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ハヤカワ・ノンフィクション

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ハヤカワ・ノンフィクション文庫や、ハヤカワ・ノンフィクションなど。話題のノンフィクション作品の解説、試し読みを公開中。
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2020年9月の記事一覧

100の語彙を使ってヒトと対等に交流した世界一賢いヨウム、アレックスと研究者による感動のノンフィクション『アレックスと私』

100の語彙を使ってヒトと対等に交流した世界一賢いヨウム、アレックスと研究者による感動のノンフィクション『アレックスと私』

はじめに世界で一番賢いヨウム「アレックス」と、ハーバード大学で化学を修めたのち動物心理学に活躍の場を移し、世界をリードする成果を残し続ける研究者、アイリーン・M・ペパーバーグによる『アレックスと私』(佐柳信男訳)を、ハヤカワ・ノンフィクション文庫から10月1日に刊行します。

『アレックスと私』は、アレックスが2007年9月に亡くなったあと、彼の研究者兼パートナーだった著者によって書かれた回想録で

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タイムトラベラーに役立つ実用書『ゼロからつくる科学文明』、中でもことさら実用的な図表の数々をこっそり公開!

タイムトラベラーに役立つ実用書『ゼロからつくる科学文明』、中でもことさら実用的な図表の数々をこっそり公開!

はじめに 刊行をお知らせするや否や、すでに全国に散り散りになったタイムトラベラーのみなさんから反応多数の『ゼロからつくる科学文明』。『ホワット・イフ?』の著者、ランドール・マンローも絶賛のたのしいサイエンス書です。はじめに、みなさまからの反応をちょっとだけ紹介します。書籍の概要は下のリンク、1本目の記事からご覧ください。

今回は前回お約束したとおり、内容をすこし公開します。実用を名乗るからには、

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人間が最も似ている生物がアリである理由。モフェット『人はなぜ憎しみあうのか』より

人間が最も似ている生物がアリである理由。モフェット『人はなぜ憎しみあうのか』より

 スミソニアン博物館でアリの生態を研究するマーク・W・モフェットの『人はなぜ憎しみあうのか』(上・下)が刊行となりました。本書でフィールド生物学者である著者は、なぜ人間は小さな違いにこだわり、仲間と敵を区別するのか、また人間社会はどのように誕生したのかを、他の生物と比較しながら解き明かします。
 本記事では、本書の一節である「アリと人間、リンゴとオレンジ」(抄)を公開します。「私たちの遺伝子の98

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『博士と狂人』がメル・ギブソン×ショーン・ペンでついに映画化。10月16日(金) より全国ロードショー!

『博士と狂人』がメル・ギブソン×ショーン・ペンでついに映画化。10月16日(金) より全国ロードショー!

41万語以上の収録語数を誇る世界最大・最高の辞書『オックスフォード英語大辞典』(OED)。この壮大な編纂事業の中心にいたのは、貧困の中、独学で言語学界の第一人者となったマレー博士。

そして彼には、日々手紙で用例を送ってくる謎の協力者がいた。ある日、彼を訪ねたマレーは、そのあまりにも意外な正体を知る――言葉の奔流に挑み続けた二人の天才の数奇な人生とは?

メル・ギブソンとショーン・ペンという名優二

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【発売即重版!】MMT(現代貨幣理論)の主唱者による革命の書! ステファニー・ケルトン『財政赤字の神話』

【発売即重版!】MMT(現代貨幣理論)の主唱者による革命の書! ステファニー・ケルトン『財政赤字の神話』

株式会社早川書房は、ステファニー・ケルトン『財政赤字の神話――MMTと国民のための経済の誕生』(原題 The Deficit Myth: Modern Monetary Theory and the Birth of the People's Economy)を10月6日(火)に発売します。

著者のステファニー・ケルトンはMMT(現代貨幣理論)の主唱者として世界的に知られる経済学者で、米上院予算

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笑えて、使えて、誰かに話したくなる。タイムトラベラーのみなさんに役立つ実用書『ゼロからつくる科学文明』!

笑えて、使えて、誰かに話したくなる。タイムトラベラーのみなさんに役立つ実用書『ゼロからつくる科学文明』!

国内10万部のベストセラー・コミック『ホワット・イフ?』の著者、ランドール・マンローもヤバい本だと舌を巻く、雑学&サイエンスたっぷりの「過去で遭難したタイムトラベラーが、自分の手で科学文明をもう一度とりもどすためのガイドブック」が誕生しました!

その名も、『ゼロからつくる科学文明――タイムトラベラーのためのサバイバルガイド』! 早川書房から9月17日(木)発売です!

書籍紹介

現代の科学文明

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「いったい、いつになったらわたしたちは学ぶのだろう?
」『レベル4/致死性ウイルス』コロナ禍によせた序文

「いったい、いつになったらわたしたちは学ぶのだろう? 」『レベル4/致死性ウイルス』コロナ禍によせた序文

1996年に『レベル4/致死性ウイルス』(単行本)として刊行された本書は、米CDC(疾病予防管理センター)の伝説的医師が、エボラウイルスをはじめとする最も危険な「レベル4ウイルス」との戦いを自ら綴った30年にわたる記録です。

本記事では、文庫化にあたり新規に書き下ろされた「序―コロナ禍によせて―」を全文公開します。

序──コロナ禍によせて──

「ウイルスの世界では、わたしたち人間が侵略者なの

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