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海外文芸

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#翻訳小説

人は誰でも、世界(宇宙)の長い時間のなかで束の間の生を得て世界(宇宙)を"通り過ぎゆく者"である──訳者の黒原敏行さんによる徹底解説。コーマック・マッカーシー遺作『通り過ぎゆく者』『ステラ・マリス』

人は誰でも、世界(宇宙)の長い時間のなかで束の間の生を得て世界(宇宙)を"通り過ぎゆく者"である──訳者の黒原敏行さんによる徹底解説。コーマック・マッカーシー遺作『通り過ぎゆく者』『ステラ・マリス』

訳者あとがき

●マッカーシー文学の集大成。どちらから読み始める?

コーマック・マッカーシーは2023年6月13日に逝去した。1933年7月20日生まれで、享年89。大ベテランだったが、最晩年まで創作意欲は旺盛で、亡くなる前年2022年の10月と12月に、新作長篇を二作たてつづけに発表した。それが本書『通り過ぎゆく者』The Passenger と、『ステラ・マリス』Stella Maris

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【1/29発売】自信喪失の作家が迷い込む"精神の旅"を描いた傑作長篇『レッド・アロー』(ウィリアム・ブルワー/上野元美訳)

【1/29発売】自信喪失の作家が迷い込む"精神の旅"を描いた傑作長篇『レッド・アロー』(ウィリアム・ブルワー/上野元美訳)

●書誌情報著者:ウィリアム・ブルワー
訳者:上野元美訳
解説:円城塔
判型:四六判並製
ページ数:336ページ
本体価格:2700円
発売日:2024年1月29日

●あらすじぼくはローマから高速鉄道《フレッチャロッサ(赤い矢)》に乗ってモデナへと向かっている。多額の借金を返済すべく、イタリア人物理学者の回顧録のゴーストライターをしていたけれど、失踪してしまった彼をさがし出すために。

車中でぼく

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2023年最後の注目作! ブッカー国際賞最終候補作『ハリケーンの季節』(フェルナンダ・メルチョール、宇野和美訳)

2023年最後の注目作! ブッカー国際賞最終候補作『ハリケーンの季節』(フェルナンダ・メルチョール、宇野和美訳)

『ブラッド・メリディアン』(コーマック・マッカーシー)、『2666』(ロベルト・ボラーニョ)を引き合いに出して評価され、スペイン語圏そして世界の文学界で絶賛された小説『ハリケーンの季節』。

著者のフェルナンダ・メルチョールは、本作の前にはジャーナリストとして、地元の暴力・麻薬に関する犯罪事件を追ったノンフィクション作品を刊行しました。本作の着想も、実際の事件から得たと言います。

そのようにして

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世界の文学界が絶賛したメキシコ発の衝撃作『ハリケーンの季節』(フェルナンダ・メルチョール/宇野和美訳)12月20日発売

世界の文学界が絶賛したメキシコ発の衝撃作『ハリケーンの季節』(フェルナンダ・メルチョール/宇野和美訳)12月20日発売

2020年のブッカー国際賞最終候補となり、英米はじめ様々な国の紙誌で絶賛された小説『ハリケーンの季節』(原題 Temporada de huracanes)を2023年12月20日に刊行します。
メキシコの作家フェルナンダ・メルチョールによる本作は、『ブラッド・メリディアン』(コーマック・マッカーシー)、『2666』(ロベルト・ボラーニョ)を引き合いに出して評価される傑作です。
現在までに34言語

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短い旅に出た元夫婦。思い起こされるのは過去の怒りや涙、そして確かに存在していた絆──ピュリッツァー賞作家エリザベス・ストラウト新刊『ああ、ウィリアム!』

短い旅に出た元夫婦。思い起こされるのは過去の怒りや涙、そして確かに存在していた絆──ピュリッツァー賞作家エリザベス・ストラウト新刊『ああ、ウィリアム!』

〇あらすじ
ルーシー・バートンと元夫のウィリアムは、
離婚してからも穏やかな付き合いを続けていた。

ある日、亡き母の秘密を知って動揺するウィリアムに助けを求められ、
ふたりは短い旅に出る。

家族という、時に厄介で時にいとおしい存在は何なのか。
結婚とは、人を知るとは何なのか。
静かな感慨に満ちたブッカー賞最終候補作。

〇著者についてエリザベス・ストラウト

1956年にメイン州ポートランドで

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1950年、地球一周飛行挑戦中に消息を絶った女性飛行士。2014年、その飛行士を演じることになったハリウッド女優。残された航空日誌が繋ぐ、二つの人生の円──ブッカー賞最終候補『グレート・サークル』

1950年、地球一周飛行挑戦中に消息を絶った女性飛行士。2014年、その飛行士を演じることになったハリウッド女優。残された航空日誌が繋ぐ、二つの人生の円──ブッカー賞最終候補『グレート・サークル』

〇あらすじ

「わたしは生まれながらの放浪者だった。波間に遊ぶ海鳥のように、わたしはこの地球に生まれ落ちた。」

1914年、赤ん坊のマリアン・グレイヴスは北大西洋で沈没する汽船から救出され、モンタナ州の叔父の元で育った。ある日、町にやってきた曲芸飛行士に遭遇したマリアンは空の世界と飛ぶ興奮にすっかり魅了される。

男たちや戦争に傷つけられながらも、やがて念願の飛行士となった彼女は1950年、生涯

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【4月25日発売】たったひとりで墓地管理人をする女性の喪失と再生──フランスで130万部突破のベストセラー小説『あなたを想う花』

