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これがロマンタジーだ!『フォース・ウィング―第四騎竜団の戦姫―(上・下)』【9月4日発売】

 2023年アメリカで最も売れた大人気シリーズ『フォース・ウィング―第四騎竜団の戦姫―』(原題:Fourth Wing)が、満を持して日本上陸!
2023年5月の発売以来、アメリカでは400万部を突破世界42カ国で発売が決定しています。
 本記事では世界を熱狂させる"ロマンタジー(ロマンス×ファンタジー)"というジャンルとはいったい何なのか、解説いたします!

◆ロマンタジーとは?

 ロマンタジーとは、アメリカで いま最も注目を集めているジャンルで、ロマンスとファンタジーを組み合わせた造語です。
登場人物たちのロマンスを通してファンタジー特有の壮大さ(魔法などの特殊な設定や世界観)が描かれることで、両ジャンルの良いところはそのままに、読みやすさ・没入感がより増している点がロマンタジー小説の最大の魅力といえるでしょう。

◆なぜ今ロマンタジーなのか?

 ロマンスとファンタジーという二つのジャンルの組み合わせ自体は以前から存在しており、これまでは「ロマンティックファンタジー」や「ファンタジーロマンス」などという呼び方をされることもありました。
 つまり「ロマンタジー」自体は新しい概念というわけではなく、「ロマンタジー」という言葉そのものが新しく勢いのあるトレンドになっているのです。
 ロマンタジーというジャンルが本格的に普及したのは2023年。新型コロナウイルス流行による自宅待機を余儀なくされた人たちに本を読む習慣が生まれたことにより、2020年ごろからTikTok 上でおすすめの本を紹介するコミュニティー"BookTok" が流行し始めます。そのユーザーの多くは女性でした。彼女たちによってロマンス小説が多く取り上げられ、その流れを汲んでロマンタジーというジャンルに火がついたのです。
なんと、TikTok上では「#romantasy」付きの投稿が36万以上アップされ、本書「#fourthwing」付きの投稿数も29万を超えています(2024年7月現在)。

原書書影

 ロマンタジーに分類される小説は2022年から2023年にかけて売上が42%伸びており、最も成長が著しいジャンルといえると、マーケットリサーチング会社Circanaは報告しています。そのロマンタジー小説で、最も人気の作品はなにか。読者投稿型書評サイトGoodreadsで毎年行われる年間ベスト投票の2023年度に新設されたロマンタジー部門では、『フォース・ウィング』がなんと2位以下に10倍以上の得票差をつけて受賞しました。つまり、新しいロマンタジーの時代を代表するのが、レベッカ・ヤロスであり『フォース・ウィング』なのです。

◆あらすじ

灼けつくような、恋と死を――
 竜の騎手たちが魔法の力で国防を担う国ナヴァール。書記官を目指していた二十歳のヴァイオレットは、軍の司令官である母親の命令でバスギアス軍事大学に入学して騎手を目指すことに。だがそこは、入学者の大半が命を落とす死と隣り合わせの場所だった。
 新入生の多くはライバルを減らして竜と契りを結ぶため、小柄なヴァイオレットを殺そうとする。また 彼女が所属する第四騎竜団(Fourth Wing)の冷酷な団長ゼイデンも総司令官への恨みから、娘である彼女の命を狙っていた。しかし有能で魅力的な彼にヴァイオレットは強く惹かれてゆき……。
彼女を待ち受ける極限状態での恋、友情、そして命懸けの戦いの行方は――。

◆著者紹介

レベッカ・ヤロス/Rebecca Yarros
アメリカ・コロラド州在住。2014 年に作家デビュー。現代ものロマンスやミリタリロマンスで15 作以上の著作がある。2023年5 月に初のファンタジー作品として本書Fourth Wing を発表、累計400万部突破の大ベストセラーに。本書がきっかけで「ロマンタジー(ロマンス×ファンタジー)」というジャンルが世界的に流行している。11 月に発売されたシリーズ2作Iron Flame は、発売後1週間で55万部以上という記録的な売り上げとなった。

前回の記事では、ロマンタジーを今回初めてお読みになった書店員さんたちの熱いご感想の一部を特別公開しております!

【参考文献】

https://theconversation.com/what-is-romantasy-our-experts-explain-the-bestselling-book-trend-224269

https://www.washingtonpost.com/books/2024/02/11/romantasy-explainer-maas-yarros/

https://www.cnn.com/2024/02/28/style/romantic-books-fantasy-romantasy-booktok-cec/index.html

https://www.economist.com/culture/2024/04/26/romantasy-brings-dragons-and-eroticism-together-at-last