ハヤカワ国内フィクション

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ノート

いよいよ28日から開催! キツすぎる練習で意識が飛んだこともあった――いよいよやってきた、師匠に優勝報告する日

『グランプリ』(高千穂遙)第1章冒頭掲載、第7回目の更新です。今回で更新は最後になります。物語はここからが本番! 続きはぜひ書籍でお楽しみください。

グランプリ

第一章 日本選手権競輪(承前)
 
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 記者会見が終わった。
 共同インタビューがおこなわれたインタビュールームだ。集まった記者たちが、いっせいに引き揚げていく。
 だが、瀬戸はまだこの部屋に留まらないといけない。

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開催まであと2日! 自転車同士の接触で飛ぶ火花、そして落車……コンマ数秒の出来事にレースは左右される。

『グランプリ』(高千穂遙)第1章冒頭掲載、第6回目の更新です。いよいよ日本選手権開始。レース中もさまざまな駆け引きが行われ、時に接触することもあり……

グランプリ

第一章 日本選手権競輪(承前)
 
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 名前を呼ばれ、決勝出場選手が敢闘門からバンクにでていく。
 日本選手権競輪開催六日目、第十一レース。
 場内にファンファーレが響き渡った。華やかな曲が芝居がかったアナウンスと

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開催まであと3日! 「桁違いの実力」と「尋常ではないツキ」だけでは勝てない。それが日本一決定戦”グランプリ”

『グランプリ』(高千穂遙)第1章冒頭掲載、第5回。練習がキツすぎて意識が飛ぶ!? 第一線で活躍を続ける選手はみな、過酷な練習を積んでいるようです。

グランプリ

第一章 日本選手権競輪(承前)
 

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 選手宿舎に戻った。
 まずは風呂に入って、汗を流す。それから夕食だ。
 食堂に遠山岳彦(たけひこ)がいた。都合がいい。食べながら、あしたの話をした。スタートで、どの位置をとるか。

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連続殺人犯から頼まれたのは、1件の冤罪の証明だった――【5刷決定】『死刑にいたる病』冒頭公開、第2回。

『死刑にいたる病』冒頭公開、2回目の更新です。鬱屈した大学生活を送る雅也は、地域で人気のベーカリー店店主であり、幼いころの自分のよき理解者であった榛村に会いに行くが……

死刑にいたる病 第1章

前回までの内容はこちら

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 予想していたより、かの施設は明るく清潔だった。
 まず門にある受付で「なんの用で来たのか」と訊かれる。「面会だ」と答えると、来訪者用のバッジを渡された。雅也はすこし迷

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究極の初恋小説『未必のマクベス』冒頭公開、第2回更新

『未必のマクベス』冒頭公開、第2回更新です。

前回までの内容はこちら

「沢木耕太郎(さわきこうたろう)の?」
「うん」
「学生のころに読んだな」
「あの話に出てきた澳門のカジノって、まだあるのかな」
 伴は、そう言いながら、スーツケースに引っ掛けたバッグからiPadを取り出して、検索サイトを開いている。
「おっ、まだある。ホテルもまだあって、一番安いルーム・チャージなら、一泊八百香港ドルだ。そ

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日本一決定戦まであと6日! 競輪は個人競技なのにチーム戦? 勝負の行方を左右する”ライン”とは?

『グランプリ』(高千穂遙)第1章冒頭掲載、第4回。競輪は、よく見ると何人かの選手がかたまりになって走っています。個人競技なのになぜ――? と思われた方、実はそれも作戦らしいですよ。

グランプリ

第一章 日本選手権競輪(承前)

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 松丘蘭子を瀬戸に紹介したのは、八十嶋誠だった。
 初日のレースが終わり、一息ついたときである。
「おもしろい娘(こ)がまぎれこんでるぜ」
 そう

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SF最大のタブーに挑む問題作。未成年型セックス用アンドロイドの少年を愛することは、合法か? それとも犯罪か? 山本弘の長篇 『プラスチックの恋人』冒頭、衝撃の特別公開!

プロローグ

 男性ゲストをお送りするため、廊下に通じるドアのところまで歩いていき、ノブに手をかけようとしたら、ドアの横のパネルが赤く明滅した。〈他のゲストの方が通路を利用中です〉という表示が出る。ドアは自動でロックされたままだ。
「ああ、他の方が移動されているところですね。しばらくお待ちください」
 ゲストを不必要に不安にさせないよう、ボクは〈どうってことありませんよ〉モードのメッセージを〈やや

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日本一決定戦まであと7日! 20代vs30代! 体力勝負ができなくなったら、自分の"脚"の特徴を見極めるべし。

『グランプリ』(高千穂遙)第1章冒頭掲載、3回目の更新。競輪のレースは場所取りが命!! そのためなら頭突きや体当たりもする、想像以上に過酷な競技。さらに体力が衰えたら戦い方も変えなくてはならなくて……

グランプリ

第一章 日本選手権競輪(承前)

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 第十一レースが終わった。
 開催五日目。きょうの最終レースだ。三本目の準決勝戦である。
 選手が敢闘門(かんとうもん)をくぐり、

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【3万部突破!】あなたは、初恋の人の名前を検索したことがありますか――? 究極の恋愛小説・早瀬耕『未必のマクベス』(ハヤカワ文庫)冒頭公開

「あなたは、王として旅を続けなくてはならない」――IT系企業に勤める中井優一は、帰国の途上、マカオの娼婦から予言めいた言葉を告げられる。やがて香港の子会社の代表取締役として出向を命じられた優一だったが、そこには底知れぬ陥穽が待ち受けていた。

早瀬耕『未必のマクベス』ハヤカワ文庫

i Night Flight - Late Summer

 旅って何だろう? と考える。
「自分の居場所から離れ

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連続殺人鬼は、あなたのすぐそばにいるかもしれない。【5刷決定】『死刑にいたる病』冒頭公開

「罪は認めるが、最後の一件だけは冤罪だ。それを証明してくれないか?」ある日突然、連続殺人犯からそんな手紙が届いたら。そして差出人が自分のよき理解者だったら、あなたならどうしますか――? 衝撃的な展開で話題の小説『死刑にいたる病』(櫛木理宇)の冒頭を掲載します。

絶望とは死にいたる病である。
──キェルケゴール  
 あたしはあなたの病気です
──寺山修司『疫病旅行記』  

プロローグ

 信号

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