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【速報】中国SFの雄、劉慈欣『三体』ついに2019年早川書房より刊行決定

 ついに、劉慈欣(りゅう・じきん)のSF小説『三体』が早川書房より2019年に刊行されます! その抜粋された一部が「円」として『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)に収録されて以来、「完全版が読みたい!」「いつ刊行されるんだ!」というお声を数多くいただいておりました。


■そもそも『三体』とは?

 中国において最大のヒット作となったSF小説『三体』。本作は《三体》三部作(『三体』『黒暗森林』『死神永生』)の第一部です。社会現象となるほどの売れ行きを誇り、一説によると合計2000万部を売り上げたとか。2015年には『紙の動物園』でおなじみケン・リュウによる英訳版がSF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞しました。ちなみに翻訳もののヒューゴー賞受賞、アジア圏での受賞は、ともにこれが初めて。
 惑星〈三体〉の異星人による地球への侵略にまつわる壮大なドラマが描かれています。前述の抜粋「円」は、長篇中では、〈三体問題〉というヴァーチャルリアリティ・ゲームの一つのエピソードとして登場します。

■著者・劉慈欣とは?

 劉慈欣は1963年生まれ。発電所で働くかたわら、趣味でSF短篇を書き始め、雑誌〈科幻世界〉に『三体』を連載、2008年に単行本として刊行。それが大ブレイクし、現代中国を代表する作家のひとりとなりました。
 くわしくは立原透耶氏による『折りたたみ北京』解説をどうぞ。

■クラーク×小松左京×小川一水!?

 あのオバマ前大統領が、任期中に愛読書の一冊として『三体』を挙げたのは有名な話。Facebookの生みの親、マーク・ザッカーバーグも「重めの本の合間の楽しい息抜きになる」と本書を絶賛。
「劉の作品は(中略)アーサー・C・クラークのような作家の系譜に属する」とは、ケン・リュウの弁。また、『三体』既読の編集部員からは「小松左京のように時代を牽引する力がある!」「いやいや、このエンタメ性は小川一水!」とのコメントも。

■2019年、早川書房より刊行予定

 読者のみなさまのお手元に届けることができるのは来年になりそうです。『三体』情報は、本ページ、早川書房公式noteにて逐一お知らせしていきます。待ちきれないかたは、ぜひとも『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』に収録されている劉慈欣の作品「円」「神様の介護係」をチェックしてみてくださいね。

『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』
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