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芦沢央が描く絆の物語。青崎有吾による「九月某日の誓い」解説!

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5回にわたってご紹介してきた豪華作家陣による解説ですが、今回が最終回です。本日ご紹介するのは作家・青崎有吾さんによる「九月某日の誓い」解説です。書店員さんの応援コメントとともにご一読ください。

「九月某日の誓い」解説:青崎有吾

 「九月某日の誓い」は、固い絆で結ばれた二人の少女の物語だ。
 絆とはいかにして構築されるのか。年月か、恩か、契約か。畢竟、唯一の方法は「対話」である。多くの言葉を交わし、好きな点を見つけ合い、苦手な点に関しては付き合い方を工夫していく。蕗の薹のおいしい食べ方を探るように。
 しかし絆を構築してもなお、いや構築したからこそ、人間には隠れた部分が存在する。本作では、ある超常現象にまつわる謎を主軸としながら、万華鏡的に変わり続ける人間心理の妙が描かれる。その反転が素晴らしい。心理的サプライズを得意とし、読者を翻弄してきた芦沢央だが、まだこんな「裏切り方」があったとは。三重、四重の意味で驚かされる作品である。
 SF、ミステリ、シスターフッドと複数のフックを持つ作品だが、ご本人とこの短篇について話したとき、ジャンルは意識したくない、と仰っていたのが印象的だった。確かにこれは、唯一無二の読み味だ。

書店員さんからの応援コメントをご紹介!

聡いお嬢様の操とその家で女中として働く久美子。主従関係である二人の絆がとても美しい。物語が閉じた後も変わらず操を命をかけて守り続けていくであろう久美子との生活の日々、乗り越えていかなければならない、時代の激変が待っているだろう。まだこの物語の続きを読んでいたいと思わせてくれる。きっと久美子なら時代が変わってもひょっとしたら生まれ変わったとしても操を助け、守り抜くだろうという予感をはらむ読後の余韻が素敵。
(ジュンク堂書店名古屋栄店 西田有里さん)

『九月某日の近い』は、 それはもう絶品でした! ここには主従という縛りの関係のなかに百合要素もあり、 もちろん超能力というSF要素やどんでん返し的なのもふんだんにあって、 かつ、切なさ全開で短いお話とは思えない読み応えの充分にある素晴らしい作品でした。
(芳林堂書店高田馬場店 江連聡美さん)

短篇集それぞれとても面白く引き込まれました。全部違って「おぉ!」声が出ました。どの短篇も最後まで気を許すことができなかった。お見事です。
特に「九月某日の誓い」は大、大、大好き。これは短篇ではなくて長編で読みたかったです。
(未来屋書店武蔵狭山店 柴田路子さん)

ミステリー、ホラーの書き手としても大好きな芦沢央さん。今回の短編集はSFや特殊設定ばかりの異色作で、えっこれ芦沢さんの作品だよね…?と戸惑いながらも興奮…!今までとは全く違う世界観の中に、やはり芦沢さんらしいキレッキレの反転。最後にやってくる驚愕までも「美しい」と表現したいほどの、驚きだけではない情景の見事さがあって痺れる…!「九月某日の誓い」が好きすぎる…!!!いちだんと芦沢さんのファンになりました!(TSUTAYA中万々店 山中由貴さん)


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