マガジンのカバー画像

ハヤカワ・ノンフィクション

390
ハヤカワ・ノンフィクション文庫や、ハヤカワ・ノンフィクションなど。話題のノンフィクション作品の解説、試し読みを公開中。
運営しているクリエイター

記事一覧

「病」と「人間」の本質を問うノンフィクション『統合失調症の一族』感想のご紹介

「病」と「人間」の本質を問うノンフィクション『統合失調症の一族』感想のご紹介

発売前の村井理子さんのご紹介

担当編集のツイート

ギャルヴィン家に生まれた12人の子供のうち6人が統合失調症に。
彼らに何が起きたのか? 国立研究所の調査により、やがて衝撃の真相が明らかになる。その全貌は本書にて。

当社noteでは本書のプロローグ「1972年、コロラド州コロラドスプリングズ」を公開中。

ロバート・コルカー『統合失調症の一族 遺伝か、環境か』(柴田裕之訳)は好評発売中です。

【10月7日(金)オンライン開催決定!】小泉悠氏×小宮山功一朗氏『サイバー戦争 終末のシナリオ』刊行記念トークイベントを開催します!

【10月7日(金)オンライン開催決定!】小泉悠氏×小宮山功一朗氏『サイバー戦争 終末のシナリオ』刊行記念トークイベントを開催します!

2022年8月3日発売の単行本『サイバー戦争 終末のシナリオ』(ニコール・パーロース著、江口泰子訳、岡嶋裕史監訳)の刊行を記念し、本書に解説を書き下ろしていただいた小泉悠氏と、サイバーセキュリティと安全保障に詳しい小宮山功一朗氏によるオンライントークイベントを実施します!

気鋭の研究者二人が
サイバー安全保障の実情を語り尽くす!ウクライナとロシア関連のニュースでは、軍事戦略専門家として国際情勢の

もっとみる
「自分がポール・マッカートニーだと思い込んでいないときには、自分の気分が天気を決めていると信じていた」『統合失調症の一族』プロローグ試し読み

「自分がポール・マッカートニーだと思い込んでいないときには、自分の気分が天気を決めていると信じていた」『統合失調症の一族』プロローグ試し読み

プロローグ

1972年、コロラド州コロラドスプリングズ 

兄と妹が、キッチンのガラスドアを開けてテラスを抜け、裏庭に出る。妙な取り合わせだ。ドナルド・ギャルヴィンは27歳。顔は彫りが深く、頭はすっかり剃り上げてあり、顎には聖書の登場人物を思わせる鬚をこれ見よがしに生やし始めている。メアリー・ギャルヴィンは7歳で、兄の半分ほどの背丈しかなく、髪はホワイトブロンドで、鼻は丸く小ぶりだ。

ギャルヴ

もっとみる
李琴峰さん初エッセイ集『透明な膜を隔てながら』まえがき公開

李琴峰さん初エッセイ集『透明な膜を隔てながら』まえがき公開

★刊行記念トークイベント開催決定!ゲストとして『おいしいごはんが食べられますように』で芥川賞を受賞した高瀬隼子さんにお越しいただきます。
実はお友達どうしだったお二人による、初顔合わせのトークイベント!
それぞれの作品では社会や日常に潜む違和感の正体や、他人による悪意の気配について鋭く敏感に描いています。
李さんがタイトルで表現した、世界との微妙な隔たりである「透明な膜」を、高瀬さんも日常で感じて

もっとみる
病気や事故の「不運」を統計学で考える…『それはあくまで偶然です』本文試し読み

病気や事故の「不運」を統計学で考える…『それはあくまで偶然です』本文試し読み

統計学者は、「宝くじで1等当選するよりも、その帰り道に交通事故に遭う確率のほうが高い」と指摘するのに、なぜ私たちは自分にとって都合の良い「運」に期待したり、起こりそうにもない不運について心配したりしてしまうのでしょうか?
数学者であり、即興コメディアンやミュージシャンとしての顔も持つ著者がその疑問を解き明かす『それはあくまで偶然です』(ジェフリー・S・ローゼンタール、石田基広監修、柴田裕之訳、ハヤ

もっとみる
日・英・仏語を操る著者は、終戦後の混沌をいかに描き出したか?  ルイ・アレン『日本軍が銃をおいた日』解説(笠井亮平)

日・英・仏語を操る著者は、終戦後の混沌をいかに描き出したか? ルイ・アレン『日本軍が銃をおいた日』解説(笠井亮平)

1945年8月15日、日本はポツダム宣言を受諾し、太平洋戦争は終わった。しかし、海外各地で戦っていた数百万の日本軍兵士にとって、それは新たな戦いの始まりだった――。

現代史家・大木毅氏監修のもと、戦争ノンフィクションの名著を復刻するシリーズ〈人間と戦争〉。その第一弾として刊行した『日本軍が銃をおいた日: 太平洋戦争の終焉』は、当時イギリス軍の語学将校として降伏交渉に身をもってあたり、その後太平洋

もっとみる
メールが、ATMが、原発のシステムが次々ダウン……。『サイバー戦争 終末のシナリオ』プロローグを特別公開中!

メールが、ATMが、原発のシステムが次々ダウン……。『サイバー戦争 終末のシナリオ』プロローグを特別公開中!

