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海外文芸

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2020年12月の記事一覧

さまざまな地下をめぐる、文学、神話、思索にあふれた旅。ガーディアン紙「21世紀ベスト・ブック100」に選ばれた『アンダーランド 記憶、隠喩、禁忌の地下空間』試し読み公開中

さまざまな地下をめぐる、文学、神話、思索にあふれた旅。ガーディアン紙「21世紀ベスト・ブック100」に選ばれた『アンダーランド 記憶、隠喩、禁忌の地下空間』試し読み公開中

『アンダーランド 記憶、隠喩、禁忌の地下空間』は英国人作家ロバート・マクファーレンが、さまざまな地下をめぐったノンフィクション。ナショナル・アウトドア・ブック・アワードをはじめ、ウェインライト賞、スタンフォード・ドルマン紀行文学賞を受賞し、英ガーディアン紙が選ぶ「21世紀ベスト・ブック100」に選出されました。

ロバート・マクファーレンは1976年、英国ハラム生まれの冒険家・作家。自身が登山や探

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「読むことの力と意味を感じる体験」「遠い異国の女性の生涯に圧倒的な親近感を覚えてしまう」「トルコに生きた全ての弱者や女性への思いに満ちている」『レイラの最後の10分38秒』レビューと感想

「読むことの力と意味を感じる体験」「遠い異国の女性の生涯に圧倒的な親近感を覚えてしまう」「トルコに生きた全ての弱者や女性への思いに満ちている」『レイラの最後の10分38秒』レビューと感想

1990年、トルコ。イスタンブルの路地裏のゴミ容器のなかで、一人の娼婦が息絶えようとしていた。テキーラ・レイラ。しかし、心臓の動きが止まった後も、意識は続いていた──10分38秒のあいだ。

(著者エリフ・シャファク氏による、本作の紹介動画です)

ひとつの生命の旅立ちを、愛のあるまなざしで美しく描き出した感動作『レイラの最後の10分38秒』(エリフ・シャファク、北田絵里子訳)。邦訳の刊行以降、新

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ロシア極東の街で姉妹が失踪。この事件が、ばらばらに生きてきた女たちを結びつけた――長篇小説『消失の惑星【ほし】』ジュリア・フィリップス

ロシア極東の街で姉妹が失踪。この事件が、ばらばらに生きてきた女たちを結びつけた――長篇小説『消失の惑星【ほし】』ジュリア・フィリップス

早川書房では、2021年2月17日にアメリカの作家ジュリア・フィリップスの長篇小説『消失の惑星【ほし】』(原題 Disappearing Earth)を刊行します。

本作は、デビュー作ながら、全米図書賞・全米批評家賞の最終候補になり、《ニューヨーク・タイムズ》をはじめ、25の媒体の年間ベストブックに選出。全米15万部突破、23言語で翻訳が決まっているベストセラーです。

◉書評・メディア露出クロ

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【試し読み】イスタンブルを舞台に、生命の旅立ちの美しさを描く『レイラの最後の10分38秒』(エリフ・シャファク/北田絵里子訳)

【試し読み】イスタンブルを舞台に、生命の旅立ちの美しさを描く『レイラの最後の10分38秒』(エリフ・シャファク/北田絵里子訳)

 トルコでいまもっとも読まれる作家のひとり、エリフ・シャファクのブッカー賞最終候補作(2019年)として注目された『レイラの最後の10分38秒』(原題:10 Minutes 38 Seconds in This Strange World)。早川書房より、9月3日に邦訳を刊行して以降、日本でも好評をいただいております。そんな本作の冒頭を公開いたします。

『レイラの最後の10分38秒』エリフ・シャ

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