ハヤカワ・ノンフィクション

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「人種差別や性差別が嫌われている時代にあって、学歴偏重主義は容認されている最後の偏見なのだ」マイケル・サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』試し読み



マイケル・サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』鬼澤忍訳、四六判上製、4月14日発売予定

【試し読み】

容認されている最後の偏見

イギリス、オランダ、ベルギーで行なわれた一連の調査で、社会心理学者のあるチームがこんな発見をした。大学教育を受けた回答者は、教育水準の低い人びとに対する偏見が、その他の不利な立場にある集団への偏見よりも大きいというのだ。この研究者チームは、高学歴のヨー

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ありがとうございます!今日のおすすめは『三つ編み』です。
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私の母が若かったころ、毎朝、出勤途中の母のうしろをついて歩きながらマスターベーションする男がいた。【英米ベストセラー1位『三人の女たちの抗えない欲望』プロローグ】

 米《ニューヨーク・タイムズ》、英《サンデー・タイムズ》ベストセラー第1位! ブリティッシュ・ブック・アワード受賞! 話題沸騰の傑作ノンフィクション。

 2人の子を持つ主婦で、夫との冷め切った関係に悩む「リナ」は、SNSを通じて再会した初恋の相手とダブル不倫に陥る。女子学生「マギー」は、高校時代に恋愛関係にあった教師を、未成年者性的虐待で告発する。裕福なレストラン・オーナーの「スローン」は、夫に

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ありがとうございます!今日のおすすめは『三体』です。
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ダーウィン、メンデル、狂った夢。『遺伝子―親密なる人類史ー』第1部③

ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー1位、ビル・ゲイツが年間ベストブックにも選出した名著『遺伝子―親密なる人類史ー』が待望の文庫化! 刊行にあたり、本書の第1部「遺伝学といういまだ存在しない科学――遺伝子の発見と再発見(1865~1935)」を、権利上可能な限りのところまで数回にわたり連載します。前作『がん―4000年の歴史ー』でピュリッツァー賞に輝いた著者(現役医師)の圧倒的なストーリーテリング

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がん、認知症、生活習慣病、新型コロナから健康を守る。ノーベル医学賞受賞者が推薦&全米ベストセラー『健康食大全』

がん、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞、高血圧や肥満、認知症......。
これらの恐ろしい病気から健康を守る食事術を紹介する全米ベストセラー『健康食大全』が、2月17日に翻訳、刊行されました。

本書では、血管、細胞、DNA、免疫、体内の微生物のもつ、健康を守るための機能が最大まで働く方法を解説します。その範囲は、医学的エビデンスのわかりやすい説明に始まり、健康によい食材ごとの解説、日々の食生活への取り

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正常としての異常な世界を生きること、あるいは異常者=正常者のためのセルフヘルプ 樋口恭介

「『闇の自己啓発』とは、自己啓発の言葉を文字通りに実践することで、自己啓発の枠組みを、半ば自動的に破壊してしまった、過剰性の書物である」——SF作家の樋口恭介氏による書評=思想をお届けする。

正常としての異常な世界を生きること、
あるいは異常者=正常者のためのセルフヘルプ

樋口恭介

世界とはさまざまな症候の総体であり、その症候をもたらす病いが人間と混合される。文学とは、そうなってくると、一つ

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ありがとうございます!今日のおすすめは『ザリガニの鳴くところ』です。
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「運が悪かった」とき、あなたはどうすればいいのか? ベストセラー統計学者の13年ぶりの新作『それはあくまで偶然です』刊行

・雷に7連発で撃たれた
・生き別れの父と、趣味、仕事その他もろもろが完全一致
・推しの球団には「絶対にここでは勝てない」球場がある

 こんな出来事に触れると、ついつい「そういう運命だ」と言ってしまいがちなのが私たち。つらい不運を避けるために、もしくは楽しい幸運を呼び寄せるために、人々は自己流のげん担ぎを編み出したり、占いをなんとなく信じたり、日常のささいな物事に、おかしな予兆を見つけてしまいます

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早川書房のノンフィクション編集者が2020年を振り返ったら、コロナとの付き合い方がわかった

編集者(Twitter:@shotichin)なので、今年作った本から2020年を振り返ります。

1月23日、ウォルター・ブロック『不道徳な経済学: 転売屋は社会に役立つ』発売。

元は講談社から出ていた本だ。単行本『不道徳教育――擁護できないものを擁護する』として2006年に出た後、2011年に『不道徳な経済学――擁護できないものを擁護する』と改題され講談社+α文庫に入った。今回の再文庫化にあ

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ありがとうございます!今日のおすすめは『ヒトの目、驚異の進化』です!
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さまざまな地下をめぐる、文学、神話、思索にあふれた旅。ガーディアン紙「21世紀ベスト・ブック100」に選ばれた『アンダーランド 記憶、隠喩、禁忌の地下空間』試し読み公開中

『アンダーランド 記憶、隠喩、禁忌の地下空間』は英国人作家ロバート・マクファーレンが、さまざまな地下をめぐったノンフィクション。ナショナル・アウトドア・ブック・アワードをはじめ、ウェインライト賞、スタンフォード・ドルマン紀行文学賞を受賞し、英ガーディアン紙が選ぶ「21世紀ベスト・ブック100」に選出されました。

ロバート・マクファーレンは1976年、英国ハラム生まれの冒険家・作家。自身が登山や探

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ありがとうございます!『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』おすすめです
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山形浩生「これは驚いた。言語と音楽(そして踊り)についての、コロンブスの卵のような理論だ」『〈脳と文明〉の暗号』書評

ベストセラー『ヒトの目、驚異の進化』のマーク・チャンギージーが「聴覚」を糸口に人類誕生の謎に迫った話題作、『〈脳と文明〉の暗号――言語と音楽、驚異の起源』(中山宥訳、ハヤカワ・ノンフィクション文庫)。本記事では評論家・翻訳家の山形浩生氏による書評をお届けします!

これは驚いた。言語と音楽(そして踊り)についての、コロンブスの卵のような理論だ。言語は不思議なもので、霊長類ですら大した言語活動をしな

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ありがとうございます!今日のおすすめは『わたしを離さないで』です。
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もし異星人が地球上の生命体を調査しにきたら

もし異星人が地球上の生命体を調査しにきたら、適当なサンプルをレーザー光線で吸い上げて、さっそく解剖、などということはしない(ついでにいうと、肛門にばかり異様な興味を抱いたりもしない)。〝レーザー吸い上げ〟のような荒っぽい方法を使うのは、新米の研究者だけだ。あとで指導教官からお仕置きを食らうこと、間違いなしだ(罰として、垂れた鼻を引っぱられるか何かだろう)。研究の対象にしたい動物をたださらってきたと

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ありがとうございます!『名探偵ポアロ オリエント急行の殺人』もどうぞ!
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