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ハヤカワ・ノンフィクション

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ハヤカワ・ノンフィクション文庫や、ハヤカワ・ノンフィクションなど。話題のノンフィクション作品の解説、試し読みを公開中。
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#心理学

叱られたイヌが悲しい表情をするのはなぜ? 『後悔するイヌ、嘘をつくニワトリ 動物たちは何を考えているのか?』【本文試し読み】

叱られたイヌが悲しい表情をするのはなぜ? 『後悔するイヌ、嘘をつくニワトリ 動物たちは何を考えているのか?』【本文試し読み】

「イヌは叱られると悲しい表情をするのはなぜ?」
「メンドリの気を引くため、オンドリは平然と嘘をつく?」
「リスはときどき盗みを働き、シカも悲しみに暮れる?」

ドイツで100万部を突破した世界的ベストセラー『樹木たちの知られざる生活』の著者、ペーター・ヴォールレーベンさんの続篇がついに文庫化!
動物たちのリアルな感情世界を描いた『後悔するイヌ、嘘をつくニワトリ 動物たちは何を考えているのか?』(『

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愛犬家の思いに、ついに科学が追いつく。全ての犬好きに捧ぐ『イヌは愛である』

愛犬家の思いに、ついに科学が追いつく。全ての犬好きに捧ぐ『イヌは愛である』

イヌが人間にあふれんばかりにそそぐ、その好意の源はどこにあるのか? 科学の禁忌とされてきたその謎に、名門アリゾナ州立大学でイヌを専門に研究するクライブ・ウィン教授が挑む『イヌは愛である』が刊行されました。

推薦の声

人とイヌの出会い、その共生の歴史。
それは「愛」と呼べるものかもしれない。
ーー菊水健史(麻布大学獣医学部教授、本書解説者)

科学がついに明らかにしたイヌの秘密。
それは、他のあ

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なぜ人は自分の若いころの音楽がいちばんよいと思うのか……『ハマりたがる脳――「好き」の科学』訳者あとがき

なぜ人は自分の若いころの音楽がいちばんよいと思うのか……『ハマりたがる脳――「好き」の科学』訳者あとがき

「自分の好みを最もわかっていないのが自分である」……行動経済学をはじめとするいろいろな実験・研究結果をもとに人間行動の謎を考察する、現代人なら無視できない1冊、『ハマリたがる脳――「好き」の科学』が本日発売。本記事では、その内容をコンパクトに紹介する「訳者あとがき」を公開します。

訳者あとがき(桃井緑美子)

本書『ハマりたがる脳─「好き」の科学』(『好き嫌い─行動科学最大の謎─』を改題)

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「あなたの知能は『平均』以上ですか?」――こんな問いに振り回されない個性を磨くには、『ハーバードの個性学入門 ―― 平均思考は捨てなさい』

「あなたの知能は『平均』以上ですか?」――こんな問いに振り回されない個性を磨くには、『ハーバードの個性学入門 ―― 平均思考は捨てなさい』



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『ハーバードの個性学入門 ―― 平均思考は捨てなさい』トッド・ローズ/小坂恵理訳/ハヤカワ・ノンフィクション文庫/好評発売中

わたしたちは能力を「平均値」と比較して評価されることに、すっかり慣れきってしまっています。しかし、この従来型の評価システムは実際には機能していないと、著者は鋭く指摘します(詳しくは、「グーグルやマイクロ

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東大教授・柳川範之氏、推薦! 独創的な知性が身につく『ハーバードの個性学入門』の読みどころを紹介!

東大教授・柳川範之氏、推薦! 独創的な知性が身につく『ハーバードの個性学入門』の読みどころを紹介!



