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「ゲーム・オブ・スローンズ」 メイジー・ウィリアムズ(アリア役)&ソフィー・ターナー(サンサ役)インタビュー(後篇)

12月4日に発売になる、『ゲーム・オブ・スローンズ コンプリート・シリーズ公式ブック ~ウェスタロスとその向こうへ~』。前々回までは製作総指揮デヴィッド・ベニオフ、D・B・ワイスのインタビューをお送りしました(前篇後篇)。また先週は、アリア役のメイジー・ウィリアムズと、サンサ役のソフィー・ターナーのインタビューをお送りしました!(前篇はこちら)今回はその後篇をお送りします。

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『ゲーム・オブ・スローンズ コンプリート・シリーズ公式ブック ~ウェスタロスとその向こうへ~』
著:マイルズ・マクナット/訳:酒井昭伸/監修:堺三保
ページ数:288ページ
判型:A4判変形上製/フルカラー
本体価格:8,000円(税別)
出版社:早川書房
発売日:2019年12月4日

2019年2月20日、ロンドンにて

MW メイジー・ウィリアムズ(アリア・スターク)
ST ソフィー・ターナー(サンサ・スターク)

——エピソードということで言うといかがでしょうか?あなたにとって全シリーズの中のベストエピソードとはどれですか?

MW 第六章の第10話ね。確かサーセイがセットを爆破するのは、第六章の第10話だったと思うけれど…。

ST ああ、あれは第六章の第10話ね。

MW あのエピソードは大好きよ。音楽も素晴らしいし、とにかくあのシーン全体が大好きなの。まるでイントロのようでもあるのだけれど、そうではなくて、エピソードの半分もの長さなの。瞬きをする間に30分も経っていて、あっという間になくなってしまう。その世界に没頭するの。それから音楽も最高ね。ピアノが使われたのはあの時が初めてだった。というのも、それまではその当時の楽器だけを用いてやるという意向だったので、いつも決まってストリングスやドラムが中心だったの。ところがあの回では初めてピアノが使われた。デヴィッド・ベニオフとD(ダン)・B・ワイスはそれに大反対で「いやいや、それは駄目だ」と言っていた。ところがいろいろ試してみた結果、最終的にピアノでということになった。そこで、えーっと、あの人は何という名前だったかしら。ラミン! そう、作曲家のラミン・ジャヴァディは私のお気に入りで、彼が再び音楽を担当することになったのだけれど、とても美しいの。そして子どもたちの聖歌隊がとてもかわいかった。

——ソフィーさんはいかがですか?

ST 私のお気に入りのエピソードは「ブラックウォーターの戦い」(第二章 第9話)ね。私の生涯を通してあのような戦いのシーンは観たことがなかった。これまでのどんなものとも違っていた。エピソードの監督を務めたミゲル・サポチニクの物の見方はとてもユニークで、どのシーンもすべて大好きなの。

MW 「落とし子の戦い」(第六章 第9話)じゃないの?

ST そう、「落とし子の戦い」だったわ。戦いが多すぎて…。私が言っているのは「落とし子の戦い」の方よ。

MT 落とし子たちにやられちゃうわね。

ST そう、あいつら落し子たちに、ね。ただただ、見事に撮影されたと思うの。演出も、キットによる演技も何もかもが素晴らしいわ。

——シリーズを通して、サンサとアリアが興味深いキャラクターとして最も成長を遂げたと言えると思います。

MW ありがとう。他のみんなにもそう言ってもらえると良いのだけれど。

——あなたご自身も一緒に成長していったのではないかと思いますが、女優としてこのようなキャラクターの進化についてどのように感じられますか?

ST 素晴らしかったわ。10年間も同じ役を演じるられる機会なんて他にある?信じられないわね。しかも13歳から22歳までね。

MW 誰かの娘役で、1話だけ出演するなどではなく。私達のストーリーがあって、独自のキャラクターだった

ST 当初から、大人のような役だった。

MW 若い女の子がそうであるように、サンサやアリアというキャラクター達も自分自身を見つけていった。それは素晴らしいことだったわ。

ST とても奥が深かった。

MW この作品が私達をそう扱ってくれたの。デヴィッドとダンは私達2人のキャラクターを讃えようとしてくれた。こんな素晴らしい作品で、役者としてそのような機会を与えてもらえるというのは、稀なことよ。

——お2人のキャラクターはどう変化していったと思いますか?そしてそんな役とお別れしなければならないことについてはいかがですか?

