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ハヤカワ・ノンフィクション

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ハヤカワ・ノンフィクション文庫や、ハヤカワ・ノンフィクションなど。話題のノンフィクション作品の解説、試し読みを公開中。
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#科学

私たちがまだ知らないミクロの世界の壮大なドラマ『細胞 ―生命と医療の本質を探る―』試し読み

私たちがまだ知らないミクロの世界の壮大なドラマ『細胞 ―生命と医療の本質を探る―』試し読み

ピュッツァー賞受賞のベストセラー作家『がん』『遺伝子』に続く待望の新作

私たちの体はいかにして恒常性を保っているのか? がん細胞が増殖する器官とそうでない器官の違いとは? ――「細胞」についてわかったつもりになっていた人類の知識に、いかにまだ多くの欠落があるかを浮き彫りにするのが、1月29日発売の新刊『細胞 ―生命と医療の本質を探る―』(シッダールタ・ムカジー、田中文訳、早川書房)。
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『利己的な遺伝子』『神は妄想である』の著者が飛翔のすべてを解き明かす。イラスト満載の科学読本『ドーキンスが語る飛翔全史』発売中!

『利己的な遺伝子』『神は妄想である』の著者が飛翔のすべてを解き明かす。イラスト満載の科学読本『ドーキンスが語る飛翔全史』発売中!

早川書房ではこのたび、『利己的な遺伝子』『神は妄想である』の著者リチャード・ドーキンスによる『ドーキンスが語る飛翔全史』を刊行いたしました。飛翔の進化と科学のすべてを紹介する、フルカラーのイラスト満載のビジュアル科学読本です。ただいま絶賛発売中!

「飛ぶこと・もの」の美しいイラストが満載の装幀が印象的な本書は、
なんと全ページフルカラー! 本文の一部を特別に画像でご紹介します。

もちろん目次も

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生物も都市も同じ「大きさ」の法則で成り立っている!? 『スケール』試し読み

生物も都市も同じ「大きさ」の法則で成り立っている!? 『スケール』試し読み

ヒトとほぼ同じ要素でできているのに、なぜネズミは3年しか生きられないのか?
企業は死を免れることができないのに、なぜ都市は成長を続けることができるのか?
――もしこれらの問題を「大きさ」という万物共通の法則=スケーリング則で解き明かすことができるとしたら……?
TED Talksで163万超のビュー数を記録した理論物理学者が説く話題作『スケール 万物を支配する「大きさ」の法則』(ジョフリー・ウェス

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世界の「見方」を更新する抜群の手腕――リチャード・ドーキンス『神のいない世界の歩き方』解説:佐倉統(東京大学大学院情報学環教授)

世界の「見方」を更新する抜群の手腕――リチャード・ドーキンス『神のいない世界の歩き方』解説:佐倉統(東京大学大学院情報学環教授)

解説 世界の見方 佐倉 統(東京大学大学院情報学環教授)

この世界をどう見るか。その見方を提供してくれるのが科学だ。正確に言えば見方のための材料である。見方のひとつではないのか? と思う方もいるだろうが、ここではあえてそうは言わないでおきたい。

地球は平らで太陽や月は地球の周りを回っていると思われていたのが、いや違う、中心は太陽で丸い地球がその周りを回っていると16世紀にコペルニクスが主張した

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ダーウィン神話だけで全ては語れない。進化論がたどってきた道筋とは?『進化論の進化史ーアリストテレスからDNAまで』訳者あとがき

ダーウィン神話だけで全ては語れない。進化論がたどってきた道筋とは?『進化論の進化史ーアリストテレスからDNAまで』訳者あとがき

世界中の人々に進化論を鮮やかに示したとされている科学の偉人、チャールズ・ダーウィン。しかし、ダーウィンが生物の進化に関する理論を発表した頃には「生物種は進化する」という考え方は、さまざまな学者によってすでに論じられており、自然選択説も、同時期に他の学者が発想していたことでした。

ではなぜ、ダーウィン独自の発想ではない種の起源の理論は、彼の功績として語られているのでしょうか。

古代ギリシャ哲学か

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「異説」こそが科学を進歩させてきた!『オウムアムアは地球人を見たか?』渡部潤一さん解説

「異説」こそが科学を進歩させてきた!『オウムアムアは地球人を見たか?』渡部潤一さん解説

 好評発売中の『オウムアムアは地球人を見たか?』(アヴィ・ローブ:著、松井信彦:翻訳)。ノンフィクションですが、つい最近「エイリアン・テクノロジー」が地球近傍を訪れていたとする、まるで『三体』などのSF小説を地で行くような大胆な仮説を展開。ニューヨーク・タイムズはじめ各紙誌でベストセラーとなり、2021年のアマゾンベストブックにも選ばれるなど世界中でセンセーションを巻き起こしている話題の本です。

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脳はひとつでなく数千もある!? ビル・ゲイツも絶賛の『脳は世界をどう見ているのか: 知能の謎を解く「1000の脳」理論』(ジェフ・ホーキンス)訳者あとがき

脳はひとつでなく数千もある!? ビル・ゲイツも絶賛の『脳は世界をどう見ているのか: 知能の謎を解く「1000の脳」理論』(ジェフ・ホーキンス)訳者あとがき

『脳は世界をどう見ているのか』訳者あとがき
本書は2021年に刊行されたジェフ・ホーキンスのA Thousand Brains: A New Theory of Intelligence の全訳である。原書は2021年のフィナンシャル・タイムズ紙のベストブックに選出されたほか、ビル・ゲイツの「今年おすすめの五冊」にも選ばれ、「人工知能はとりわけSF作家の想像力をかきたてる題材だ。真のAIをつくり出

