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夢を誓った少年少女は、激動の時代をどう生きるか? ゴンクール賞受賞の小説『彼女を見守る』(ジャン゠バティスト・アンドレア、澤田直訳)、3月5日発売

夢を誓った少年少女は、激動の時代をどう生きるか? ゴンクール賞受賞の小説『彼女を見守る』(ジャン゠バティスト・アンドレア、澤田直訳)、3月5日発売

早川書房は、フランスの作家、ジャン゠バティスト・アンドレア『彼女を見守る』(原題 Veiller sur elle、澤田直 訳)を2025年3月5日に刊行します。

本作は、2度の世界大戦間のイタリアの激動を生きた少年少女の30年を追った小説。フランス文学最高峰のゴンクール賞、および、「日本の学生が選ぶゴンクール賞」を受賞しました。
500ページというボリュームながら、圧倒的なストーリーテリングと

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ミレニアル世代の代弁者サリー・ルーニーの第三長篇『美しい世界はどこに』(山崎まどか訳)近日刊行!

ミレニアル世代の代弁者サリー・ルーニーの第三長篇『美しい世界はどこに』(山崎まどか訳)近日刊行!

●あらすじ小説家のアリスは、倉庫で働くフィリックスとマッチングアプリで出会い、ローマへ一緒に旅行しないかと誘う。一方ダブリンでは、アリスの親友アイリーンが恋人との別れからやっと立ち直り、幼馴染のサイモンと恋の駆け引きを始めていた。

アリス、フィリックス、アイリーン、サイモンは30歳前後でまだ若い──しかし、時間は誰にも止められず、焦燥感からは逃れられない。彼らは互いを求め、惑わせ、近づいたり離れ

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権力集中が進む世界で、いかに希望を見出すか──2017年のクーデターを下敷きにジンバブエの作家が描く、現代版『動物農場』と評された寓話『動物工場』

権力集中が進む世界で、いかに希望を見出すか──2017年のクーデターを下敷きにジンバブエの作家が描く、現代版『動物農場』と評された寓話『動物工場』

◆あらすじ
アフリカにある動物たちの王国ジダダでは、植民地支配から民を救った建国の父、オールド・ホースの政権誕生40周年が祝われる。治安部隊の犬に警備された広場は、動物たちで埋め尽くされ、妻のロバ、副大統領の馬、預言者の豚を傍らに、オールド・ホースはスピーチを始める。しかし、いまや建国の父の輝きは翳り、独裁政権と化していることに国民たちは気づき始めていた──

やがて訪れるオールド・ホースの失脚に

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久しぶりに会った友人からの重すぎる〈一生のお願い〉にどう応えるか? 小説『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』(シーグリッド・ヌーネス、桑原洋子訳)好評発売中

久しぶりに会った友人からの重すぎる〈一生のお願い〉にどう応えるか? 小説『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』(シーグリッド・ヌーネス、桑原洋子訳)好評発売中

久しぶりに会った友人の〈一生のお願い〉。それも、文字どおり、最期の時間をそばにいてほしいという願いに、どう応えるか――。

早川書房は、1月23日に、アメリカの作家・シーグリッド・ヌーネスによる『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』(原題What Are You Going Through、桑原洋子訳)を発売します。ここでは、その読みどころと著者について記します。

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本書『ザ・ルーム・ネクスト・

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年末年始におすすめのエンタメ小説『異常【アノマリー】』。予測不可能な物語の乱気流が待っている!(エルヴェ・ル・テリエ、加藤かおり訳)

年末年始におすすめのエンタメ小説『異常【アノマリー】』。予測不可能な物語の乱気流が待っている!(エルヴェ・ル・テリエ、加藤かおり訳)

真っ赤なカバーデザインが目を引く『異常【アノマリー】』。読み終えた人たちの驚きの声とともにこのカバーをご覧になった方もいるはず。
この記事では『異常』のポイントを紹介します。「あらすじ検索禁止」を掲げる本書には、読んだ人だけが味わえる感動と衝撃が待っています。
年末年始に読むエンタメを探しているかた、ぜひチェックしてみてください。

『異常』は驚きのエンタメ小説です。読者が慣れ親しんだ小説の枠組み

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史上最年少でブッカー賞にノミネートされた米国作家のデビュー作! 荒々しい詩情で10代の少女が生きる現実を描き出す『夜の底を歩く』(レイラ・モトリー、井上里訳)2025年1月8日発売

史上最年少でブッカー賞にノミネートされた米国作家のデビュー作! 荒々しい詩情で10代の少女が生きる現実を描き出す『夜の底を歩く』(レイラ・モトリー、井上里訳)2025年1月8日発売

早川書房は、アメリカの作家、レイラ・モトリー『夜の底を歩く』(原題 Nightcrawling、井上里訳)を2025年1月8日に刊行します。

本書は、著者が16歳のときに書きはじめられ、10代のうちに出版。そして世界的に権威のあるイギリスの文学賞ブッカー賞で史上最年少でノミネートされました。

◉あらすじ17歳のキアラは、兄のマーカスと暮らしていた。
父は病死、母は刑務所に入って、いまは更生施設

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「異常」を体験せよ。文庫版には、斜線堂有紀氏の解説、登場人物表の挟み込みあり!『異常【アノマリー】』(エルヴェ・ル・テリエ、加藤かおり訳、ハヤカワepi文庫)好評発売中

「異常」を体験せよ。文庫版には、斜線堂有紀氏の解説、登場人物表の挟み込みあり!『異常【アノマリー】』(エルヴェ・ル・テリエ、加藤かおり訳、ハヤカワepi文庫)好評発売中

衝撃の展開と真っ赤なカバーで、2022年(単行本刊行時)に話題となった『異常【アノマリー】』(エルヴェ・ル・テリエ、加藤かおり訳)。2024年12月4日から、手に取りやすい文庫版を好評発売中です!

