遺作!(悲劇喜劇2018年11月号)
日常に潜む不条理を、独特のユーモアと恐怖のうちに抉り出した劇作家ハロルド・ピンター。『悲劇喜劇』2018年11月号では、没後10年を経て公開された遺作のスケッチ『大統領と役人』を全文掲載。発売を記念し、喜志哲雄氏による解説を公開します。
(あらすじ)アメリカの大統領がロンドンを核爆弾で攻撃するように命じる。ところが、大統領はフランスの首都を攻撃するつもりだった(つまり、フランスの首都はロンド