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ハヤカワ・ノンフィクション

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ハヤカワ・ノンフィクション文庫や、ハヤカワ・ノンフィクションなど。話題のノンフィクション作品の解説、試し読みを公開中。
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#AI

人間の強みである「数学的知性」の7つの特徴とは。『AIに勝つ数学脳』訳者あとがき(水谷淳)

人間の強みである「数学的知性」の7つの特徴とは。『AIに勝つ数学脳』訳者あとがき(水谷淳)

AI(人工知能)の進歩めざましい今、AIを「使う側」に立つために人間にとって必要な思考法とは? 人間ならではの強みである「数学的知性」の特徴とは?
これらの問いに見事に答えてくれるのが、世界的ベストセラー数学者のイアン・スチュアートも「真の知性を希求する叫び声がここにある」と太鼓判を押す話題の新刊『AIに勝つ数学脳』(ジュネイド・ムビーン、早川書房)です。本書の読みどころをぎゅっと凝縮した、水谷淳

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あなたの脳に眠る「数学的知性」を覚醒させよう! 『AIに勝つ数学脳』本文試し読み

あなたの脳に眠る「数学的知性」を覚醒させよう! 『AIに勝つ数学脳』本文試し読み

計算だけが「数学」じゃない。AI(人工知能)ブームの今、AIを「使う側」に立つために必要な思考法とは?
話題の新刊『AIに勝つ数学脳』(ジュネイド・ムビーン、水谷淳訳、早川書房)より、あなたの脳で眠っている「数学的知性」を呼び起こすためのヒントを紹介します。(本文「はしがき」より試し読み公開。一部編集してお届けします。)

はしがき 数学的知性の正体1950年代、MIT。人工知能の第一の波が近づい

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なぜAIガバナンスは「自分事」なのか。羽深宏樹 『AIガバナンス入門: リスクマネジメントから社会設計まで』序章全文公開

なぜAIガバナンスは「自分事」なのか。羽深宏樹 『AIガバナンス入門: リスクマネジメントから社会設計まで』序章全文公開

AIがもたらすリスクをどのようにコントロールし、便益を最大化するか? 生成AI以降、あらゆる人にとって喫緊の課題となっている「AIガバナンス」について、基礎知識から各国の動向、あるべき社会像までを解説した初めての入門書にして決定版『AIガバナンス入門 リスクマネジメントから社会設計まで』(羽深宏樹、ハヤカワ新書)が12/19に発売。国際的に活躍する弁護士にして京都大学「人工知能と法」ユニット特任教

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脳と同様にはたらくAIは実現可能か? 名著『考える脳 考えるコンピューター〔新版〕』が文庫になって新発売

脳と同様にはたらくAIは実現可能か? 名著『考える脳 考えるコンピューター〔新版〕』が文庫になって新発売

脳と同様にはたらく機械や人工知能(AI)は、実現可能なのか?
最新型ロボットでも難しいとされる二足歩行を、人間の幼児が易々とこなす背景には、膨大な記憶に基づき将来を絶えず予測する「脳」の存在があります。その中核を担うのが、「大脳新皮質のアルゴリズム」。
スマートフォンの原型となるPDA、パームパイロットを開発し成功を収めた著者ジェフ・ホーキンスが迫る、「知能の本質」とは?
脳科学とコンピューター工

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松尾豊「私の人工知能研究者としてのキャリアとともにある本であり、私の考えを形作った本でもある」——『考える脳 考えるコンピューター〔新版〕』解説特別公開

松尾豊「私の人工知能研究者としてのキャリアとともにある本であり、私の考えを形作った本でもある」——『考える脳 考えるコンピューター〔新版〕』解説特別公開

脳と同様にはたらく機械や人工知能は、はたして実現可能なのか? 脳と人工知能の決定的な差異は、どこにあるのか? ChatGPTをはじめとする生成AIに世界的に関心が集まる現在、今なおその答えを求められ続けている根源的な問いかけを2000年代前半の時点で提示し、「知能の本質」に迫った名著『考える脳 考えるコンピューター〔新版〕』(ジェフ・ホーキンス、サンドラ・ブレイクスリー [著]、伊藤文英 [訳]、

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新書創刊の舞台裏:本当の意味でのChatGPTの凄さを、あなたはまだ知らない…?『ChatGPTの頭の中』担当編集者が語る

新書創刊の舞台裏:本当の意味でのChatGPTの凄さを、あなたはまだ知らない…?『ChatGPTの頭の中』担当編集者が語る

早川書房があらたに立ち上げた新書レーベル「ハヤカワ新書」。早川書房の強みであるSFやミステリ、ノンフィクションなど多彩な視点を生かした、独自の切り口の新書を多数予定しています。
創刊第二弾はいよいよ2023年7月19日(水)発売。どんなテーマの新書が読めるようになる? そもそも新書創刊って何を準備する? ……そんな疑問にお答えすべく、『ChatGPTの頭の中』(著:スティーヴン・ウルフラム、監訳:

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【いまAIがさらに熱い】「AIを知るための本」おすすめ作品を紹介【Kindleにて50%OFFセール実施中の作品多数】

【いまAIがさらに熱い】「AIを知るための本」おすすめ作品を紹介【Kindleにて50%OFFセール実施中の作品多数】

世間をにぎわす画像生成ソフトやChatGPTなどのAI技術。いま、人間とAIのかかわりは歴史的な転換点を迎えようとしています。
「人工知能(AI)」は、SF小説で古くから大事にされてきたもののひとつです。古典作品から最新のSFまで、さまざまな形でAIとともに生きる世界が示されています。
AIを知り、そしてどんな関係を築いていくのか。こちらの記事では、”AIを知る”古今東西のSF小説をご紹介していき

