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〈刑事ワシントン・ポー〉シリーズ 『グレイラットの殺人』9月20日発売! 前作『キュレーターの殺人』をさらに上回る衝撃の展開!

ワシントン・ポー VS. テロリスト
サミット開催が迫るなか
英国に最大の危機が襲いかかる。
英国推理作家協会賞
スティール・ダガー(最優秀スリラー小説賞)受賞


〇シリーズのご紹介

ミステリファンを熱狂させた第一作『ストーンサークルの殺人』は、英国推理作家協会賞のゴールド・ダガー(最優秀長篇賞)を受賞しました。第二作『ブラックサマーの殺人』ではサイコパスシェフ、第三作『キュレーターの殺人』ではキュレーターと思いもよらぬ犯人にファンはさらに熱狂しました。そして第四作『グレイラットの殺人』(M・W・クレイヴン/東野さやか訳)がいよいよ9月20日に発売されます。

〇あらすじ

貸金庫を襲った強盗団が、身元不明の遺体と鼠の置物を残して姿を消した。3年後、サミット開催が迫るなか要人を搬送するヘリコプター会社の社長が殺される。テロを警戒した政府はポーに事件の捜査を命じるが、MI5の妨害で捜査は遅々として進まない。天才分析官ティリーが発見したデータのおかげで犯人を追いつめたかに見えたが……。二転三転する状況下で「諦めない」ポーが辿り着いた驚愕の真実とは。一気読みすること間違いなし! 

〇解説(抜粋):吉野 仁(ミステリ評論家)

……この第四作『グレイラットの殺人』はふたたび英国推理作家協会賞受賞の栄誉に輝いた。ただしこんどはゴールド・ダガーではなく別部門のイアン・フレミング・スティール・ダガーの受賞である。これは、映画化シリーズでもおなじみの国際スパイヒーロー、ジェームズ・ボンドの生みの親、作家イアン・フレミングの名を冠した賞で、その年の優れたスリラー小説、冒険小説、スパイ小説に与えられるものだ。
 
 となると、〈ワシントン・ポー〉シリーズも四作目にして、冒険スパイのジャンルに挑戦したのかと思いきや、あくまで警察チームによる捜査を主眼とする警察小説の骨格は失っておらず、主人公ポーとその相棒となるティリー・ブラッドショーの活躍も健在であるばかりか、ホワイダニットやフーダニットに関する驚愕および強烈な展開もいままで以上に凝ったものに仕上がっている。ただし、MI5が登場するほか、大型スリラーと呼ぶのにふさわしい要素をいくつも含んでいる。
 
なにより最初の章を読みはじめて笑ってしまった。そこで描かれているのは、お面をかぶった強盗たちが金庫室に押し入った場面である。連中がかぶっているのは、ショーン・コネリーのお面だったり、ダニエル・クレイグのお面だったりするのだ。ジョージ・レーゼンビー、ティモシー・ダルトン、ピアース・ブロスナンとそろっており、外にとめたバンのなかにはロジャー・ムーアがいる。すなわち、正体不明の強盗たちは、映画でジェームズ・ボンドを演じた俳優たちの顔のお面をかぶったまま金庫破りに挑んでいるのだ。なんとも悪ふざけな趣向だ。コネリーのお面をかぶった男はクレイグのお面の男に、「猿のバートランドと猫のレイトンが暖炉のそばにすわり、栗が焼けるのを見ていた」と言う。意味深な言葉とともに、彼らが金庫からなにを盗み出そうとしているか、読者にはさっぱりわからない。そればかりか、意外な展開を見せて……。
 

ポーとティリーが立ち向かう
次なる犯人は誰か。
乞うご期待!


〇著者紹介

M・W・クレイヴン
イギリス・カンブリア州出身の作家。軍隊、保護観察官の職を経て2015年に作家デビュー。2018年に発表した『ストーンサークルの殺人』で、英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー(最優秀長篇賞)を受賞した。

【書誌情報】

■タイトル:グレイラットの殺人
■著訳者:M・W・クレイヴン/東野さやか訳 
■定価:1,430 円 ■発売日:2023年9月20日 ■ISBN: 9784151842542
■レーベル:ハヤカワ・ミステリ文庫
※書影等はAmazonにリンクしています。

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