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ハヤカワSF

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ハヤカワ文庫SFや、新ハヤカワ・SF・シリーズなどの話題作品の解説、試し読みを公開中。
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#中国SF

遂に来たる。劉慈欣『三体』三部作、文庫化開始!

遂に来たる。劉慈欣『三体』三部作、文庫化開始!

ゴースト・カウントダウンが始まる……

お待たせしました! 驚異の世界的ベストセラー、劉慈欣『三体』がついに文庫化を開始いたします。
すべての始まりである第一部『三体』は、ハヤカワ文庫SFより2024年2月21日(水)発売。
確実に発売日にお手にとっていただくため、予約がおすすめ!
こちらからどうぞ↓

3月21日に控えるNETFLIXでのドラマ配信に向けて原作を履修するのにもぴったりのタイミング

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火星と地球の相克を描く、永遠の青春小説。郝景芳『流浪蒼穹』(書評・仲俣暁生)

火星と地球の相克を描く、永遠の青春小説。郝景芳『流浪蒼穹』(書評・仲俣暁生)

短篇「折りたたみ北京」でSF界最大の賞ヒューゴー賞を受賞した郝景芳のSF長篇『流浪蒼穹』。本欄では、仲俣暁生氏によるSFマガジン2022年6月号掲載の本作の書評を再録します。

火星と地球の相克を描く永遠の青春小説

仲俣暁生 

 青春小説としてのSFの黄金時代は遠く去ったと思い込んでいた。テクノロジーの発展が可能とする未来社会への肯定的な見通しが、それなりの困難を伴いつつも、最終的には少年少女

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こんな小説が読みたかった――郝景芳『流浪蒼穹』・立原透耶解説再録

こんな小説が読みたかった――郝景芳『流浪蒼穹』・立原透耶解説再録

 「折りたたみ北京」の著者・郝景芳が描き出した美しき火星SF『流浪蒼穹』。本欄では、作家であり中国SF紹介者・翻訳者として活躍する立原透耶氏の解説を再録します。
本作を読み、「こんな小説が読みたかった」と感嘆した立原氏。その理由とは――?

解説
作家・翻訳家 立原透耶 

  こんな小説が読みたかった、読み終えて最初に感嘆とともに漏れた言葉がそれである。 

 物語は全部で三つのパートに分かれて

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【新☆ハヤカワ・SF・シリーズ3月刊】迷える放浪者たちの美しき火星SF・郝景芳『流浪蒼穹』お試し読み

【新☆ハヤカワ・SF・シリーズ3月刊】迷える放浪者たちの美しき火星SF・郝景芳『流浪蒼穹』お試し読み

 新☆ハヤカワ・SF・シリーズ、3月の配本は郝景芳『流浪蒼穹』(及川茜・大久保洋子訳)です。「折りたたみ北京」でヒューゴー賞を受賞した著者による、地球と火星のどちらにもアイデンティティを見いだせない少年少女の美しきSFドラマです。本欄ではそんな本作のお試し読みを掲載いたします!

前 言

  本作『流浪蒼穹』は二〇〇七年に書き始め、二〇〇九年に完成した。当初は『流浪蒼穹』というタイトルで三部から

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「折りたたみ北京」著者が贈る火星SF『流浪蒼穹』3/26発売!

「折りたたみ北京」著者が贈る火星SF『流浪蒼穹』3/26発売!

3月の新☆ハヤカワ・SF・シリーズは、あの「折りたたみ北京」著者、郝景芳による長篇SF『流浪蒼穹』をおとどけします。火星を舞台に、地球にも火星にもアイデンティティを見いだせず苦悩する若者たちを鮮やかに描きます。解説の立原透耶氏激賞! の本作は、3/26(土)の発売です。

22世紀、地球とその開発基地があった火星のあいだで独立戦争が起き、そして火星の独立で終結した。火星暦35年、友好のために、火星

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『円 劉慈欣短篇集』訳者・大森望さんによるちょい見せツイートまとめ

『円 劉慈欣短篇集』訳者・大森望さんによるちょい見せツイートまとめ

いよいよあす『円 劉慈欣短篇集』発売! 本作は『三体』ロスに陥っているみなさまにも、「『三体』に手を出したいけど、勇気が出ない……」なみなさまにも、大いにおすすめしたい短篇集です。劉慈欣の作家歴のほぼ全体をカバーしている本作は、入門篇としても最適。
いったいどんな作品が収録されているのか? 訳者・大森望さんによるちょい見せツイートをまとめました。

「郷村教師」大森望・齊藤正高訳
貧しい村で子ども

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劉慈欣、日本初の短篇集!『円 劉慈欣短篇集』書影&収録作公開!

劉慈欣、日本初の短篇集!『円 劉慈欣短篇集』書影&収録作公開!

Netflixでのドラマ化のキャストも続々発表され、とどまるところを知らない『三体』フィーバー! そんな中で、著者・劉慈欣の日本初の短篇集、『円 劉慈欣短篇集』が11月17日(水)に発売されます。本欄ではその書影と収録作品をご紹介します! デビュー作から星雲賞受賞作まで、超充実のラインナップ。劉慈欣入門として本短篇集から読むのも大いにアリ! です。

『円 劉慈欣短篇集』
劉 慈欣=著
大森 望、

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大森 望×いとうせいこう 『三体』シリーズ完結記念トークイベント採録!

