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ハヤカワ・ノンフィクション

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ハヤカワ・ノンフィクション文庫や、ハヤカワ・ノンフィクションなど。話題のノンフィクション作品の解説、試し読みを公開中。
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#AI

脳に興味があるすべての人に心からおすすめできる一冊。デイヴィッド・イーグルマン『脳の地図を書き換える:神経科学の冒険』解説・紺野大地

脳に興味があるすべての人に心からおすすめできる一冊。デイヴィッド・イーグルマン『脳の地図を書き換える:神経科学の冒険』解説・紺野大地

解説 東京大学医学部付属病院 老年病科 医師  紺野大地

良い本を読むと心が震え、「いつまでもこの本を読み続けていたい」という感覚を抱く。そのような本に出会えるのは一年に一度あるかどうかだが、この本は間違いなくその一冊だ。

内容に入る前に、本書の著者について簡単に紹介しよう。デイヴィッド・イーグルマン博士はスタンフォード大学に所属する神経科学者でありながらNeosensory(ネオセンソリー)

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AIをめぐる、GAFAの壮大なるマッチポンプ『虚妄のAI神話』試し読み

AIをめぐる、GAFAの壮大なるマッチポンプ『虚妄のAI神話』試し読み



(以下、本文より抜粋)

放火魔の消防士

 現在、インターネット業界の表舞台に立っている大企業は、フランスでは、GAFAや、GAFAM、NATUというふうに総称されている。これらのいわゆる「ウェブ業界の巨人」は、シンギュラリティの宣伝に巨額の資金を投じている。

*GAFAは、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルのこと。マイクロソフトを加え、GAFAMと呼ばれることもある。フランスで

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「シンギュラリティ」の背後にうごめく、GAFAの政治的野望とは?『虚妄のAI神話』解説・西垣通(東京大学名誉教授)

「シンギュラリティ」の背後にうごめく、GAFAの政治的野望とは?『虚妄のAI神話』解説・西垣通(東京大学名誉教授)

シンギュラリティ仮説の背後にうごめくもの
東京大学名誉教授(情報学) 西垣通 2010年代後半に入って、AI(人工知能)ブームの過熱ぶりは凄まじい。とりわけ、その中核にあるシンギュラリティ(技術的特異点)仮説は、現代のグロテスクな神話と言ってもよいだろう。本書『虚妄のAI神話──「シンギュラリティ」を葬り去る』(原題はLe mythe de la Singularité、2017)は、シンギュラリ

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進化するGoogle翻訳に、翻訳家が思うこと。『予測マシンの世紀』訳者あとがき

進化するGoogle翻訳に、翻訳家が思うこと。『予測マシンの世紀』訳者あとがき



書評サイト「HONZ」レビューなどで早くも話題沸騰の新刊『予測マシンの世紀』。本書を翻訳した小坂恵理さんに「訳者あとがき」を寄稿いただきました。

***

訳者あとがきこの数年、人工知能(AI)は大きな注目を集めるトピックとなり、シンギュラリティ(技術的特異点)やディープラーニング(深層学習)といった言葉に触れる機会もめずらしくなくなりました。少子高齢化が進む日本では、人間に代わる戦力として

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「トランプ効果」でカナダのAIシーンが加速!? AI時代の勝者を占う『予測マシンの世紀』編集部解説

「トランプ効果」でカナダのAIシーンが加速!? AI時代の勝者を占う『予測マシンの世紀』編集部解説



需要を予測する、費用対効果を予測する、株の値動きを予測する……。予測はビジネスの基本だが、残念ながら多くの人は予測が苦手だ。予測に関する研究の第一人者でペンシルバニア大学教授のフィリップ・テトロックによれば、専門家の予測でさえ、その精度はチンパンジーがダーツを投げて的まとに命中するのとそう変わらないらしい。行動経済学が近年明らかにしたように、人間の思考にはさまざまなバイアスが潜んでいて、事実を

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Googleチーフ・エコノミスト、MIT教授、『WIRED』創刊編集長、ハーバード大学元学長らが続々絶賛!『予測マシンの世紀』の読みどころとは?

Googleチーフ・エコノミスト、MIT教授、『WIRED』創刊編集長、ハーバード大学元学長らが続々絶賛!『予測マシンの世紀』の読みどころとは?

AIビジネス最前線・トロント大学の権威がAIのインパクトを語りつくす『予測マシンの世紀』。本書にはビジネス/経済/テクノロジーの最前線に身を置いてきた人々がこぞって賛辞を寄せています。本記事で一挙公開!

孫泰蔵(Mistletoe株式会社Founder)
「意思決定者必読。AIがもたらす本質的な変化を『トレードオフ』という考え方の枠組みでズバッと整理した良書」

ケヴィン・ケリー(『WIRED』

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Amazonのビジネスモデルは、注文前に商品を届ける「予測発送」型に!?『予測マシンの世紀』PV

Amazonのビジネスモデルは、注文前に商品を届ける「予測発送」型に!?『予測マシンの世紀』PV

孫泰蔵(連続起業家)、ケヴィン・ケリー(『WIRED』創刊編集長)、ハル・ヴァリアン(Googleチーフ・エコノミスト)らがこぞって絶賛する話題作、『予測マシンの世紀』。本PVではそのエッセンスを紹介します。

AIの経済学的インパクトは「予測のコストを下げる」ことにある、と著者は述べます。その影響は以下の2つにまとめられます。

①予測が頻繁に行なわれるようになる。
②判断や行動など、予測を補完

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【日経新聞・讀賣新聞ほか書評続々!】AIは人間の意思決定をどのように変えるのか? 『予測マシンの世紀』試し読み

