SFエンタテインメントの最前線! 新☆ハヤカワ・SF・シリーズ【第2期】
SFエンタテインメントの最前線をおとどけする叢書《新☆ハヤカワ・SF・シリーズ》これまでの叢書既刊をご紹介します。
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★第2期ラインナップ
○第13回配本 2015年12月
『クロックワーク・ロケット』
The Clockwork Rocket(2011)
グレッグ・イーガン/山岸真・中村融=訳/カバーイラスト:Rey.Hori
わたしたちの世界とは少し違う、別の物理法則に支配された宇宙。 奇妙な現象「疾走星」の増加を調べる女性物理学者ヤルダは、彼女たちの惑星が壊滅間近であることを知る。 危機回避のための策は、いまのヤルダたちにはない。 しかし巨大ロケットを建造して深宇宙に送りだせば、この宇宙の特異性のためロケット内では無限の時間が生みだされる。 惑星上での数年のうちに現在よりはるかに科学技術を発展させ、惑星を救えるにちがいない! 計画への無理解と批判にさらされながら、ヤルダたちはこの前代未聞の大事業に取りかかるが……。
○第12回配本 2015年10月
『神の水』
The Water Knife(2015)
パオロ・バチガルピ/中原尚哉=訳/カバーイラスト:影山徹
近未来アメリカ、地球温暖化による慢性的な水不足が続くなか、巨大な環境完全都市に閉じこもる一部の富裕層が、 命に直結する水供給をコントロールし、人々の生活をも支配していた。 米西部では最後のライフラインとなったコロラド川の水利権をめぐって、 ネバダ、アリゾナ、カリフォルニアといった諸州の対立が激化、一触即発の状態にあった。 敏腕水工作員(ウォーターナイフ)のアンヘルは、ラスベガスの有力者であるケースの命を受け、 水利権をめぐる闇へと足を踏み入れていく……。 『ねじまき少女』で化石燃料の枯渇した世界を描いた作者が、水資源の未来を迫真の筆致で描く傑作。
○第11回配本 2015年8月
『複成王子』
The Fractal Prince(2012)
ハンヌ・ライアニエミ/酒井昭伸=訳/カバーイラスト:鈴木康士
ときは遠未来。海王星軌道上の〈ジレンマの監獄〉から脱獄を遂げた名うての量子怪盗ジャン・ル・フランブール。 かれを救出したのは、戦闘サイボーグ少女ミエリと喋る宇宙船〈ペルホネン〉だった。 火星での冒険のすえ、過去の記憶と、謎の〈箱〉を入手したジャンは、次なる行き先を封鎖された地球へと定める。 いっぽう地球では、ソフトウェア生命である精霊(ジン)と暮らしたことで家族からなかば縁を切られていた有力者の娘タワッドゥドが、 姉から奇妙な命令を受けていた……。アラビアン・ナイトの世界と化した異形の地球で展開する、ポストヒューマン時代の冒険譚! 「ベストSF2012」第3位『量子怪盗』続篇。
○第10回配本 2015年6月
『王たちの道 3 —自由への架け橋—』
The Way of Kings(2010)
ブランドン・サンダースン/川野靖子=訳/カバーイラスト:加藤俊章
高嵐を生き延びた後、カラディンは自分に不思議な力が宿っていることに気づきはじめた。 すぐに治る傷、自分を避けていく敵の矢。身体から発する淡い光。 命じられるままに、このままブリッジ兵として橋駆け(ブリッジラン)を続ければ、待っているのは恐るべき敵パルシェンディの手による確実な死だ。 カラディンは、破砕平原の裂け目をつたって脱走する計画をたてると同時に、生き延びるために部下の隊員に槍術を教え始める。 一方、名将ダリナルはパルシェンディとの戦いを終わらせ、〈死を呼ぶ嵐〉の襲来に備えるべく、ハイプリンス・サデアスと手を組んで、 敵軍に立ち向かうが……怒涛の大河ファンタジイ完結篇。
