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ハヤカワ・ミステリ

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「ハヤカワ・ミステリ」及び「ハヤカワ・ミステリ文庫」の話題作品の解説、試し読みを公開中。
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#読書

「令和のデビュー作五傑」に入ることは間違いない。『サーキット・スイッチャー』解説

「令和のデビュー作五傑」に入ることは間違いない。『サーキット・スイッチャー』解説

安野貴博さんの『サーキット・スイッチャー』が発売! 完全自動運転車が人質を爆弾を載せて首都高を占拠する事件を描く令和最新のAIサスペンス。「エンタメ要素の全てを網羅」by小島秀夫監督、「これは数年後のあなたが直面するミステリ」by斜線堂有紀さん、と各所から大絶賛!

発売を記念して、ライターの吉田大助さんによる解説を公開します。

『サーキット・スイッチャー』解説 吉田大助  

 作家取材や書

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【3月23日発売】女性の底知れなさを描いたミステリ『あの夜、わたしたちの罪』(ハヤカワ・ミステリ文庫)

【3月23日発売】女性の底知れなさを描いたミステリ『あの夜、わたしたちの罪』(ハヤカワ・ミステリ文庫)

早川書房はハヤカワ・ミステリ文庫より、2023年3月23日にローリー・エリザベス・フリン『あの夜、わたしたちの罪』を刊行いたします。

ローリー・エリザベス・フリン『あの夜、わたしたちの罪』
翻訳:山田佳世
定価:1,892円(税込) ハヤカワ・ミステリ文庫
刊行日:2023年3月23日(電子版同時発売)
カバーイラスト:たけもとあかる
カバーデザイン:albireo
ISBN:978-4-15

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傑作アクション小説『カリフォルニア独立戦争』12月21日発売【試し読み】

傑作アクション小説『カリフォルニア独立戦争』12月21日発売【試し読み】

 早川書房では、ジェイムズ・バーンによる傑作アクション小説『カリフォルニア独立戦争』(渡辺義久 訳)をハヤカワ文庫NVより12月21日に刊行いたしました。
 傭兵稼業を引退してカリフォルニアにやってきたデズ・リメリックは、女性を窮地から救ったことがきっかけで、人種差別主義運動に端を発した軍人たちと極右メディアによる全米を揺さぶる軍事騒乱のただなかに……! 
 冒険アクション界に新星登場です。

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誰が殺し、誰が殺されるのか――? 特異な構成のミステリ『ゲストリスト』より訳者あとがきを公開!

誰が殺し、誰が殺されるのか――? 特異な構成のミステリ『ゲストリスト』より訳者あとがきを公開!

海外ミステリファンの方々から大きな反響をいただいておりますルーシー・フォーリーの『ゲストリスト』。今回は本作の翻訳者の唐木田みゆき氏による訳者あとがきを公開いたします。

○訳者あとがき

 アイルランド沖の小さな孤島で一夜の宴が繰り広げられる。いまをときめく有名人カップルのウェディングパーティーだ。オンライン雑誌を立ちあげた女性起業家ジュール、サバイバル番組で活躍中のハンサムな売れっ子ウィル。し

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『機龍警察 白骨街道』書評 「クライマックスのかつてない機甲兵装バトルまでページをめくる手が止まらない」

『機龍警察 白骨街道』書評 「クライマックスのかつてない機甲兵装バトルまでページをめくる手が止まらない」

発売から約二カ月、新聞や雑誌などで様々なご好評をいただいている『機龍警察 白骨街道』。本日は、その中から一部をご紹介いたします。今年の国内ミステリ最大の話題作の一つ、『機龍警察 白骨街道』を読み逃しなく!

『機龍警察 白骨街道』
月村了衛
早川書房

※※※

日経新聞(2021年8月19日)では、評論家の野崎六助氏による書評が掲載されました。本書のプロットを指し「国産国際サスペンスの水準をはる

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秋だ! 読書だ! ミステリだ! 早川書房2020-2021ミステリ総ざらいPart2

秋だ! 読書だ! ミステリだ! 早川書房2020-2021ミステリ総ざらいPart2

少しずつ気温も下がっていき、日が落ちるのも早くなってまいりました。秋の夜長と言えば……そう、ミステリ! 
ということで、2020年10月から来月発売の新刊まで、早川書房が自信を持ってお届けしてきたミステリのラインナップを、一挙におさらいします! 
Part1では、2021年4月から2021年10月に刊行された作品をご紹介いたします。2021年3月までの作品は、こちらのPart1をご覧ください!

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秋だ! 読書だ! ミステリだ! 早川書房2020-2021ミステリ総ざらいPart1

秋だ! 読書だ! ミステリだ! 早川書房2020-2021ミステリ総ざらいPart1

暑さ寒さも彼岸までとは言うものの、残暑も厳しい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
暦の上ではもう秋。秋と言えば……。そう、読書の秋! そしてミステリの秋!
というわけで、本日は2020年10月から来月発売の新刊まで、早川書房が自信を持ってお届けしてきた海外ミステリのラインナップを一挙におさらいします! 
Part1では、2020年10月から2021年3月までに刊行された作品をご紹介いたしま

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【作家・麻耶雄嵩氏の推薦コメント公開!】エラリイ・クイーン『十日間の不思議〔新訳版〕』2月17日発売!

【作家・麻耶雄嵩氏の推薦コメント公開!】エラリイ・クイーン『十日間の不思議〔新訳版〕』2月17日発売!

