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ハヤカワ国内フィクション

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ハヤカワ文庫JAや単行本など、国内フィクション作品の試し読み原稿や解説などを公開中。
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【残酷なほどに幻想的で美しいポストヒューマンSF】犬怪寅日子『羊式型人間模擬機』書店員さん感想まとめ

【残酷なほどに幻想的で美しいポストヒューマンSF】犬怪寅日子『羊式型人間模擬機』書店員さん感想まとめ

独特の世界観に驚きの声多数! 第12回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作、犬怪寅日子『羊式型人間模擬機』が1/22(水)にいよいよ発売となります。
本欄では、ひと足先に本作を読んでくださった書店員さんからの熱い感想の数々を抜粋してご紹介します!

犬怪寅日子

『羊式型人間模擬機』

■内容紹介
男性が死の間際に「御羊」に変身する一族に仕える「わたくし」は、その肉を捌き血族に食べさせることを生業とし

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【試し読み公開】第12回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞した異色の幻想SF――犬怪寅日子『羊式型人間模擬機』

【試し読み公開】第12回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞した異色の幻想SF――犬怪寅日子『羊式型人間模擬機』

2025年1月22日(水)に発売される第12回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作、犬怪寅日子『羊式型人間模擬機』。本作は、男性がみな死ぬ前に「御羊」に変身する一族に仕える機械「わたくし」の視点で、その生と死の連続を描きだしたクロニクル。現役書店員の著者による堂々のデビュー作です。刊行を記念して、本欄ではその冒頭試し読みを無料公開します!



 きょうのあさ、だから今朝、大旦那様が御羊になられた。

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【1/22発売】第12回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞2作の書影を公開!――カスガ『コミケへの聖歌』、犬怪寅日子『羊式型人間模擬機』

【1/22発売】第12回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞2作の書影を公開!――カスガ『コミケへの聖歌』、犬怪寅日子『羊式型人間模擬機』

カスガ
『コミケへの聖歌』

■内容紹介
二十一世紀半ばに文明は滅んだ。東京は赤い霧に包まれそこから戻って来た者はいない。山奥の僻村イリス沢に生き残った少数の人々は、原始的な農耕と苛酷な封建制の下で命を繋いでいる。そんな時代でも、少女たちは廃屋を改造した〈部室〉に集まり、タンポポの〈お茶〉を優雅に楽しみながら、友情に、部活に、マンガにと、青春を謳歌する。彼女ら《イリス漫画同好会》の次なる目標は〈コ

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第14回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作『マリアを運べ』(睦月準也)好評発売中!

第14回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作『マリアを運べ』(睦月準也)好評発売中!

第14回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作『マリアを運べ』(睦月準也)が好評発売中です! 試し読みはこちら

●あらすじ17歳、無免許の運び屋・風子のもとに持ち込まれた新たな依頼は、東亜理科大医生物学研究所の研究員・志麻百合子が持ち出した開発中の医薬品と研究データを運ぶことだった。一度走った道を映像として覚えられる風子は、スバルのフォレスターに志麻を同乗させて長野県の諏訪を目指すが、道中で正体不明の

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12/6(金)発売!目次公開! ”シン・「劇団」時代 ーー今見逃せない演劇集団” 特集(『悲劇喜劇』25年1月号)

12/6(金)発売!目次公開! ”シン・「劇団」時代 ーー今見逃せない演劇集団” 特集(『悲劇喜劇』25年1月号)

「劇団」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?
昨今、際立った特徴を持つ劇団や、”ユニット”または”グループ”などと形容できる団体が増えるくらい、集団創作のありかたが多様化している印象を受けます。
演劇の現場で醸成されつつある集団創作の本質とはーー。
本特集は〈シン・「劇団」時代〉と題し、第一線で活躍し続ける団体から
進境著しい若手まで、今見逃せない演劇集団を取り上げます。 

☛こちらか

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織田作之助賞ノミネート記念! 藤井太洋インタビュー

織田作之助賞ノミネート記念! 藤井太洋インタビュー

藤井太洋氏が、第二内戦後の2045年北米を舞台に描いた進化テーマSF『マン・カインド』(早川書房)が、第41回織田作之助賞にノミネートされました。選考会は12月19日(木)に、大阪市北区の毎日新聞大阪本社で行われます。本作は史上初めて、単行本化前の〈SFマガジン〉連載で、星雲賞日本長編部門も受賞した傑作です。今回のノミネートを記念して、〈SFマガジン〉12月号(2024年10月25日発売)に掲載の

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恋愛リアリティ番組×エイリアンの新作SF登場! 十三不塔『ラブ・アセンション』

恋愛リアリティ番組×エイリアンの新作SF登場! 十三不塔『ラブ・アセンション』

2020年、『ヴィンダウス・エンジン』で第8回ハヤカワSFコンテスト優秀賞を受賞してデビューした十三不塔さんによる新作が登場! 今回のテーマは恋愛リアリティ番組×エイリアン! 11月20日(水)発売です。

●あらすじ
軌道エレベーター上で開催される恋愛リアリティ番組、ラブ・アセンション。12名の個性豊かな美女たちが参加者として集められて、クエーサーと呼ばれるセレブ男性をめぐって奮闘する。セクショ

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【10月23日発売】『恋する星屑 BLSFアンソロジー』豪華作家陣を大公開!

【10月23日発売】『恋する星屑 BLSFアンソロジー』豪華作家陣を大公開!

