ピュリッツァー賞を受賞した『ザ・ロード』、『すべての美しい馬』に始まる〈国境三部作〉、アカデミー賞四冠のコーエン兄弟監督映画「ノーカントリー」の原作などを執筆した現代アメリカ文学を代表する小説家コーマック・マッカーシーが亡くなりました(享年89)。登場人物の台詞をかぎ括弧でくくらず、地の文に読点をほとんど打たずに淡々と描かれる事物。心理描写を差し引いた独特の文体で暴力と哲学、そして人間の在り方を描き、多くの作品が映画化されました。名実ともにアメリカ文学の巨匠でした。謹んでご冥福をお祈りいたします。
この記事では、早川書房より刊行されたコーマック・マッカーシーの作品をご紹介します。()は原作発表年です。
『チャイルド・オブ・ゴッド』『悪の法則』は単行本で、その他の作品はハヤカワepi文庫より刊行されています。
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16年ぶりの新作にして、
惜しくも遺作となった二部作。
『通り過ぎゆく者』『ステラ・マリス』(2022)
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