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現代日本SFの全てがわかる。伴名練=編の超大型アンソロジー『新しい世界を生きるための14のSF』内容公開

英語圏のSFのみならず、中国SFや韓国SFも大きな注目を集めるようになった2022年——それでは、日本SFの現在は?

『なめらかな世界と、その敵』文庫版も大好評のSF作家、伴名練氏による2022年のアンソロジー情報を解禁します。タイトルは『新しい世界を生きるための14のSF』最新世代の作家たちによる書籍化前の傑作たち宇宙・AI・ポストコロナ・改変歴史など、テーマ別に14篇選出しています。さらに各作品テーマに合わせた伴名練によるSF入門コラム14本+巻末解説を併録! この1冊で現代SFの最前線に追いつける、文庫816ページの超大型企画。

『新しい世界を生きるための14のSF』
伴名練=編(ハヤカワ文庫JA)
装画:九島優/装幀:川谷デザイン

衝突事故直前の車載AIが最後の審判を繰り広げる八島游舷「Final Anchors」、恋人の死体を盗んだ女が超常の存在へ愛を問う斜線堂有紀「回樹」、大正時代の屋敷で少女二人の運命を怪死事件が結ぶ芦沢央「九月某日の誓い」、徳川光圀の命を受けた学者たちが和歌コンピュータを発明する夜来風音「大江戸しんぐらりてい」など、新世代作家たちによる書籍化前の傑作14篇。伴名練によるテーマ別SF入門14本+編集後記にかえて「新しいSFを読みたい/書きたい人のためのガイド」を併録する超大型アンソロジー

【収録作一覧】

八島游舷「Final Anchors」
車両衝突まで残り0.488秒。
AIによる「最後の審判」、開始。

斜線堂有紀「回樹」
ふたりで過ごした恋人の日々。
取調室でいまは、ひとり。

murashit「点対」
いや俺やってないですってマジで。
僕じゃなくて双子のアイツですよ。

宮西建礼「もしもぼくらが生まれていたら」
小惑星衝突が迫る日々のなかで、
ぼくらは衛星構想コンテストを目指した。

高橋文樹「あなたの空が見たくて」
星海旅行で出会った地球人から
後日届いた、彼の最期の映像記録。

蜂本みさ「冬眠世代」
わたしたちは冬眠をする、最後の世代。
四季を生きる熊々の温かな物語。

芦沢 央「九月某日の誓い」
奉公先のお屋敷に不審な男が迫る。
操様の秘密を外へ知られてはならない。

夜来風音「大江戸しんぐらりてい」
徳川光圀の命を受けての和歌研究は
前代未聞の算術長屋を生み出した。

黒石迩守「くすんだ言語」
普遍的な意思伝達を可能にする中間言語。
その言葉は人と世界を侵食していく。

天沢時生「ショッピング・エクスプロージョン」
探せ。当店のすべてをそこに置いてきた。
増殖する商業施設をめぐる電脳冒険ロマン。

佐伯真洋「青い瞳がきこえるうちは」
仮想空間でのスポーツが普及した日本。
俺は創のために、幻の卓球台に立つ。

麦原遼「それはいきなり繋がった」
あの感染症が広がった翌年のこと。
僕たちの世界に“向こう側”が現れた。

坂永雄一「無脊椎動物の想像力と創造性について」
巨大な蜘蛛の巣に覆われた京都市。
それは彼女の遺した新世界。

琴柱遥「夜警」
子どもたちは今日も流れ星に祈る。
星はとても、恐ろしいものだから。

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「日本SFの歴史を10年早めたい」とは編者の言葉。未来を担う書き手たちの最先端の想像力と、絶えることなく積み重ねられてきたSF史の豊饒さを最速で味わえる贅沢な1冊です。800ぺージ超の文庫本の形をした加速装置、ぜひお手元に! 

【序文】

【幻のあとがき】


みんなにも読んでほしいですか?

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