【日経新聞・讀賣新聞ほか書評続々!】AIは人間の意思決定をどのように変えるのか? 『予測マシンの世紀』試し読み

AI研究の最前線として世界的に注目を集める、カナダのトロント大学。3月に来日を果たしたアジェイ・アグラワル教授をはじめ、AIをビジネスを創出するプラットフォーム「創造的破壊ラボ」を同大学に立ち上げ数多くの起業を成功に導いてきた三人の経済学者がその知見を注ぎ込んだ話題作、『予測マシンの世紀――AIが駆動する新たな経済』が発売中。

人間の予測の当てにならなさは行動経済学などが近年明らかにしているとこ

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AIビジネス最前線・トロント大学の権威が語る未来図とは?『予測マシンの世紀』著者アジェイ・アグラワル氏、「Sansan Innovation Project 2019」に登壇【入場無料】

AIビジネス最前線・トロント大学の権威が語る未来図とは?『予測マシンの世紀』著者アジェイ・アグラワル氏、「Sansan Innovation Project 2019」に登壇【入場無料】



早川書房は2月6日、アジェイ・アグラワル、ジョシュア・ガンズ、アヴィ・ゴールドファーブ『予測マシンの世紀――AIが駆動する新たな経済』(小坂恵理訳)を刊行します。本書はAI研究の最前線・トロント大学の経営大学院教授をつとめる三氏が、AIがビジネスにもたらすインパクトを語りつくす一冊です。

2019年3月14日、著者のひとりアジェイ・アグラワル氏がビジネスカンファレンス「Sansan Inno

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メーカーの利益vs.最大多数の最大幸福――自動運転車の大問題〈回答篇〉『答えのない世界に立ち向かう哲学講座』【NHK「ひるまえほっと」紹介で大反響】

メーカーの利益vs.最大多数の最大幸福――自動運転車の大問題〈回答篇〉『答えのない世界に立ち向かう哲学講座』【NHK「ひるまえほっと」紹介で大反響】

問題 自動運転車版トロッコ問題

あなたは一人で自動運転車に乗っています。
すると、前方でタンクローリー車が横転してしまう。

車の左側では子どもが、右側では老人が道路を横断中です。
そのまま直進するとタンクローリー車と衝突しますが、左にハンドルを切れば子どもを轢いてしまうし、右にハンドルを切れば老人を轢いてしまいます。

このときどう進むように、自動運転車を設計すべきでしょうか。

家族が同乗し

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【NHK「ひるまえほっと」紹介で大反響】老人を轢くか、子どもを轢くか、乗員が死ぬか――自動運転車の大問題〈出題篇〉『答えのない世界に立ち向かう哲学講座』

【NHK「ひるまえほっと」紹介で大反響】老人を轢くか、子どもを轢くか、乗員が死ぬか――自動運転車の大問題〈出題篇〉『答えのない世界に立ち向かう哲学講座』

人気の哲学教授、岡本裕一朗氏のビジネスパーソン向け連続講義を書籍化した話題作、『答えのない世界に立ち向かう哲学講座』。

本書では、自動運転車やゲノム編集など、最新のテクノロジーがもたらすさまざまな哲学的問題について、刺激的な「思考実験」を通じて考えていきます。

その中から、本記事では次の思考実験を紹介。あなたならどう考えますか?

問題 自動運転車版トロッコ問題

あなたは一人で自動運転車に乗

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自分の信じる「正しさ」を、どこまで説明できますか? 岡本裕一朗『答えのない世界に立ち向かう哲学講座』冒頭公開

自分の信じる「正しさ」を、どこまで説明できますか? 岡本裕一朗『答えのない世界に立ち向かう哲学講座』冒頭公開



第1講 哲学とは何か、現代の視点から見定める
人生論でも、ハウツーの知識でもなく

岡本 哲学といえば、かつて日本では著名な哲学者の学説を学んだり、人生論を説教したりするウサン臭い学問のように見られてきました。しかし、そんな哲学のイメージは、いまではすっかり古くなっています。
 哲学はもともと、自らが生きる時代においていったい何が起こっているのか、絶えず問い直すアクチュアルな学問です。そのため

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自動運転車が人をはねたら、誰が責任を負う? 岡本裕一朗『答えのない世界に立ち向かう哲学講座』拡大無料お試し版電子書籍を先行配信

自動運転車が人をはねたら、誰が責任を負う? 岡本裕一朗『答えのない世界に立ち向かう哲学講座』拡大無料お試し版電子書籍を先行配信

株式会社早川書房は11月6日、岡本裕一朗『答えのない世界に立ち向かう哲学講座』を刊行します。

ベストセラー『いま世界の哲学者が考えていること』(ダイヤモンド社)などの著作で知られる注目の哲学教授が、最新テクノロジーがもたらす倫理的課題と未来像を、プラトン、アリストテレスから、ハンナ・アーレント、マイケル・サンデル、マルクス・ガブリエルまで、古今の哲学者の思考を通して徹底議論します。

本書は『W

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SF作家のヴィジョンは予言か、それとも妄言か。5月26日発売『そろそろ、人工知能の真実を話そう』を予習しよう

SF作家のヴィジョンは予言か、それとも妄言か。5月26日発売『そろそろ、人工知能の真実を話そう』を予習しよう

ジャン=ガブリエル・ガナシア『そろそろ、人工知能の真実を話そう』より、本書のキーワードである「シンギュラリティ(技術的特異点)」という概念の来歴について解説した箇所を先行掲載いたします。はたして、シンギュラリティ=AIが人類の理解を超える時点は訪れるのでしょうか? 今回の抜粋の最後では、この問いに対する著者の立場が垣間見えます。

***
第二章 技術的特異点(シンギュラリティ)最初のシナリオ今、

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