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ハヤカワ・ミステリ

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「ハヤカワ・ミステリ」及び「ハヤカワ・ミステリ文庫」の話題作品の解説、試し読みを公開中。
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#推理小説

【大好評発売中!】中国歴史サスペンス超大作 馬伯庸『両京十五日』特別試し読み!

【大好評発売中!】中国歴史サスペンス超大作 馬伯庸『両京十五日』特別試し読み!

発売後すぐに話題となったハヤカワ・ミステリ(ポケミス)2000番記念作品『両京十五日Ⅰ 凶兆』(馬伯庸/齊藤正高、泊功訳)。
15世紀の中国・明を舞台に、南京から北京までの皇太子一行の冒険を描くいまだかつてない壮大な歴史サスペンス大作の序章~第一章を特別公開!
翻訳ミステリ史に刻まれた新たな傑作をぜひ体験してみてください!

序 今夜の金陵の城はどこかちがう。

 秦淮河の柳がザワザワと細い枝をふ

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2024年の早川書房の翻訳ミステリ&NVラインナップから大注目作をご紹介!

2024年の早川書房の翻訳ミステリ&NVラインナップから大注目作をご紹介!

あけましておめでとうございます。
旧年中は読者の皆さまには大変お世話になりました。
年賀状の代わりとして、2024年に刊行予定の翻訳ミステリ&NV作品ラインナップのなかから、一部を皆さまにご紹介いたします。今年の早川書房も大作・話題作がドシドシ登場!
※タイトルは一部を除き原題および仮題です。

〇今年も絶対に見逃せない作品が勢ぞろい!今年の早川書房のミステリも、絶対に見逃せない作品が勢ぞろい! 

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【〈メグレ警視〉シリーズ復刊企画第三弾!】『メグレとマジェスティック・ホテルの地階〔新訳版〕』解説全文公開!

【〈メグレ警視〉シリーズ復刊企画第三弾!】『メグレとマジェスティック・ホテルの地階〔新訳版〕』解説全文公開!

『メグレと若い女の死〔新訳版〕』『サン・フォリアン教会の首吊り男〔新訳版〕』に続く〈メグレ警視〉シリーズ新訳復刊企画第三弾『メグレとマジェスティック・ホテルの地階〔新訳版〕』。メグレを知っているという方も、メグレは読んだことがないよという方も、ぜひお手に取ってみてください!
 本日は、その『メグレとマジェスティック・ホテルの地階〔新訳版〕』の解説を全文公開いたします!

解説
 本書『メグレとマジ

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【試し読み】大人気〈刑事ワシントン・ポー〉シリーズ最新作。でも、ここから読んでも面白い!『グレイラットの殺人』冒頭公開

【試し読み】大人気〈刑事ワシントン・ポー〉シリーズ最新作。でも、ここから読んでも面白い!『グレイラットの殺人』冒頭公開

 大人気〈刑事ワシントン・ポー〉シリーズ最新作『グレイラットの殺人』(M・W・クレイヴン/東野さやか訳)は好評発売中!
 サミット開催が迫る英国で、刑事ポーと相棒ティリーが大活躍! 英国推理作家協会賞最優秀スリラー小説賞(スティール・ダガー)を受賞した傑作ミステリの冒頭を特別公開です。
 シリーズを読むのは初めてという人でも本作から読めます! ぜひお楽しみください。

〇シリーズこれまでのあらすじ

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〈刑事ワシントン・ポー〉シリーズ 『グレイラットの殺人』9月20日発売! 前作『キュレーターの殺人』をさらに上回る衝撃の展開!

〈刑事ワシントン・ポー〉シリーズ 『グレイラットの殺人』9月20日発売! 前作『キュレーターの殺人』をさらに上回る衝撃の展開!

ワシントン・ポー VS. テロリスト
サミット開催が迫るなか
英国に最大の危機が襲いかかる。
英国推理作家協会賞
スティール・ダガー(最優秀スリラー小説賞)受賞

〇シリーズのご紹介

ミステリファンを熱狂させた第一作『ストーンサークルの殺人』は、英国推理作家協会賞のゴールド・ダガー(最優秀長篇賞)を受賞しました。第二作『ブラックサマーの殺人』ではサイコパスシェフ、第三作『キュレーターの殺人』では

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【試し読み】この女は名探偵か、悪魔か。この夏イチバンの話題作『処刑台広場の女』冒頭公開!

【試し読み】この女は名探偵か、悪魔か。この夏イチバンの話題作『処刑台広場の女』冒頭公開!

 この夏イチバンの話題作『処刑台広場の女』(マーティン・エドワーズ/加賀山卓朗訳)は8月17日(木)発売!
 黒い噂がつきまとう名探偵レイチェル・サヴァナク。果たして、この女は名探偵か、悪魔か。あなたはどちらだと思いますか? X(Twitter)にて冒頭を先読みされた方へ向けたプレゼントキャンペーンを実施中! 抽選で書籍『処刑台広場の女』があたる! 詳しくはこちらから→(https://twitt

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シリーズ最新刊『三年間の陥穽』(アンデシュ・ルースルンド/清水由貴子・下倉亮一訳)5/23日刊行!

シリーズ最新刊『三年間の陥穽』(アンデシュ・ルースルンド/清水由貴子・下倉亮一訳)5/23日刊行!

北欧ミステリの真骨頂、アンデシュ・ルースルンドによる新たな傑作『三年間の陥穽』がついに登場です! グレーンス警部シリーズ最新刊で、再び元潜入捜査員ホフマンと共に三年前の事件に迫ります。

〇あらすじ子どもの人身売買を防止する団体に届いたのは、全裸で犬のリードを巻かれた少女の写真だった。グレーンス警部は、写真の手がかりを元にデンマークへ向かう。そこで明らかになったのは、ダークネットを通じた世界8カ国

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大好評発売中!『死と奇術師』の著者トム・ミード氏から日本のミステリファンに向けての特別メッセージ!

