ハヤカワ・ミステリ

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ノート

熱い冒険ノワール『熊の皮』訳者あとがき公開!

本年度アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞――つまり、今年のミステリのなかで、もっとも注目されたミステリの処女長篇のひとつ――に輝いた、厳しくも雄大なアパラチアの自然を舞台にした冒険ノワール『熊の皮』。その翻訳者である青木千鶴さんによるあとがきを公開します。読みどころや著者ジェイムズ・A・マクラフリンのちょっと珍しい経歴などがたちまちわかる仕様です。ぜひ次の読書のご参考にしてください!

『熊の皮

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秋の夜長にぴったりのページターナー『サイコセラピスト』の魅力と怖さ

無名の新人のデビュー作にもかかわらず、ベストセラー・リストに異例の長期ランクイン。それも納得とうなずける、新人離れした筆力で書かれたミステリ『サイコセラピスト』。坂本あおいさんによる訳者あとがきを公開いたします。

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『サイコセラピスト』(The Silent Patient, 2019)はイギリスの作家、アレックス・マイクリーディーズのデビュー作で

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雪の学園、少女の死。中国発の本格ミステリ『雪が白いとき、かつそのときに限り』序章

具体的な例から始めよう。「雪は白い」という文を考えよう。この文が真であったり偽であったりするのは、どのような条件のもとであるか、という問いを立てる。真理に対する古典的な観点を基礎におくならば、雪が白いときにこの文は真であり、雪が白くないときに偽である、と答えるのは明瞭であると思われる。つまり、真理の定義がわれわれのこの観点に一致するためには、それは次の同値式を含意しなければならない。
 文「雪は白

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柴田よしきが放つ本格サスペンス決定版『青光(ブルーライト)』解説公開!

そのプロフェッショナリズム溢れる手数の多さと繊細で力強い筆致から紡がれるリーダビリティの高い文章に定評がある、柴田よしき、渾身の本格サスペンスがハヤカワ文庫より刊行された。『青光(ブルーライト)』は、数々の伏線が回収され、何度もだまされる、ミステリの快楽に満ちた作品だ。本記事では、刊行を記念し、文庫解説を公開し、作品の魅力をお伝えしたい。

『青光(ブルーライト)』
柴田よしき
ハヤカワ文庫JA

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2019ベスト筆頭候補の青春本格ミステリ、キーワードは“雪密室”。『雪が白いとき、かつそのときに限り』

早川書房は、10月3日にハヤカワ・ミステリから『雪が白いとき、かつそのときに限り』(陸秋槎、稲村文吾訳)を発売しました。2018年末のベストテン企画を席捲し、大いに話題となった『元年春之祭』著者、陸秋槎さんによる待望の長篇第2作!

日本の本格ミステリからも強い影響を受けていることで知られる陸氏が今回描く舞台は、前作とは打って変わって現代中国の学園もの。
時を経て繰り返される雪密室の謎。二転三転す

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文字がリズムになって、流れ込んでくる──ジェイソン・レナルズ『エレベーター』レビュー〔池澤春菜(声優)〕

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早川書房より8月20日に発売のジェイソン・レナルズ『エレベーター』。兄の復讐を果たそうとする少年が乗り込んだエレベーターの中での出来事を描く物語です。声優の池澤春菜さんによるレビューをお届けいたします!

(試し読み・作品紹介はこちら)
(テキスト版試し読みはこちら)
(深緑野分さんによるレビューはこちら)

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英国に新本格の波来たる! ヤバいポケミス『名探偵の密室』

今月のポケミスは、正直ヤバいヤツです。
ミステリの本場英国から、まるでかつて英国をはじめとする黄金期ミステリへの愛から新本格派の潮流をつくった日本へのアンサー、あるいは挑戦状ともいうべき作品が登場しました。クリス・マクジョージ『名探偵の密室』(不二淑子訳)です。

『名探偵の密室』
クリス・マクジョージ/不二淑子訳
8月6日発売/定価1800円(税抜)/ハヤカワ・ミステリ

かつて少年探偵として名

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次代英国ミステリ界の担い手アビール・ムカジー『カルカッタの殺人』訳者あとがき公開!

本年度英国推理作家協会(CWA)賞のショートリストが発表された。ポケミス7月刊『カルカッタの殺人』のシリーズ第3作もノミネートされている。なんとムカジーは、デビュー作である本作でいきなりCWA賞ヒストリカル・ダガー賞に輝き、続くシリーズ2作目もCWA賞ゴールド・ダガー賞、スティール・ダガー賞、ヒストリカル・ダガー賞にそれぞれノミネートされており、次代の英国ミステリ界の担い手と目されている。 歴史と

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タフな女性刑事の正攻法の犯罪小説『ダラスの赤い髪』(キャスリーン・ケント)試し読み

7月20日の朝日新聞「杉江松恋が薦める文庫この新刊!」にて杉江さんに「正攻法の犯罪小説で、警察と麻薬組織の闘いが描かれる。捜査の失敗から銃撃戦が始まる序盤から物語は転がり続け、読者の心を高揚させるだろう」と紹介された『ダラスの赤い髪』の冒頭をお届けします。

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『ダラスの赤い髪』キャスリーン・ケント/府川由美恵訳/ハヤカワ文庫

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 ブルックリ

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国境地帯、麻薬犯罪の坩堝。立ち向かうのは、彼女ただ一人。『ダラスの赤い髪』(キャスリーン・ケント、府川由美恵訳)訳者あとがき

アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞のノミネート作『ダラスの赤い髪』。ニューヨークからテキサス州ダラスへやってきた刑事ベティを待ち受けるのは、麻薬取引からはじまる不可解な連続殺人だった。
タフでパワフルな主人公が魅力の本作について訳者の府川由美恵さんが語ります。

(書影・リンクは、Amazonにリンクしています)
『ダラスの赤い髪』キャスリーン・ケント/府川由美恵訳/ハヤカワ文庫

訳者あとがき

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