○第9回配本 2015年4月
『紙の動物園』
日本オリジナル編集
ケン・リュウ/古沢嘉通=編訳/カバーイラスト:牧野千穂
ぼくの母さんは中国人だった。母さんがクリスマス・ギフトの包装紙をつかって作ってくれる折り紙の虎や水牛は、 みな命を吹きこまれて生き生きと動いていた……。ヒューゴー賞/ネビュラ賞/世界幻想文学大賞という史上初の3冠に輝いた表題作ほか、 地球へと小惑星が迫り来る日々を宇宙船の日本人乗組員が穏やかに回顧するヒューゴー賞受賞作「もののあはれ」、 中国の片隅の村で出会った妖狐の娘と妖怪退治師の「ぼく」との触れあいを描く「良い狩りを」など、 怜悧な知性と優しい眼差しが交差する全15篇を収録した、テッド・チャンに続く現代アメリカSFの新鋭がおくる短篇集。
○第8回配本 2015年2月
『王たちの道 2 —死を呼ぶ嵐—』
The Way of Kings(2010)
ブランドン・サンダースン/川野靖子=訳/カバーイラスト:加藤俊章
高嵐のさなか、アレスカルの名将ダリナルは、やがて人類を襲う恐るべき死の嵐がやってくることを幻視した。 同時に何者かに「団結せよ!」と告げられた彼は、パルシェンディとの戦いを終わらせ、嵐の襲来に備えるべく、奔走する。 一方、破砕平原で味方の軍勢を通すために敵の矢面に立って谷間に橋を渡すブリッジ隊の隊長となったカラディンは、 あるときハイプリンス・サデアスの逆鱗に触れ、罰として高嵐が襲来する夜に宿舎の外に吊るされる。 恐るべき嵐に半死半生になりながらも、カラディンもまた人類に死をもたらす嵐の到来を幻視したのだ! 傑作ファンタジイ巨篇、待望の第2弾、登場。
○第7回配本 2014年12月
『vN』
vN(2012)
マデリン・アシュビー/大森望=訳/カバーイラスト:ふゆの春秋
5歳のエイミーはフォン・ノイマン式自己複製ヒューマノイド「vN」の子ども。 vNの母親の「複成」で、人間の父親と3人で暮らしている。 しかし、彼女の日常は、卒園式の日に現れたvNの「お祖母ちゃん」、ポーシャの襲撃で一変した。 エイミーが母親を助けようと、ポーシャに噛みついて呑み込んだ途端、彼女の身体は急成長し、大人になったのだ……。 実はエイミーたちは、vNなら必ず備わっているはずの人間を傷つけないための安全機構が壊れていた。 危険なvNとして、あるいは人間の支配からvNを解き放つ鍵として、エイミーは追われることになるが……。 波乱万丈のジェットコースターSF。
○第6回配本 2014年10月
『王たちの道 1 —白き暗殺者—』
The Way of Kings(2010)
ブランドン・サンダースン/川野靖子=訳/カバーイラスト:加藤俊章
何千年ものあいだ、石と嵐の世界ロシャルは全能神から遣わされた十人の使徒により守られてきた。 だがその彼らも〈無をもたらすもの〉との終わりなき戦いに力つき、あとには人類を見捨てた〈光の騎士〉伝説と、破片剣と破片鎧という武器だけが残された。 そして4500年後……アレスカル国とパルシェンディとの同盟締結を祝う宴の夜、 サージ結束者にして破片剣の使い手〈白き暗殺者〉によって国王ガヴィラルが弑されてのち、ロシャル全土は血で血を洗う新たなる激動の時代に突入した! ホイットニー賞、デイヴィッド・ゲメル・レジェンド賞に輝く、壮大なスケールのファンタジイ絵巻、開幕!
