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ミステリ小説で読書感想文を書こう!(ハヤカワ・ジュニア・ブックス)

はじめに

ハヤカワ・ジュニア・ブックス読者のみなさん、こんにちは!
トマトやトウモロコシがおいしくなって、だんだんと夏が近づいてきましたね。

夏といえば、夏休み。
そして夏休みといえば、読書感想文!
この読書感想文、苦手という人も多いんじゃないでしょうか。

「本を読むのは好きだけど、感想が浮かばない!」
「『感動した』『おもしろかった』しか出てこない!」
「そもそも、本を読むのが苦手!」
そんな声が聞こえてきそう……。

そこで、ハヤカワ・ジュニア・ブックス編集部は、ミステリ小説で読書感想文を書くことをおすすめします。

1.どんな読書感想文を書こう?

そもそも、読書感想文ってなにを書けばいいんでしょう?

よくあるのは「本を読んで自分がどう変わったかを書く」「本の登場人物と自分をかさねて、自分の体験を書く」というものみたい。

そんな感想文が書けたらステキだけど、読んだ本がいまいち自分には合わなかったり、感想を言葉にしたら自分の気持ちとはちがうものになっちゃうこともあるはず。

そんなときは、犯人がだれかを考えながらミステリ小説を読んでみよう!

じっくり推理しながら本を読んだ後は、「なぜ自分は●●さんが犯人だと考えたか」をていねいに書けばOK。
無理に「感動した」「おもしろかった」と書かなくてもだいじょうぶです。
感想文を読んだ人はきっと「なるほど!」と思ってくれるはず。(書きかたは、あとで紹介するよ)

「ステキ! と思われる読書感想文」がすべてじゃない。
今回は「なるほど! と納得される読書感想文」を目指します!


2.ミステリ小説を読んでみよう!

読書感想文を書くには、まず本を読もう。

今回はハヤカワ・ジュニア・ブックスの『そして誰もいなくなった』を例に、ミステリ小説の読みかたを紹介します。

①あらすじを読もう
本のウラや表紙をめくったところにあるあらすじを読んで、内容をざっくり理解しよう。本文を読むときの助けになるよ。

02_そして誰もいなくなった_あらすじ

ハヤカワ・ジュニア・ブックスはマンガでもあらすじを紹介しています


②登場人物をかくにんしよう
登場人物の顔や名前、とくちょうがわかると物語の世界に入りこみやすいよ。
登場人物紹介のページにふせんをはっておくのもおすすめ。
目印のふせんがあれば、「こんな人いたっけ?」と思ったときにすぐ登場人物をかくにんできるよ。

02_そして誰もいなくなった__登場人物紹介


③犯人を予想しながら読もう
さぁ、いよいよ物語がはじまるよ! 
犯人を予想しながら読んでみよう。
あやしいと思う人がでてきたり、気になるシーンがあったらメモをしたりふせんをはっておくといいよ。


3.感想文を書いてみよう!

いよいよ感想文を書くよ。
原稿用紙に書きはじめる前に、おうちの人や友だちに感想を伝えると自分の考えがまとまるからおすすめ!

① 犯人だと思った人物とその理由を書こう
あなたが犯人だと思ったのはだれ? なぜその人を選んだのかな?
じっくりていねいに書こう。

「●●さんが死んでしまえば遺産が手に入るから」「□□さんのヒミツを知っているのは●●さんだけだから」「殺された●●さんのことを嫌っていたから」などなど……物語の中には、いろんなヒントがちらばっているはず。

どこを読んでその人を犯人だと思ったのか、理由をはっきりさせることが大切だよ。
自分なりの推理で原稿用紙をうめよう!

例)今回読んだ本は『~~~殺人事件』です。雪でドアが開かなくなったホテルで××さんというお金持ちが殺されるはなしです。
わたしははじめ、●●さんが犯人だと考えました。××さんが殺されたとき、●●さん以外の人はみんなで食事をしていたけれど、●●さんだけは体調が悪いと言って部屋にひとりでいたからです。

途中で犯人の予想が変わった場合は、それも書いておこう。

例)しかし、途中で△△さんもあやしいと思うようになりました。××さんが死ぬと財産は△△さんのものになるので、お金にこまっていた△△さんが××さんを殺してもおかしくなかったのです。

②結果を書こう
自分の推理が正しかったかどうかを書こう。
探偵の考えと自分の考えがどうちがったか、解決のポイントはどこだったかを書くと、感想文を読んだ人に本の内容が伝わるよ。

例1)犯人はわたしが考えたとおり、△△さんでした。探偵も××さんの遺産のゆくえに目をつけて、△△さんをうたがい事件を解決しました。
例2)結局、犯人は▼▼さんでした。▼▼さんは実は××さんと古い知り合いで、ふたりは学生時代にとても仲がわるかったようです。探偵は▼▼さんが××さんをニックネームで呼んだことに気づき、あやしいと思ったようです。

③ナゾときをしてみた感想を書いてまとめよう
最後に、ナゾときをしてみた感想を書こう。

「おもしろかった」「すごい本だと思った」というポジティブな感想でもいいし、「探偵の推理はおかしい」「こんなことで殺すなんてひどい」なんて感想でもいいよ。

ここでも理由を書くことが大切だよ。
どこがおもしろかったのか、なぜ探偵の推理はおかしいと思うのかがきちんと伝われば、感想文を読んだ人も「なるほど!」と思うはず。

例1)わたしの推理は当たりましたが、探偵はわたしが見落としていたヒントにも気づいて事件を解決したので、やはり探偵にはかなわないと思いました。すこしくやしいですが、すべてのなぞがとけてすっきりした気分です。
例2)探偵は犯人が被害者をニックネームで呼んだことが気になったようですが、そこから学生時代に仲が悪かったから殺したと推理するのはちょっとなっとくできません。推理はたのしかったけれど、もやもやが残ってしまいました。


おわりに

ここまで読んでくれてありがとう。
こんなに長い文章を読めたあなたは、きっと読書感想文も書けるはず。
ミステリ小説を読んで、いつもとひと味ちがう感想文を書いてくれたらうれしいです。


ハヤカワ・ジュニア・ブックスは感想を募集しています

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読書感想文みたいな感想も、顔文字や!マークがたくさんの感想も大かんげいだよ。
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