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人間とAI、2022年の現在地。SFマガジン「AIとの距離感」特集

人間とAI、2022年の現在地。SFマガジン「AIとの距離感」特集

SFマガジン12月23日発売号、特集「AIとの距離感」の内容を公開します。

画像生成AIが凄まじい速度で浸透して、AIイラストが大きな注目を集めた2022年。文化芸術の領域においても人とAIの関係性が激変していくなかで、小説とテクノロジーの新たな距離感をSFによって模索していきます。もちろん表紙はAIイラスト(SFマガジン史上初)。年末発売&再販なしの文芸誌につき、ご注文はどうぞお早めに!

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脳に興味があるすべての人に心からおすすめできる一冊。デイヴィッド・イーグルマン『脳の地図を書き換える:神経科学の冒険』解説・紺野大地

脳に興味があるすべての人に心からおすすめできる一冊。デイヴィッド・イーグルマン『脳の地図を書き換える:神経科学の冒険』解説・紺野大地

解説 東京大学医学部付属病院 老年病科 医師  紺野大地

良い本を読むと心が震え、「いつまでもこの本を読み続けていたい」という感覚を抱く。そのような本に出会えるのは一年に一度あるかどうかだが、この本は間違いなくその一冊だ。

内容に入る前に、本書の著者について簡単に紹介しよう。デイヴィッド・イーグルマン博士はスタンフォード大学に所属する神経科学者でありながらNeosensory(ネオセンソリー)

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AIをめぐる、GAFAの壮大なるマッチポンプ『虚妄のAI神話』試し読み

AIをめぐる、GAFAの壮大なるマッチポンプ『虚妄のAI神話』試し読み



(以下、本文より抜粋)

放火魔の消防士

 現在、インターネット業界の表舞台に立っている大企業は、フランスでは、GAFAや、GAFAM、NATUというふうに総称されている。これらのいわゆる「ウェブ業界の巨人」は、シンギュラリティの宣伝に巨額の資金を投じている。

*GAFAは、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルのこと。マイクロソフトを加え、GAFAMと呼ばれることもある。フランスで

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「シンギュラリティ」の背後にうごめく、GAFAの政治的野望とは?『虚妄のAI神話』解説・西垣通(東京大学名誉教授)

「シンギュラリティ」の背後にうごめく、GAFAの政治的野望とは?『虚妄のAI神話』解説・西垣通(東京大学名誉教授)

シンギュラリティ仮説の背後にうごめくもの
東京大学名誉教授(情報学) 西垣通 2010年代後半に入って、AI(人工知能)ブームの過熱ぶりは凄まじい。とりわけ、その中核にあるシンギュラリティ(技術的特異点)仮説は、現代のグロテスクな神話と言ってもよいだろう。本書『虚妄のAI神話──「シンギュラリティ」を葬り去る』(原題はLe mythe de la Singularité、2017)は、シンギュラリ

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進化するGoogle翻訳に、翻訳家が思うこと。『予測マシンの世紀』訳者あとがき

進化するGoogle翻訳に、翻訳家が思うこと。『予測マシンの世紀』訳者あとがき



書評サイト「HONZ」レビューなどで早くも話題沸騰の新刊『予測マシンの世紀』。本書を翻訳した小坂恵理さんに「訳者あとがき」を寄稿いただきました。

***

訳者あとがきこの数年、人工知能(AI)は大きな注目を集めるトピックとなり、シンギュラリティ(技術的特異点)やディープラーニング(深層学習)といった言葉に触れる機会もめずらしくなくなりました。少子高齢化が進む日本では、人間に代わる戦力として

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「トランプ効果」でカナダのAIシーンが加速!? AI時代の勝者を占う『予測マシンの世紀』編集部解説

「トランプ効果」でカナダのAIシーンが加速!? AI時代の勝者を占う『予測マシンの世紀』編集部解説



需要を予測する、費用対効果を予測する、株の値動きを予測する……。予測はビジネスの基本だが、残念ながら多くの人は予測が苦手だ。予測に関する研究の第一人者でペンシルバニア大学教授のフィリップ・テトロックによれば、専門家の予測でさえ、その精度はチンパンジーがダーツを投げて的まとに命中するのとそう変わらないらしい。行動経済学が近年明らかにしたように、人間の思考にはさまざまなバイアスが潜んでいて、事実を

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Googleチーフ・エコノミスト、MIT教授、『WIRED』創刊編集長、ハーバード大学元学長らが続々絶賛!『予測マシンの世紀』の読みどころとは?

Googleチーフ・エコノミスト、MIT教授、『WIRED』創刊編集長、ハーバード大学元学長らが続々絶賛!『予測マシンの世紀』の読みどころとは?

AIビジネス最前線・トロント大学の権威がAIのインパクトを語りつくす『予測マシンの世紀』。本書にはビジネス/経済/テクノロジーの最前線に身を置いてきた人々がこぞって賛辞を寄せています。本記事で一挙公開!

孫泰蔵(Mistletoe株式会社Founder)
「意思決定者必読。AIがもたらす本質的な変化を『トレードオフ』という考え方の枠組みでズバッと整理した良書」

ケヴィン・ケリー(『WIRED』

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