ST サンサは大きな変貌を遂げた。世界をバラ色のレンズを通して見ていたナイーブで純粋な女の子から、人生において想像を絶する苦難を経験してきた。囚われの身となり、いいように操られ、家族を奪われた後、強く、何事にも屈しない。堂々としていて、どんな困難をも乗り越え、誰とでもやり合える女性になった。そしてこのゲームにおいて、最も巧みに人を操ることができるようになったの。彼女のストーリーを、演じることができて光栄だったわ。

MW アリアは痛い目にあって学んだと思う。サンサもそうだったわね。何を望むかということには気をつけなければならないものよ。何かを望むということに付随する代償には気をつけなければならない。戦いというのはエキサイティングで楽しいものだという考えだったけれど、アリアはそれによって永遠に影響されることになる。戦うことへの好奇心こそ、彼女の良いところだったけれど、もはや純粋ではいられなくなってしまった。そういったことを話すけれど、とても純粋なのが、アリアが人々から愛される理由だったのに、今では彼女ときたら…何かを企んでいるのよね。でもある意味、誰もが共感できることなのだと思うの。成長することで、自分の下す決断や、自分がいかなる人物になりたいかにおいて大胆になるものの、「ああ、時にはそういうのは得策ではないかもしれない」と気づく。彼女の幼い側面を演じるのが恋しいと思うことはあるけれど、それを最近のシーズンでも少しまた取り入れようとしていたわ。アリアは女優としての私を形成してくれた。長年ずっと自分自身の一部を投影しようとしてきたの。彼女のようなキャラクターを演じることは、今後は多分ないでしょう。自分のやってきたことをとても誇らしく思うし、きっと彼女のことが恋しくなるでしょうね。

——若手女優としてこのような役を与えられたわけですが、今後の作品選びに影響を与えるでしょうか?

MW そうね。「これは酷い」と思うような脚本を読んだわ(笑)。

ST 私達にとって初めて出演した作品だったのだけれど、最高の脚本家、プロデューサー、そしてキャラクターに恵まれ、初めての演技で力強い女性キャラクターをやらせてもらえたので、他の脚本を読んでいて「なぜこのキャラクターはこんな風に描かれてしまうの?」と思ったりするわ。

MW そうね。

ST 「なぜこれと、これと、これを入れないの?なぜこんな構造になっているの?」なんて思うもの。

MW ストーリーが複雑ではないものがあるわ。映画だとすべてを1時間半にまとめなければいけないから少し違うものだけど、時に台本が30ページに及ぶほど長いのに「どんでん返しがない!」というものもある。驚かせてくれるものに出会うというのは時には難しいものね。それはこの作品が常にやってきたことだった。優秀な脚本家でなければそれはできない。そうでなければ、ただわけがわからないものになってしまうだけ。信じてもらえる内容ではなく、単にショッキングにしたいからというだけのものとなる。読みながら息を呑むような作品を常に求めているの。

——「ゲーム・オブ・スローンズ」が終わってからお2人はどうされていたのですか?他の映画、テレビシリーズ、舞台などに出演の予定はありますか?

MW 私はサイコスリラーの作品に出演するの。私のお気に入りのジャンルだからね。

ST 私もそうよ。

MW 怖い映画を観るのが大好きなの。

ST 私もよ。

MW 実はとても良い作品なの。怖いけれど、とても複雑な物語で、どんでん返しがあるのよ。意外な展開があるストーリーが大好き。キャラクターの描かれ方がとても興味深いと思う。キャラクターが素晴らしければ、それがどんなジャンルでも構わない。共演者と一緒にとてもマジカルなものを作っていくことができる。これにはとても興奮しているの。でも、少しお休みをもらうのも良いものね。髪を伸ばせることもとても気にいっているわ。

ST 私もそうよ。今はオフを楽しんでいるわ。これは実はとても重要なことで、過去10年間、ずっとこの作品に出演してきて、オフの時期に別の仕事を探そうとしてきたれど、今、オフをもらえて、普通のスケジュールで普通の生活ができて、平凡な日常を送ることができることが嬉しいの。そういう経験が、後に役者として自分の糧になると思うからね。

MW 同感ね。

ST ちょうどある作品のプロデューサー兼主演を務めることを決めたばかりなの。

——おめでとうございます。

ST ありがとう。それについてはまだあまりお話しできないけれど、とても興味深いものよ。すべての要素が詰まっていて、それぞれが皆素晴らしい作品を作るのに欠かせない要素なの。とても興奮しているわ。

MW 作品の大事な部分にあなたが携わるんだものね。

ST そう、すべての中で最も重要な要素よ。

——あなた以上にご自分のキャラクターのことを知っている人はいないのではないかと思いますが、年々、キャラクターに対して自分のものであるという思いが強くなっていくということはあったのでしょうか?

MW それは確かね。

——キャラクターの辿る運命に意見を言うなどということもありましたか?

MW キャラクターの展開に意見を言うことはあまりなかったけれど、第二章か第三章の頃、デヴィッドとダンが私達を念頭にキャラクターを書いていたわ。私達の演技に沿って書いていたの。「ここはこういう風に展開するべきだ。キャラクターはこういう風にならなくてはいけない」と言って、私達がそのセリフを言うのを想定して書いていた。というわけで、シリーズが進んでいくに連れ、私達役者たち誰もがデヴィッドとダンにそれぞれのキャラクターについて影響を与えたの

MW 特に新しい監督が次々とやってきて、様々なことが変わっていったので、「私は自分の役のことを知っている」と思えるのは良かったわ。
ST その通りね。

MW あれは良かったわ。

ST 常に自分が何をすべきか分かっていた。準備などいらなかったもの。

以上
前篇はこちら)

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ゲーム・オブ・スローンズ 第一章~最終章 ブルーレイ コンプリート・シリーズ

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