大森 望×いとうせいこう 『三体』シリーズ完結記念トークイベント採録!

去る2021年6月12日(土)、六本木 蔦屋書店にて、劉慈欣『三体』シリーズが『三体Ⅲ 死神永生』(上・下)にて完結したことを記念するオンライン・トークイベントが開催されました。出演者は訳者のひとりである大森望氏と、同シリーズ愛読者であるいとうせいこう氏! フジテレビ系番組「世界SF作家会議」でもタッグを組んだ両氏の軽快なトークを採録します。(本対談は、発売中のSFマガジン10月号にも収録されてい

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来るべき未来において、AIと人間の関係をどう見つめるか――立原透耶氏による郝景芳『人之彼岸』あとがき

来るべき未来において、AIと人間の関係をどう見つめるか――立原透耶氏による郝景芳『人之彼岸』あとがき

中国に『三体』以来のヒューゴー賞をもたらした「折りたたみ北京」の著者、郝景芳による短篇集『人之彼岸』がいよいよ刊行されました!

AIをテーマにした本作品集には、エッセイが2篇、短篇が6篇収録されています。ここでは、本作品集の訳者でもある立原透耶氏のあとがきを再録します。

訳者あとがき
立原透耶 作者の郝景芳については、あちこちで語られているのでご存じの方も多いだろう。1984年天津市生まれ、清

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【祝】シリーズ累計30万部突破! 『三体』の勢いが止まらない!!

【祝】シリーズ累計30万部突破! 『三体』の勢いが止まらない!!

先月なかばに第二部『三体Ⅱ 黒暗森林』が発売、『三体』フィーバーがふたたび日本列島を席巻しているなか、おめでたいニュースです!

『三体』シリーズ累計の部数が、紙版・電子版をあわせて30万部を突破しました! フー!

海外SFジャンルの単行本が、短期間でここまでのベストセラーになるのはとてもめずらしいことと思います。これも『三体』ワールドを愛してくださったみなさまのおかげです! ありがとうございま

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【発売中】劉慈欣『三体Ⅱ 黒暗森林』訳者・大森望氏あとがき

【発売中】劉慈欣『三体Ⅱ 黒暗森林』訳者・大森望氏あとがき

いよいよ昨日発売となりました! 劉慈欣『三体Ⅱ 黒暗森林』、もう手に取っていただけましたでしょうか? 今回は、第二部でも翻訳者をつとめた大森望さんのあとがきを抜粋して公開いたします!

(ちなみに、第一部のあとがきはこちらです!↓)

訳者あとがき
大森 望

 あの『三体』は、ほんのプロローグでしかなかった! 地球文明と異星文明が織りなす壮大なドラマはいよいよここからが本番。分量が前作の五割増し

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【電子版のおともにどうぞ】劉慈欣『三体Ⅱ 黒暗森林』本日発売! 登場人物表をアップしました

【電子版のおともにどうぞ】劉慈欣『三体Ⅱ 黒暗森林』本日発売! 登場人物表をアップしました

いよいよ本日発売です、劉慈欣『三体Ⅱ 黒暗森林』! ウワサによると「三体休暇」を取って読み込もうとする方もいらっしゃるとか(ありがとうございます!)。
さて、『三体Ⅱ 黒暗森林』単行本版には第一部『三体』同様に、挟み込みの登場人物紹介がついています。電子書籍版にはそちらはついておりませんので、第一部のとき同様、こちらで登場人物表を公開します。電子書籍での読書の際にお役立てくださいね!

上下巻です

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【フライングゲット】劉慈欣『三体Ⅱ 黒暗森林』いよいよあす発売! すでに入荷している書店も!

【フライングゲット】劉慈欣『三体Ⅱ 黒暗森林』いよいよあす発売! すでに入荷している書店も!

いよいよあす発売となりました、劉慈欣『三体Ⅱ 黒暗森林』! 心の準備はお済みでしょうか?

発売日はあす18日(木)ですが、店頭にはすでに並んでいる書店さんもあるようです。ここではそのツイートの一片をご紹介します!

SFマガジン2019年8月号も並べてくださっている! ありがたや。

六体!!(三体×上下巻=六体?)

手作りのポスター! ありがとうございます!

まだまだ見つけられていないツイ

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【刊行まであと3日】ポスター、POP、続々出来! 劉慈欣『三体Ⅱ 黒暗森林』発売迫る!

【刊行まであと3日】ポスター、POP、続々出来! 劉慈欣『三体Ⅱ 黒暗森林』発売迫る!

ついに発売まであと3日に迫りました! 劉慈欣『三体Ⅱ 黒暗森林』。もう予約はお済みですか?

『三体』ってなに? という方にはこちらの記事をご参照ください。ものの3分で『三体』がわかる!(はず)

そしてそして、ごらんください! ついに早川書房に見本が入ってきましたよ~!

せっかくなので上下巻をみっちり並べてみました。インパクトがある表紙はもちろん富安健一郎さん装画によるもの。

一巻のとき大き

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