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ハヤカワ・ノンフィクション

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ハヤカワ・ノンフィクション文庫や、ハヤカワ・ノンフィクションなど。話題のノンフィクション作品の解説、試し読みを公開中。
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2021年12月の記事一覧

【冒頭40頁を一挙公開】一気読み必至の人間ドラマ!『mRNAワクチンの衝撃』

好評発売中の『mRNAワクチンの衝撃』(ジョー・ミラー、エズレム・テュレジ、ウール・シャヒン:著、石井健:監修、柴田さとみ、山田 文、山田美明:翻訳)。
ドイツの小さなバイオベンチャー企業は一体どのようにして歴史的なワクチンの開発にわずか11カ月で成功したのか? 一足先に刊行されたイギリスで「小説以上にサスペンスに満ちている」と形容されている通り、本書では、社運を賭けた決断、息詰まる交渉、意外な人

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ありがとうございます!今日のおすすめは『三体』です。

人事評価システムはなぜ機能不全に陥るのか? カーネマン最新刊『NOISE』から読み解く

第23章 人事評価の尺度まずはちょっとした実験をやってみてほしい。友人でも同僚でもいい、あなたのよく知っている人を3人取り上げて、親切・知性・勤勉の3項目について5段階で評価する。5が最高で1が最低である。さて評価を終えたら、今度はその3人をよく知っている身近な人(夫または妻、親しい友人など)に同じことを頼む。

これは、自分と他人とで評価がどれほどちがうかを実際に知るよい機会だ。できれば、なぜ評

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ありがとうございます!今日のおすすめは『三つ編み』です。

レディー・ガガ演じる「グッチ夫人」は原作でどう描かれている? 『ハウス・オブ・グッチ』試し読み

4章 若きグッチたちの反乱「よく目を開いて見るんだ、マウリツィオ」。ロドルフォ〔編集部注:グッチ創業者のグッチオ・グッチの四男であり、マウリツィオ・グッチの父〕が大声で叱りつけた。「あの女の子のことを調べさせたよ。私はまったく気に入らないね。低俗で野心的で、金のことしか頭にない成り上がりじゃないか。マウリツィオ、あの子はおまえにふさわしくない」

マウリツィオは必死で冷静さを保とうとし、部屋から逃

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ありがとうございます!今日のおすすめは『わたしを離さないで』です。

難民認定が「賭け」である理由 ダニエル・カーネマン他『NOISE』解説・友野典男

『NOISE』解説(元明治大学教授 友野 典男)難民認定の許可は審査官によって大きく違い、アメリカでの調査によると、ある審査官は申請の5%しか許可しないが別の審査官は88%許可するという例があった。難民に認定されるかどうかは賭けをするようなものなので、この調査のタイトルは「難民ルーレット」である。

経験豊富な精神科医10人が参加した調査では、百人近い患者の診断を行なったところ、2人の医師の意見が

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【緊急刊行】ファイザーワクチンをわずか11カ月で開発! ドイツ・ビオンテック社の創業者夫妻に取材した迫真のドキュメント

 世界16カ国語で刊行決定の話題のノンフィクション、『mRNAワクチンの衝撃 ――コロナ制圧と医療の未来』が12月25日(土)に緊急刊行されます。
 ファイザー社と組み、11カ月という常識外のスピードで世界初の新型コロナワクチンの開発に成功したドイツ・ビオンテック社。「医療界のゲームチェンジャー」として一躍脚光を浴びているmRNA医薬の技術で世界の最先端を走るバイオ企業の創業者/研究者夫妻に密着取

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【映画化原作】高級ブランドGUCCIの三代目社長が殺害された。容疑者は、元妻――。『ハウス・オブ・グッチ』試し読み

1章 それは死から始まった1995年3月27日月曜日、午前8時30分。ジュゼッペ・オノラートは管理人をしている建物の入り口に吹き寄せられた落ち葉を掃いていた。その日、ふだんと変わらず8時に出勤すると、まずパレストロ通り20番地の大きな2つの木製ドアを開け放った。

ルネサンス様式の4階建てのビルは居住用アパートと事務所が入っていて、ミラノでもっとも洒落た通りに面している。通りを渡った正面には、なめ

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ありがとうございます!今日のおすすめは『なめらかな世界と、その敵』です

意思決定に人間は要らない!? 橘玲氏が語る、『NOISE』(ダニエル・カーネマン他)の衝撃

カーネマンの新たな挑戦 橘玲氏による書評近代経済学は、目先の損得だけでなく長期的な効用や確率まで正しく計算できる「合理的経済人(エコン)」を“発明”したことで、壮大な理論の塔を生み出した。この前提が神聖不可侵とされたのは、エコンが否定されるとこれまでえんえんと築き上げてきたアカデミズムの巨大な建築物が根底から崩れてしまうからだ。

だが「人間(ヒューマン)」はほんとうに、機械のようにあらゆることを

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ありがとうございます!『これからの「正義」の話をしよう』もおすすめです

年末年始の「衝動買い」を減らす方法とは? 「行動経済学」を実生活にいかすには…

解説 日々の暮らしの裏に「行動経済学」あり
(東京大学大学院経済学研究科教授 阿部 誠)1)行動経済学とは購買の5~9割は事前に予定されていなかった非計画購買(衝動買い)であると言われている。この割合は、消費者特性、商品特性、環境要因などによって異なるが、衝動買いは経済活動の半分以上を占めており、それらはビジネスにとって不可欠なものである。企業は消費者行動の原理に基づき、魅力的なマーケティング活動

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ありがとうございます!今日のおすすめは『三体』です。

入山章栄、橘玲、松尾豊、アダム・グラント、アンジェラ・ダックワース、スティーヴン・レヴィット、フィリップ・E・テトロック、ロバート・B・チャルディーニ、エステル・デュフロ絶賛! ダニエル・カーネマン他『NOISE:組織はなぜ判断を誤るのか?』発売中

『ファスト&スロー』のダニエル・カーネマンが、組織の判断にメスを入れた『NOISE:組織はなぜ判断を誤るのか?』(オリヴィエ・シボニー、キャス・R・サンスティーンとの共著、村井章子訳/早川書房)が大きな話題を呼んでいます。この記事では、各界の著名人から寄せられた絶賛コメントを紹介します!

本書の詳細については▶こちらから

著訳者紹介

■著者紹介:
ダニエル・カーネマン(Daniel Kahn

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ありがとうございます!今日のおすすめは『ザリガニの鳴くところ』です。

【9万部突破】努力できるのも運のうち? 「これからの社会のあり方を構想する上で必読の一冊」【マイケル・サンデル『実力も運のうち』書評:山口周】

2021年の人文書最大の話題作となった、マイケル・サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』。12月9日にサンデル氏とオンラインで対話する著作家の山口周氏が、本書を読み解きます。

マイケル・サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』書評 山口周
世界的に拡大する格差の問題を解消するための手段としてユニバーサル・ベーシック・インカムに関する議論が盛り上がっている。評者も昨年に上梓した拙著『

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