○第5回配本 2014年8月
『オマル2 —征服者たち—』
Les Conquerants d'Omale(2002)
ロラン・ジュヌフォール/平岡敦=訳/カバーイラスト:鷲尾直広
ヒト族、シレ族、ホドキン族の3種族による激烈な紛争が勃発し、のちに暗黒時代とよばれるシレ暦9世紀中頃。 ヒト族の英雄ジェレミア中尉は、最高司令官ハイダール大元帥から密命を受ける。 半世紀前にシレ族から鹵獲した超兵器を境界地域まで運び、それを使って極秘任務を達成せよというのだ。 一方、ステイ高原の巨大ピラミッドに参集した3種族の大使たちが、26年に一度のアエジール族との交渉を開始しようとしていた頃、 太陽の光を遮って地表を闇と冷気の世界へと変える「闇のプレート」が突如出現し、ヒト族の領域を侵しつつあった…… 壮大なスケールのプラネットオペラ、待望の第2弾! 『オマル—導きの惑星—』続篇。
○第4回配本 2014年6月
『SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと』
How to Live Safely in a Science Fictional Universe(2010)
チャールズ・ユウ/円城塔=訳/カバーイラスト:朝倉めぐみ
「僕」はタイムマシンの修理とサポートを担当する技術者で、個人用タイムマシンに乗って時間のはざまを漂っている。 電話ボックス大の空間で暮らす僕にとって、UIのタミーと非実在犬のエドはかけがえのない存在だ。 家族は父と母の三人だけど、母は同じ時間を繰り返すループ・サービスに入ったきりだし、 ガレージでタイムマシン開発をしていた父は失踪中で、時空のどこにいるのか不明だ。 あるとき、修理工場でタイムマシンから僕が降りてくるのを目撃した僕は、とっさに「もうひとりの自分」を撃ってしまった!? 最悪のパラドックスに陥った僕は……。アメリカ小説界注目の俊英の家族小説を、円城塔の翻訳で贈る。
○第3回配本 2014年4月
『オマル—導きの惑星—』
Omale(2001)
ロラン・ジュヌフォール/平岡敦=訳/カバーイラスト:鷲尾直広
総面積は地球の5000倍にもおよぶ巨大惑星オマル。そこではヒト族、シレ族、ホドキン族の3種族が暮らしていた。 何世紀にもおよぶ壮絶な抗争の末、65年前に結ばれたロプラッド和平条約により、いまはかろうじて平和が保たれていた。 そんな3種族共同統治区プラットフォームジャンクションの大港に停泊中の巨大飛行帆船イャルテル号をめざし、 今、種族も年齢も出自もまったく異なる6名の男女が向かっていた。彼らが手にするのは謎めいた卵の殻と22年も前に購入された乗船券(チケット)。 彼らの目的は? そしてイャルテル号の行く手には? フランス有数のSF賞、ロニー兄賞受賞に輝く壮大なSF叙事詩!
○第2回配本 2014年2月
『レッドスーツ』
Redshirts(2012)
ジョン・スコルジー/内田昌之=訳/カバーイラスト:影山徹
銀河連邦の新任少尉ダールは、憧れの宇宙艦隊の旗艦イントレピッド号に配属される。 未知なる宇宙への冒険の旅のはじまりだ。 しかし、彼と新人仲間はすぐに艦で奇妙なことが起きていると気づく。 任務でのクルーの死亡率が異常に高いのに、艦長たち上級士官はまるで死なず、 緊急時には謎の装置に頼って問題を解決しているのだ。 この世界では何が起こっているのか? 自分たちの命がなにものかに操られていると疑い、イントレピッド号の謎を解こうとするダールたちは、 やがてとんでもない真実と直面することになる……。 ヒューゴー賞・ローカス賞受賞、アメリカSF界屈指の人気作家による、宇宙冒険ユーモアSF。
○第1回配本 2013年12月
『白熱光』
Incandescence(2008)
グレッグ・イーガン/山岸真=訳/カバーイラスト:Rey.Hori
はるかな未来、150万年のあいだ意思疎通を拒んでいた孤高世界から、 融合世界に住むラケシュのもとに、使者がやってきた。 衝突事象によると思われる惑星地殻の破片が発見され、 未知のDNA基盤の生命が存在する可能性があるというのだ。 その生命体を探しだそうと考えたラケシュは、友人パランザムとともに銀河系中心部をめざす! 周囲を岩に囲まれ、〈白熱光〉からの熱く肥沃な風が吹きこむ世界〈スプリンター〉の農場で働くロイ——彼女は、トンネルで出会った老人ザックから奇妙な地図を見せられ、思いもよらない提案をもちかけられるが…… 現代SF界最高の作家による究極のハードSF。