SFマガジンで2度にわたって特集された「BLとSF」が、書き下ろし短篇を加えて書籍化決定! 本欄では豪華作家陣による収録作品一覧と、カバーイラストレーター等の情報を公開いたします。

SFマガジン編集部=編
『恋する星屑 BLSFアンソロジー』定価1,276円 ハヤカワ文庫JA

■カバーイラスト:中村明日美子
■カバーデザイン:坂野公一(welle design)

全国の書店、およびネット書店

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【『悲劇喜劇』せつない演劇特集 試し読み】ーーせつないは書けるか 三浦直之(劇団ロロ主宰)

【『悲劇喜劇』せつない演劇特集 試し読み】ーーせつないは書けるか 三浦直之(劇団ロロ主宰)

只今発売中の『悲劇喜劇』24年9月号「せつない演劇」特集から、劇団ロロ主宰の三浦直之さんの記事を公開いたします!    
何を”せつない”と捉えるのか、十人十色の感覚を、演劇に絡めて教えていただきました!

本誌には、劇団ロロの新作、劇と短歌『飽きてから』(原案=三浦直之、上坂あゆ美、脚本=三浦直之 短歌=上坂あゆ美)の初稿版も掲載しています。
併せてお楽しみください!

せつないは書けるか   

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【8/21刊行】『法治の獣』の春暮康一氏による初長篇『一億年のテレスコープ』刊行記念! 著者自身による内容紹介「刊行に寄せて」を公開!

【8/21刊行】『法治の獣』の春暮康一氏による初長篇『一億年のテレスコープ』刊行記念! 著者自身による内容紹介「刊行に寄せて」を公開!

デビュー作「オーラリメイカー」以来、国産ハードSF史に新風を吹き込み続けてきた春暮康一氏。
中篇集『法治の獣』はベストSF2022国内篇第1位、さらに表題作が星雲賞国内短編部門を受賞しました。

今回、満を持して放つ初長篇『一億年のテレスコープ』もまた、日本のハードSF史に刻まれる大作です。

本書の読みどころ・注目ポイントを、著者に無理言って書いてもらった紹介文「刊行に寄せて」を特別公開いたしま

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【8/21刊行】『法治の獣』の春暮康一氏による初長篇『一億年のテレスコープ』刊行記念! 加藤直之氏によるカバーをフルデザインでWeb公開!

【8/21刊行】『法治の獣』の春暮康一氏による初長篇『一億年のテレスコープ』刊行記念! 加藤直之氏によるカバーをフルデザインでWeb公開!

2024年8月21日に、長篇SF小説『一億年のテレスコープ』を刊行!
『法治の獣』でベストSF2022国内篇第1位&星雲賞国内短編部門を受賞した春暮康一氏による、初の長篇作品にして、壮大なファーストコンタクトSF&異星探査SF&青春SFです。

カバーイラストは『法治の獣』『オーラリメイカー〔完全版〕』に引き続き、今回も加藤直之氏が担当!

SF小説を読み込んで、内容に忠実にイラストにする仕事を続

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【冒頭試し読み公開!】50年に1度起こる凄惨な殺人事件。真犯人は尊き神か、恐るべき鬼か? 西式豊『鬼神の檻』

【冒頭試し読み公開!】50年に1度起こる凄惨な殺人事件。真犯人は尊き神か、恐るべき鬼か? 西式豊『鬼神の檻』

2022年に『そして、よみがえる世界。』で第12回アガサ・クリスティー賞を受賞しデビューした西式豊氏。その受賞第一作『鬼神の檻』を8月21日(水)にハヤカワ文庫JAより刊行いたします。本作は、三世代の謎が絡み合う因習村ミステリ。第一部では伝奇ホラー、第二部では見立て殺人、そして第三部ではSF――と各ジャンルの魅力マシマシに仕上がりました。本欄では、その冒頭60枚の試し読みを公開いたします。

西式

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50年に1度起こる凄惨な殺人事件。真犯人は尊き神か、恐るべき鬼か? 西式豊『鬼神の檻』刊行!

50年に1度起こる凄惨な殺人事件。真犯人は尊き神か、恐るべき鬼か? 西式豊『鬼神の檻』刊行!

2022年に『そして、よみがえる世界。』で第12回アガサ・クリスティー賞を受賞しデビューした西式豊氏。その受賞第一作『鬼神の檻』を8月21日(水)にハヤカワ文庫JAより刊行いたします。本作は、三世代の謎が絡み合う因習村ミステリ。秋田での取材旅行を経て書き上げられた力作です。第一部では伝奇ホラー、第二部では見立て殺人、そして第三部ではSF――と各ジャンルの魅力マシマシに仕上がりました。この夏最注目の

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8/7発売 ”せつない演劇。” 特集の告知!          (『悲劇喜劇』24年9月号)

8/7発売 ”せつない演劇。” 特集の告知!          (『悲劇喜劇』24年9月号)

心動く作品には「せつない」があるーー。

「せつない」という感情はとても複雑なもので、
「哀しい」「寂しい」「恋しい」など様々な感情が絡み合い、
心が動いた時に表現されるものなのかもしれません。

とても主観的な感情で、
10人いれば、10人なりの「せつなさ」があると思います。

演劇のクリエイター15人、それぞれにとっての「せつない」想いとは?
また、自身の演劇作品で「せつなさ」をどのように表現

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