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『ハーバードの個性学入門 ―― 平均思考は捨てなさい』トッド・ローズ/小坂恵理訳/ハヤカワ・ノンフィクション文庫/好評発売中

平均身長、平均点、平均年収……私たちは何ごとも「平均」と比べて判断してしまいます。でも、ハーバード教育大学院の研究者である著者は「平均は間違える」と断言し、神経科学と心理学、教育学をもとにした「個の科学

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グーグルやマイクロソフトも「平均思考」の限界に突きあたった!? 『ハーバードの個性学入門 ―― 平均思考は捨てなさい』

グーグルやマイクロソフトも「平均思考」の限界に突きあたった!? 『ハーバードの個性学入門 ―― 平均思考は捨てなさい』



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『ハーバードの個性学入門 ―― 平均思考は捨てなさい』トッド・ローズ/小坂恵理訳/ハヤカワ・ノンフィクション文庫/好評発売中

わたしたちは、ものごとを評価する際、平均値を基準にしたランク付けを当たり前のように行なっています。しかし、このランク付けがじつは機能していないと、著者はいいます。グーグルやマイクロソフトなどの大企業が人

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ハーバード流「平均値を気にしない生き方」とは?『ハーバードの個性学入門 平均思考は捨てなさい』訳者あとがき

ハーバード流「平均値を気にしない生き方」とは?『ハーバードの個性学入門 平均思考は捨てなさい』訳者あとがき



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『ハーバードの個性学入門 ―― 平均思考は捨てなさい』トッド・ローズ/小坂恵理訳/ハヤカワ・ノンフィクション文庫/2019年3月20日発売

著者のトッド・ローズ氏は、今でこそ、ハーバード教育大学院で教壇に立っていますが、かつては成績が悪くて高校を中退した挫折経験者。10種類もの最低賃金労働を経験したのち、学者への道を歩みました。紆余曲折を経

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京大生の80%が陥る2つの認知バイアスとは? 『〔エッセンシャル版〕行動経済学』解説・依田高典(京都大学教授)

京大生の80%が陥る2つの認知バイアスとは? 『〔エッセンシャル版〕行動経済学』解説・依田高典(京都大学教授)

2021年2月2日、ついに文庫版が発売となった『〔エッセンシャル版〕行動経済学』より、京都大学教授・依田高典氏による巻末解説を公開します。

解説:腹応えある教養が楽しめる入門書依田高典(京都大学大学院経済学研究科教授) 

高まる行動経済学への注目

「いま、行動経済学に注目が集まっている」と、著者は書き出しで述べている。

仰せの通りで、書店には沢山の行動経済学の入門書が並んでいるが、玉石混淆

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仏教が進化論的に「正しい」理由とは? 『なぜ今、仏教なのか――瞑想・マインドフルネス・悟りの科学』第1章全文公開【8/5発売】

仏教が進化論的に「正しい」理由とは? 『なぜ今、仏教なのか――瞑想・マインドフルネス・悟りの科学』第1章全文公開【8/5発売】



1 赤い薬を飲む
人間のありようをドラマチックに表現しすぎるのを覚悟のうえで尋ねよう。映画『マトリックス』を見たことはあるだろうか。

主人公のネオ(キアヌ・リーブス)は、自分の住む世界が夢の世界であることに気づく。ネオが日々暮らしていると思っていた生活は実際には精巧な幻覚にすぎず、現実のネオの肉体は、ぬめぬめした液体に包まれて棺大のポッドにとらわれていた。ネオのポッドは、何列も何列もずらりと

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「お前をそんな子に育てた覚えはない」なんて、そんなの当たり前。好評発売中『子育ての大誤解〔新版〕』より冒頭部分を特別公開!

「お前をそんな子に育てた覚えはない」なんて、そんなの当たり前。好評発売中『子育ての大誤解〔新版〕』より冒頭部分を特別公開!

第1章 「育ち」は「環境」ではない 遺伝と環境。中国思想の陰と陽、人類にとってのアダムとイヴ、そして大衆向けの心理学ではママとパパといったところだろうか。高校生当時の私ですらその話題については、親に怒鳴られたときに、私の育ち方が気に入らないのなら、それはほかでもない、あなた方の責任なのだと教えてあげられるだけの知識はもっていた。彼らは私に遺伝と環境、その両方を与えたのだから。

「遺伝と環境」

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