◎巨匠エラリイ・クイーンの代表作がついについに新訳版で登場!
 大変お待たせいたしました。今月17日、早川書房ではミステリ界の巨匠エラリイ・クイーンの『十日間の不思議〔新訳版〕』(訳=越前敏弥)をハヤカワ・ミステリ文庫より刊行いたします。

 ながらく新訳版刊行が待ち望まれていた、エラリイ・クイーン円熟期を代表する傑作です。

◎作家・麻耶雄嵩氏の推薦コメント紹介!
 この度の刊行に際して、作家・

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『死亡通知書 暗黒者』世界で絶賛の中国ミステリ界のベストセラー、ついに邦訳!

『死亡通知書 暗黒者』世界で絶賛の中国ミステリ界のベストセラー、ついに邦訳!

この度、早川書房は、昨今の翻訳ミステリ界の新潮流として注目されている華文(中国語圏)ミステリの中でも、世界的な高評価を受けている傑作『死亡通知書 暗黒者』を本年8月5日に発売いたします。

◎『死亡通知書 暗黒者』とは? 本年2月に開催された華文(中国語圏)ミステリのイベントでの刊行発表以来、大きな反響をいただきました『死亡通知書 暗黒者』。
 本書著者の周 浩暉(しゅう こうき/ジョウ・ハオフイ

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【『レッド・メタル作戦発動』刊行記念・連続エッセイ/冒険・スパイ小説の時代】気品あふれるロマンティシズム(池上冬樹)

【『レッド・メタル作戦発動』刊行記念・連続エッセイ/冒険・スパイ小説の時代】気品あふれるロマンティシズム(池上冬樹)

冒険アクション大作『レッド・メタル作戦発動』(マーク・グリーニー&H・リプリー・ローリングス四世、伏見威蕃訳)刊行を記念し、1970~80年代の冒険・スパイ小説ブームについて作家・書評家・翻訳家が語る連続エッセイ企画を行います。
最終回の第11回は文芸評論家・池上冬樹さんです。

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 2月中旬、女性騎手の藤田菜七子が落馬して鎖骨を骨折したというニュースをきいたとき、きつくテーピングして、翌

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【『レッド・メタル作戦発動』刊行記念・連続エッセイ/冒険・スパイ小説の時代】蜜月の果て、次へ(川出正樹)

【『レッド・メタル作戦発動』刊行記念・連続エッセイ/冒険・スパイ小説の時代】蜜月の果て、次へ(川出正樹)

冒険アクション大作『レッド・メタル作戦発動』(マーク・グリーニー&H・リプリー・ローリングス四世、伏見威蕃訳)刊行を記念し、1970~80年代の冒険・スパイ小説ブームについて作家・書評家・翻訳家が語る連続エッセイ企画を行います。
第9回は書評家・川出正樹さんです。

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 初めて読んだ大人向けの冒険小説は、父親の書棚にあったルシアン・ネイハムの航空誘拐サスペンス『シャドー81』(新潮文庫→ハ

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【『レッド・メタル作戦発動』刊行記念・連続エッセイ/冒険・スパイ小説の時代】宴の後に来た男(古山裕樹
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【『レッド・メタル作戦発動』刊行記念・連続エッセイ/冒険・スパイ小説の時代】宴の後に来た男(古山裕樹 )

冒険アクション大作『レッド・メタル作戦発動』(マーク・グリーニー&H・リプリー・ローリングス四世、伏見威蕃訳)刊行を記念し、1970~80年代の冒険・スパイ小説ブームについて作家・書評家・翻訳家が語る連続エッセイ企画を行います。
第7回は書評家・古山裕樹さんです。

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 1973年生まれで、70年代末はまだ字が読めるようになったばかり。そんなわけで、1970年代末から80年代にかけて冒険小

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【『レッド・メタル作戦発動』刊行記念・連続エッセイ/冒険・スパイ小説の時代】冒険小説、この不滅のエクスペリエンス(霜月蒼)

【『レッド・メタル作戦発動』刊行記念・連続エッセイ/冒険・スパイ小説の時代】冒険小説、この不滅のエクスペリエンス(霜月蒼)

冒険アクション大作『レッド・メタル作戦発動』(マーク・グリーニー&H・リプリー・ローリングス四世、伏見威蕃訳)刊行を記念し、1970~80年代の冒険・スパイ小説ブームについて作家・書評家・翻訳家が語る連続エッセイ企画を行います。
第5回は書評家・霜月蒼さんです。

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 1984年からの数年間、僕は十代だった。いろいろなところに旅をした。凍えるような風の吹きつける北海を行くオンボロの軍艦に乗

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【『レッド・メタル作戦発動』刊行記念・連続エッセイ/冒険・スパイ小説の時代】冒険・スパイ小説とともに50年(伏見威蕃)

【『レッド・メタル作戦発動』刊行記念・連続エッセイ/冒険・スパイ小説の時代】冒険・スパイ小説とともに50年(伏見威蕃)

冒険アクション大作『レッド・メタル作戦発動』(マーク・グリーニー&H・リプリー・ローリングス四世、伏見威蕃訳)刊行を記念し、1970~80年代の冒険・スパイ小説ブームについて作家・書評家・翻訳家が語る連続エッセイ企画を行います。
第4回は『レッド・メタル作戦発動』の翻訳者、伏見威蕃さんです。

(書影はAmazon.co.jpにリンクしています)

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 1970年代から80年代のなかばにか

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