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あなたは1990年代生まれ? 科学的に判定する方法を『ハウ・トゥー』から紹介【本文試し読み】

あなたは1990年代生まれ? 科学的に判定する方法を『ハウ・トゥー』から紹介【本文試し読み】

自分が1990年代育ちかどうか判別するにはあなたはいつ生まれましたか?
たいていの人にとって、これは簡単な質問だ。自分の誕生日を正確に知らない人でも、普通は数年の幅で、いつごろ生まれたかを言うことができる。

しかし、インターネットには、あなたが生まれた年代を特定するのに役立つと謳うページがあふれている。これらのページの年代特定はたいてい、あなたが生まれて初めて世間の流行を意識しはじめたころに、ア

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がん、認知症、生活習慣病、新型コロナから健康を守る。ノーベル医学賞受賞者が推薦&全米ベストセラー『健康食大全』

がん、認知症、生活習慣病、新型コロナから健康を守る。ノーベル医学賞受賞者が推薦&全米ベストセラー『健康食大全』

がん、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞、高血圧や肥満、認知症......。
これらの恐ろしい病気から健康を守る食事術を紹介する全米ベストセラー『健康食大全』が、2月17日に翻訳、刊行されました。

本書では、血管、細胞、DNA、免疫、体内の微生物のもつ、健康を守るための機能が最大まで働く方法を解説します。その範囲は、医学的エビデンスのわかりやすい説明に始まり、健康によい食材ごとの解説、日々の食生活への取り

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意味を貪欲に求める、小さな二つのボール 『ヒトの目、驚異の進化』書評 by 伊藤亜紗(美学者)

意味を貪欲に求める、小さな二つのボール 『ヒトの目、驚異の進化』書評 by 伊藤亜紗(美学者)

『目の見えない人は世界をどう見ているのか』などの著作があり、今年2月に発足した東京工業大学「未来の人類研究センター」のセンター長を務める美学者は、マーク・チャンギージー『ヒトの目、驚異の進化』をどのように読んだのか? 伊藤亜紗さんによるレビューをお届けします。

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生物の体には経緯がある。私があたりまえのようにやっていることも、そこに「なぜ」と疑問の光をなげかけてみると、何十万年、何百万年の

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タイムトラベラーに役立つ実用書『ゼロからつくる科学文明』、中でもことさら実用的な図表の数々をこっそり公開!

タイムトラベラーに役立つ実用書『ゼロからつくる科学文明』、中でもことさら実用的な図表の数々をこっそり公開!

はじめに 刊行をお知らせするや否や、すでに全国に散り散りになったタイムトラベラーのみなさんから反応多数の『ゼロからつくる科学文明』。『ホワット・イフ?』の著者、ランドール・マンローも絶賛のたのしいサイエンス書です。はじめに、みなさまからの反応をちょっとだけ紹介します。書籍の概要は下のリンク、1本目の記事からご覧ください。

今回は前回お約束したとおり、内容をすこし公開します。実用を名乗るからには、

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笑えて、使えて、誰かに話したくなる。タイムトラベラーのみなさんに役立つ実用書『ゼロからつくる科学文明』!

笑えて、使えて、誰かに話したくなる。タイムトラベラーのみなさんに役立つ実用書『ゼロからつくる科学文明』!

国内10万部のベストセラー・コミック『ホワット・イフ?』の著者、ランドール・マンローもヤバい本だと舌を巻く、雑学&サイエンスたっぷりの「過去で遭難したタイムトラベラーが、自分の手で科学文明をもう一度とりもどすためのガイドブック」が誕生しました!

その名も、『ゼロからつくる科学文明――タイムトラベラーのためのサバイバルガイド』! 早川書房から9月17日(木)発売です!

書籍紹介

現代の科学文明

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「読んでて心拍数が上がる」「至高の一冊」「興奮が止まらない」「傑作本格ミステリを読んでるような知的興奮」「SF好きは必読」「一種の虚構論」「目はすごい」「軽妙でクソ面白い語り口やべえ」「目からウロコの見本市」ーー4刷決定『ヒトの目、驚異の進化』読者の声part3

「読んでて心拍数が上がる」「至高の一冊」「興奮が止まらない」「傑作本格ミステリを読んでるような知的興奮」「SF好きは必読」「一種の虚構論」「目はすごい」「軽妙でクソ面白い語り口やべえ」「目からウロコの見本市」ーー4刷決定『ヒトの目、驚異の進化』読者の声part3

発売から20日で4刷が決定した、マーク・チャンギージー『ヒトの目、驚異の進化――視覚革命が文明を生んだ』(柴田裕之訳)。現在、Amazon「科学読み物」ベストセラー1位、「ビジネス街で売れているベストセラー・ランキング」(週刊ポスト)新書・文庫部門9位など、ベストセラー街道を爆走中。「目の本が一体なぜ?」と思われる方もいるかもしれません。そんな疑問に答えるべく、Twitterの皆様の熱い感想をまと

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子どもたちと科学の未来のために『ホワット・イフ?』はある! 『Dr.STONE』原作者、稲垣理一郎さんによる解説を公開。

子どもたちと科学の未来のために『ホワット・イフ?』はある! 『Dr.STONE』原作者、稲垣理一郎さんによる解説を公開。

好評発売中のランドール・マンロー『ホワット・イフ? Q1』『ホワット・イフ? Q2』。noteでも、3回にわたって質問をひとつずつご紹介してきました(第1回、第2回、第3回)。
そして、じつはQ1には『Dr. STONE』や『アイシールド21』で知られる漫画原作者、稲垣理一郎さんによる解説が掲載されています。

 
 舞台は違えど、ともするとマジメになりすぎてしまうサイエンスをテーマに「漫画」を執

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