【4月25日発売】たったひとりで墓地管理人をする女性の喪失と再生──フランスで130万部突破のベストセラー小説『あなたを想う花』

フランスで130万部を突破し、2022年には「フランス国民が選ぶ必読本25冊」のうちの一つに〈ハリー・ポッター〉シリーズなどと並んで選出されたベストセラー小説『あなたを想う花』(原題:Changer l'eau des fleurs)が日本でも刊行となります。2020年、ロックダウン中のイタリアで一番売れた本で、2022年にはノルウェーで一番売れた本となり、反響はフランス国内にとどまりません。

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アカデミー賞四冠のコーエン兄弟監督映画「ノーカントリー」原作、待望の復刊。『ノー・カントリー・フォー・オールド・メン』(コーマック・マッカーシー/黒原敏行訳)

アカデミー賞四冠のコーエン兄弟監督映画「ノーカントリー」原作、待望の復刊。『ノー・カントリー・フォー・オールド・メン』(コーマック・マッカーシー/黒原敏行訳)

米文学界の巨匠コーマック・マッカーシーの傑作犯罪小説が待望の文庫化です。『血と暴力の国』(扶桑社ミステリー)から改題、改訂した上での再文庫化。黒原敏行さんが今回の文庫用に書き下ろした訳者あとがきと、作家・佐藤究さんによる解説が収録されています。映画「ノーカントリー」は観たことがあるけれど、原作はまだ……という方にもぜひともお薦めしたい一冊です。

あらすじ1980年。ヴェトナム帰還兵のモスは、メキ

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【2月3日(金)オンライン開催決定!】池田真紀子氏×柳下毅一郎氏『インヴェンション・オブ・サウンド』刊行記念トークイベント「生きのびるためのパラニューク」開催【イベントは終了いたしました】

【2月3日(金)オンライン開催決定!】池田真紀子氏×柳下毅一郎氏『インヴェンション・オブ・サウンド』刊行記念トークイベント「生きのびるためのパラニューク」開催【イベントは終了いたしました】

2023年1月、単行本『インヴェンション・オブ・サウンド』が18年ぶりの邦訳新刊となるチャック・パラニューク。
本書や『ファイト・クラブ』を始めとするパラニューク作品の訳者である池田真紀子さんと、同じくパラニューク作品の翻訳経験がある柳下毅一郎さんによるオンライン・トークイベントを開催します!各作品の魅力から翻訳の秘訣まで、ファン必見のイベントをお見逃しなく!

【イベント概要】開催日時:2023

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新年1月6日発売! サリー・ルーニー2作目の待望の邦訳『ノーマル・ピープル』(山崎まどか訳)訳者あとがき公開

新年1月6日発売! サリー・ルーニー2作目の待望の邦訳『ノーマル・ピープル』(山崎まどか訳)訳者あとがき公開

2023年1月6日、早川書房からサリー・ルーニーの2作目の小説『ノーマル・ピープル』(山崎まどか訳)の邦訳が発売されます。発売まで約1週間。『カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ』を読んで『ノーマル・ピープル』の発売が待ち遠しい方も、読んではいないけれど、サリー・ルーニーってどんな作者かちょっとだけ興味のある方も、英語圏だけで150万部超の『ノーマル・ピープル』の内容がちょっとだけ先取りできる「訳

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『嘘つき村長はわれらの味方』(クリスティーヌ・サイモン/金井真弓訳)12月21日水曜日発売のお知らせ

『嘘つき村長はわれらの味方』(クリスティーヌ・サイモン/金井真弓訳)12月21日水曜日発売のお知らせ

早川書房では、12月21日にイタリア系アメリカ人クリスティーヌ・サイモンのデビュー作『噓つき村長はわれらの味方』(原題 The Patron Saint of Second Chances)を刊行します。へっぽこ村長なのに、なんだか憎めない、読んでいてくすっと笑える……。暗い話題ばかりの今の時代、肩の力を抜いて気楽に読める、ちょっとした笑いの絶えない楽しい小説です。年末年始のお休みのお供に是非どう

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英国最高の文学賞 ブッカー賞受賞作『シャギー・ベイン』(ダグラス・スチュアート、黒原敏行 訳)

英国最高の文学賞 ブッカー賞受賞作『シャギー・ベイン』(ダグラス・スチュアート、黒原敏行 訳)

早川書房では、イギリスで最も権威のある文学賞の一つであるブッカー賞をデビュー作にして受賞した『シャギー・ベイン』を刊行いたしました。本書はブッカー賞受賞に加え、全米図書賞の最終候補作になり、2021年の全英図書賞の年間最優秀作品賞も受賞。原書は英語圏のみで既に100万部を売り上げ、英米の文学界で高い評価を得ている注目作です。

●書評読売新聞(2022年6月5日)書評(辛島デイヴィッド氏、作家・翻

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人生の滋味を描く名手アン・タイラーが贈る、不器用な中年男性のやり直しの物語『この道の先に、いつもの赤毛』(3月16日発売)

人生の滋味を描く名手アン・タイラーが贈る、不器用な中年男性のやり直しの物語『この道の先に、いつもの赤毛』(3月16日発売)

英国で最高の文学賞であるブッカー賞。その2020年の候補作となった、アン・タイラー『この道の先に、いつもの赤毛』(原題:Redhead by the Side of the Road)が3月16日に発売されます。翻訳を手掛けるのは、エリザベス・ストラウト『オリーヴ・キタリッジの生活』などを訳されている小川高義さん。アン・タイラーらしいユーモラスで滋味深い仕掛けが光る作品です。

◎本書に寄せられた

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電子書籍ストアReader Store/ブックパスにて、早川書房の電子書籍ほぼ全点が対象となる30%OFFクーポンキャンペーンが開催中です! 期間は6/24(木)いっぱいまで。この機会に両ストアをお使いの皆さんはぜひさまざまな名作・話題作を手にとってみてください!

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