大好評発売中!『死と奇術師』の著者トム・ミード氏から日本のミステリファンに向けての特別メッセージ!

 解決篇袋とじの傑作謎解きミステリ『死と奇術師』が好評発売中です。
 本日は、作者のトム・ミード氏から日本のミステリファンに向けて特別メッセージが届いたので公開いたします!
 日本の「本格ミステリ」、「新本格ミステリ」とトム・ミード氏との接点とは!? ミステリファン必読です。

著者特別メッセージ まず最初に、私の小説『死と奇術師』に関心を寄せてくれた日本の読者の方々に、この場を借りてお礼を申し上

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【英国ミステリ界の巨匠による新シリーズが始動!】アン・クリーヴス/高山真由美訳『哀惜』3/23刊行!

【英国ミステリ界の巨匠による新シリーズが始動!】アン・クリーヴス/高山真由美訳『哀惜』3/23刊行!

ファンの皆さま、大変お待たせいたしました。〈ジミー・ペレス警部〉シリーズで知られる英国ミステリ界の巨匠アン・クリーヴスによる〈刑事マシュー・ヴェン〉シリーズの一作目『哀惜』がついに刊行です! 

●あらすじ イギリス南西部の町ノース・デヴォンの海岸で死体が発見された。捜査を行うマシュー・ヴェンは、被害者は近頃町へやってきたサイモンというアルコール依存症の男で、マシューの夫が運営する複合施設でボラン

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【メグレ警視が新訳で甦る!】ジョルジュ・シムノン/平岡敦訳『メグレと若い女の死〔新訳版〕』2/21発売!

【メグレ警視が新訳で甦る!】ジョルジュ・シムノン/平岡敦訳『メグレと若い女の死〔新訳版〕』2/21発売!

 全世界で最も読まれたフランスミステリである〈メグレ警視〉シリーズの後期の傑作『メグレと若い女の死〔新訳版〕』がついに刊行です!

●あらすじ パリ、ヴァンティミユ広場で女の死体が発見された。場違いなサテンのイブニングドレスをまとった被害者を見たメグレは、事件が複雑なものになると直感する。ルイーズと名乗る女性はなぜ殺されたのか。メグレはルイーズの人生をなぞるように捜査を行う。犯人を追うことよりも、

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2023年の早川書房の翻訳ミステリ&NVラインナップから大注目作をご紹介!

2023年の早川書房の翻訳ミステリ&NVラインナップから大注目作をご紹介!

あけましておめでとうございます。
旧年中は読者の皆さまには大変お世話になりました。
年賀状の代わりとして、2023年に刊行予定の翻訳ミステリ&NV作品ラインナップのなかから、一部を皆さまにご紹介いたします。今年の早川書房も大作・話題作がドシドシ登場!
※タイトルは一部を除き原題および仮題です。

〇今年も絶対に見逃せない作品が勢ぞろい!今年の早川書房のミステリも、絶対に見逃せない作品が勢ぞろい! 

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【募集は終了しました】世界最大のミステリ文学賞〈エドガー賞〉の歴代受賞作の中でも大傑作! 大作『真珠湾の冬』が一足先に読めるゲラ読みキャンペーン募集!

【募集は終了しました】世界最大のミステリ文学賞〈エドガー賞〉の歴代受賞作の中でも大傑作! 大作『真珠湾の冬』が一足先に読めるゲラ読みキャンペーン募集!

早川書房は2022年12月6日に『真珠湾の冬』(原題:FIVE DECEMBERS)を刊行します。本書は本年に世界最大のミステリ文学賞のエドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀長篇賞を受賞。〈ニューヨーク・タイムズ〉など各書評誌紙の年間ベストミステリに選出されました。スティーヴン・キングやデニス・ルヘインなど歴代エドガー賞受賞作家たちも激賞した本書は、真珠湾攻撃直前のハワイで起きた連続殺人の真

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話題沸騰のミステリ『われら闇より天を見る』書評家・川出正樹氏による解説を全文公開!

話題沸騰のミステリ『われら闇より天を見る』書評家・川出正樹氏による解説を全文公開!

 

  発売後から話題沸騰のミステリ『われら闇より天を見る』(クリス・ウィタカー/鈴木恵訳)。今年絶対に見逃せないミステリである本作。まだお読みになっていない方はぜひお手に取ってみてください!
 本日は、書評家の川出正樹氏による解説を全文公開いたします。

We Begin at the End
──ミステリと教養小説とロード・ノヴェルが一体となった
‟終わりから始める人々の物語”

書評家 

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【試し読み】祝・年末ミステリベスト三冠!&本屋大賞翻訳小説部門第1位! 傑作ミステリ『われら闇より天を見る』冒頭公開!

【試し読み】祝・年末ミステリベスト三冠!&本屋大賞翻訳小説部門第1位! 傑作ミステリ『われら闇より天を見る』冒頭公開!



 何かが見えたら手をあげてくれ。
 煙草の巻紙でもソーダの空き缶でもかまわない。
 何かが見えたら手をあげてくれ。
 くれぐれも触らないこと。
 手をあげるだけでいい。
 町の人々は仕度をして浅瀬に立っていた。十五メートル間隔で横一列になったまま動きだす。百の眼が地面を見おろしていたが、それでもみな隊列を崩さない。振り付けされたゾンビたち。
 背後の町は空っぽになり、始まったばかりの長い夏は、

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