終わりの見えないロシアとウクライナの戦争。その裏側で繰り広げられる、熾烈なサイバー戦。そもそもロシアが使用するサイバー兵器はいつどのように開発されたのか? その攻撃に対抗するすべはあるのか? サイバー兵器の真の恐ろしさ、そしてその脅威が私たち日本人にとっても決して他人事でないことを浮き彫りにするのが、新刊『サイバー戦争 終末のシナリオ』(ニコール・パーロース、江口泰子訳、岡嶋裕史監訳、早川書房)で

もっとみる
ゴキブリはどれほど賢いのか。アンディ・クラーク『現れる存在』イントロダクション試し読み

ゴキブリはどれほど賢いのか。アンディ・クラーク『現れる存在』イントロダクション試し読み

イントロダクション――ゴキブリの脳を載せたクルマ

1950年代のSFと1960年代の科学ジャーナリズムの中で、約束されたはずの「人工の心」はどこにいってしまったのか。われわれが作り出した最高の「知的」人工物は、なぜいまだに、言いようもなく手の施しようがないアホなのか。一つの可能性は、われわれが知能そのものの本質をまったく誤解しているということだ。われわれは心というものを、ある種の論理的推論装置が

もっとみる
【戸髙一成氏、野中郁次郎氏、保阪正康氏推薦!】大木毅監修・シリーズ〈人間と戦争〉 第1弾『日本軍が銃をおいた日』8月10日発売

【戸髙一成氏、野中郁次郎氏、保阪正康氏推薦!】大木毅監修・シリーズ〈人間と戦争〉 第1弾『日本軍が銃をおいた日』8月10日発売

『独ソ戦』(岩波新書)などで知られる現代史家の木木毅氏の監修のもと、戦争ノンフィクションの名著を復刻するシリーズ〈人間と戦争〉。8月10日の創刊に先駆け、戸髙一成氏、野中郁次郎氏、保阪正康氏よりお寄せ頂いた推薦の辞をご紹介します。

第1弾となるルイ・アレン『日本軍が銃をおいた日――太平洋戦争の終焉』は8月10日(水)発売です!

その軍隊は降伏の仕方を知らなかった
1945年8月15日、太平洋戦

もっとみる
【8/3(水)発売】見えない「サイバー戦争」はどこで行われているのか? 小泉悠氏による新刊解説を特別公開

【8/3(水)発売】見えない「サイバー戦争」はどこで行われているのか? 小泉悠氏による新刊解説を特別公開

セキュリティホールの情報を高額で闇取引するサイバー武器商人、システムに罠を仕掛け、敵国のインフラを壊滅させるタイミングを窺う政府機関やテロリスト――。「見えない軍拡競争」はいったいどこでどのように繰り広げられているのか?
スパイ小説さながらの臨場感あふれる筆致で、今そこにある「サイバー最終戦争」の危機を炙りだすのが新刊『サイバー戦争 終末のシナリオ』(ニコール・パーロース、江口泰子訳、岡嶋裕史監訳

もっとみる
あなたの運や不運を数学的視点で見てみると? 『それはあくまで偶然です』本文試し読み

あなたの運や不運を数学的視点で見てみると? 『それはあくまで偶然です』本文試し読み

宝くじの連続当選、ビギナーズラックで大成功、恋愛相手と運命的な出会い……自分にとって幸運なことも(あるいは不運なことも)、統計学的な視点からみれば「ぜんぶたまたま」に過ぎないとしたら?
なぜ人は、「偶然」に過ぎないことに運命や必然的な「何か」を見出してしまうのか? 数学者であり、即興コメディアンやミュージシャンとしての顔も持つ著者がその疑問に迫る『それはあくまで偶然です』(ジェフリー・S・ローゼン

もっとみる
戦争ノンフィクションの名作が、いま甦る。大木毅監修・シリーズ〈人間と戦争〉創刊!

戦争ノンフィクションの名作が、いま甦る。大木毅監修・シリーズ〈人間と戦争〉創刊!

早川書房は2022年8月、戦争ノンフィクション連続復刊企画としてシリーズ〈人間と戦争〉を創刊します。

シリーズ監修は、2020年新書大賞『独ソ戦』(岩波書店)などで知られる現代史家の大木毅氏。いまこそ読むべき名作の数々を、大木氏の監修のもと、本シリーズに取り揃えていきます。

復刊にあたっては各巻、専門家の監訳によって訳文を全面的に見直すとともに、時代背景や作品の今日的価値を論じる解説を付します

もっとみる
「新しい資本主義」とビル・ゲイツの思想の共通点とは? 渋澤健氏が見た「合理的な経済人」ゲイツの真価

「新しい資本主義」とビル・ゲイツの思想の共通点とは? 渋澤健氏が見た「合理的な経済人」ゲイツの真価

答えを探すのは「僕」一人ではなく、「We」我々である 渋澤 健(シブサワ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役/コモンズ投信株式会社 取締役会長)

一般的に知られているようにビル・ゲイツは大富豪であり、米フォーブス誌の年次の長者番付によると、世界4位になる1290億ドル(約17兆円)の総資産の持ち主です。創業したマイクロソフト社の製品は我々の日常生活の欠かせない一部となっていて、この書評の原稿

もっとみる
世界が今後目指すべき目標とそのためのステップとは? ビル・ゲイツ『パンデミックなき未来へ 僕たちにできること』訳者あとがき

世界が今後目指すべき目標とそのためのステップとは? ビル・ゲイツ『パンデミックなき未来へ 僕たちにできること』訳者あとがき

「地元でも国でも世界でも、できることをなんでもしてパンデミックを議題にのせつづけ、パニックと怠慢の繰り返しを断ち切ろう。」――そう力強く訴えるのは、慈善家として世界の健康・開発問題に長年取り組んでいるビル・ゲイツ。世界の科学者のあいだで広く合意されているエビデンスに基づき、感染症対策とパンデミック予防の要点をこれ以上ないほど分かりやすくまとめているのが新刊『パンデミックなき未来へ 僕たちにできるこ

もっとみる