ところで、本書は「衝撃の展開」ゆえに、内容をあまり紹介できません。でも、中には、「いま読んでいる小説がどんなものなのか、自分が何を読んでいるのかがわかっていないと読み進めにくい」と、感じる方もいるかと

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12/6(金)発売!目次公開! ”シン・「劇団」時代 ーー今見逃せない演劇集団” 特集(『悲劇喜劇』25年1月号)

12/6(金)発売!目次公開! ”シン・「劇団」時代 ーー今見逃せない演劇集団” 特集(『悲劇喜劇』25年1月号)

「劇団」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?
昨今、際立った特徴を持つ劇団や、”ユニット”または”グループ”などと形容できる団体が増えるくらい、集団創作のありかたが多様化している印象を受けます。
演劇の現場で醸成されつつある集団創作の本質とはーー。
本特集は〈シン・「劇団」時代〉と題し、第一線で活躍し続ける団体から
進境著しい若手まで、今見逃せない演劇集団を取り上げます。 

☛こちらか

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80年にわたる女性たちの友情物語、全米ベストセラー『フェローシップ岬』(アリス・エリオット・ダーク、金井真弓訳)12月4日発売!

80年にわたる女性たちの友情物語、全米ベストセラー『フェローシップ岬』(アリス・エリオット・ダーク、金井真弓訳)12月4日発売!

早川書房は、アメリカの作家、アリス・エリオット・ダーク『フェローシップ岬』(原題 Fellowship Point)を2024年12月4日に刊行します。

◆あらすじ80年にわたる友情と秘密と――。

人気児童書作家のアグネスと、その親友で専業主婦のポリー。彼女たちには、80年にわたる思い出、理解し合えないお互いの男たちへの愛憎、心の奥底で分かち合っている秘密があった。

そこへ若いシングルマザー

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Koki,出演のアイスランド映画『TOUCH/タッチ』原作小説を12月24日に刊行(早川書房)

Koki,出演のアイスランド映画『TOUCH/タッチ』原作小説を12月24日に刊行(早川書房)

早川書房は、アイスランドを代表する作家オラフ・オラフソンによる恋愛小説『TOUCH/タッチ』(原題:TOUCH)を刊行いたします。

本書は、俳優・モデルのKoki,が出演するアイスランド映画『TOUCH/タッチ』の原作小説です。2025年1月24日の日本での劇場公開に先駆け、2024年12月24日に全国の書店・ネット書店で刊行します。

●あらすじ2020年、アイスランド。
75歳のクリストファ

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密かに進む異常事態を見抜けるか? 衝撃のエンタメ小説『異常【アノマリー】』文庫版、12月4日発売

密かに進む異常事態を見抜けるか? 衝撃のエンタメ小説『異常【アノマリー】』文庫版、12月4日発売

早川書房は、フランスの作家、エルヴェ・ル・テリエ『異常【アノマリー】』(原題 L'Anomalie)の文庫版を2024年12月4日に刊行します。

本作は、フランス文学最高峰のゴンクール賞を受賞すると同時に、ニューヨーク・タイムズ紙の年間ベスト・スリラーにも選出されました。2022年に日本で単行本が刊行された際にも、ミステリ、SF、ホラーの各界のランキング入りするなど話題となりました。

◉あらす

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ペドロ・アルモドバル監督映画『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』の公開に合わせ、シーグリッド・ヌーネスによる原作小説を1月23日に発売!(桑原洋子訳)

ペドロ・アルモドバル監督映画『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』の公開に合わせ、シーグリッド・ヌーネスによる原作小説を1月23日に発売!(桑原洋子訳)

早川書房は、アメリカの作家シーグリッド・ヌーネスによる『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』(原題What Are You Going Through、2020年)を刊行します。

本作は、ペドロ・アルモドバル監督によって映画化され、第81回ベネチア国際映画祭で金獅子賞受賞した話題作です。日本では2025年1月31日(金)から公開が決まりました。

その映画公開の直前、1月23日に、小説『ザ・ルーム・ネク

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フランス文学最高峰 ゴンクール賞受賞作! 事故で亡くした夫を想う自伝的作品『生き急ぐ』11月7日発売

フランス文学最高峰 ゴンクール賞受賞作! 事故で亡くした夫を想う自伝的作品『生き急ぐ』11月7日発売

早川書房は、フランスの作家、ブリジット・ジロー『生き急ぐ』(原題 Vivre vite)を2024年11月7日に刊行します。
フランス文学最高峰のゴンクール賞の受賞作です。

◉あらすじ20年前、ブリジットは、夫のクロードをバイク事故で失った。享年41。二人で購入し、引っ越しを間近に控えた家に、夫が住むことはなかった。

いま、再開発のため家を手放すことになったとき、ブリジットはまるで夫の魂を売っ

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【1篇特別公開】チョン・セラン新作短篇集『私たちのテラスで、終わりを迎えようとする世界に乾杯』(すんみ訳)

【1篇特別公開】チョン・セラン新作短篇集『私たちのテラスで、終わりを迎えようとする世界に乾杯』(すんみ訳)

『フィフティ・ピープル』『保健室のアン・ウニョン先生』の著者で、韓国だけでなく日本でも絶大な人気を誇るチョン・セランさんの、新作短篇集『私たちのテラスで、終わりを迎えようとする世界に乾杯』(すんみ訳、原題:아라의 소설)を早川書房より刊行します。

明るい未来が見えない世界でもささやかな希望を失わずに生きる人々を、おかしみをもって描いたショートショートや詩を収録した作品集。セランさんのエッセンスが

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