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ハヤカワ・ノンフィクション

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ハヤカワ・ノンフィクション文庫や、ハヤカワ・ノンフィクションなど。話題のノンフィクション作品の解説、試し読みを公開中。
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#哲学

人は皆、誰かの欲望を模倣している…?「欲しい」の法則を解き明かす話題の本『欲望の見つけ方』試し読み

人は皆、誰かの欲望を模倣している…?「欲しい」の法則を解き明かす話題の本『欲望の見つけ方』試し読み

「インフルエンサーおすすめのバッグが気になる」「あの人とつきあいたい」「仕事で成功したい」……
なぜ私たちは性懲りもなく何かを欲してしまうのか? この欲望の裏側にはどんな法則が隠されているのか?
ピーター・ティールをはじめ世界中の起業家たちを虜にした「模倣の欲望理論」(ルネ・ジラール)に関する入門書が、ルーク・バージスの『欲望の見つけ方』(川添節子訳)。SNSで大きな反響を呼んでいる本書の「序章ー

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新書創刊の舞台裏:あなたの見ている「現実」は本物?『現実とは? 脳と意識とテクノロジーの未来』担当編集者が語る

新書創刊の舞台裏:あなたの見ている「現実」は本物?『現実とは? 脳と意識とテクノロジーの未来』担当編集者が語る

早川書房があらたに立ち上げる新書レーベル「ハヤカワ新書」。早川書房の強みであるSFやミステリなどの視点を生かした、独自の切り口の新書を多数予定しています。
第一弾は2023年6月20日(火)発売。どんな内容の新書が読めるようになる? そもそも新書の「創刊」って何を準備するの? ……そんな疑問にお答えすべく、『現実とは? 脳と意識とテクノロジーの未来』(著:藤井直敬/脳科学者)の発売に向けて原稿整理

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”使える友達”は真の友人か? 『ひとくち哲学』で哲学思想をかじってみよう【試し読み】

”使える友達”は真の友人か? 『ひとくち哲学』で哲学思想をかじってみよう【試し読み】

プラトンの国家論から映画「ジョーカー」のニヒリズムまで。一口かじれば世界が変わる! 134にもおよぶ哲学の主要トピックを、わかりやすいピクトグラムと2~3ページのコンパクトな説明に凝縮した「哲学思想の入門書」が登場。『ひとくち哲学 134の「よく生きるヒント」』(ジョニー・トムソン、石垣賀子訳、早川書房)から、誰にでも身近なトピックを紹介します。

日常の哲学すばらしい哲学を耳にするのは、時に夜お

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NHK Eテレで新シリーズ放送「なぜ女性政治家は少ないの?」などトピックの理解を深める必読4選!

NHK Eテレで新シリーズ放送「なぜ女性政治家は少ないの?」などトピックの理解を深める必読4選!

私たちを取り巻く現代社会の難問に対して「哲学」という切り口で斬新な解答を導き出してきた、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授。彼が日米中の大学生たちと議論する次の課題は「ジェンダー」をめぐる難問。
NHK・Eテレの「マイケル・サンデルの白熱教室」新シリーズ(初回放送2023年2月4日[土]21:30)に合わせて、これまでのサンデル教授の主な著作をまとめました。

①物価高の今考えたい「お金で買え

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SNS、脳、ケア、アナキズム、鳥たち。『何もしない』訳者あとがき

SNS、脳、ケア、アナキズム、鳥たち。『何もしない』訳者あとがき

「何もしない」ことは、現代の経済社会への最大の抵抗になりうる。

哲学、文学、アート、そして生態系のあり方を通して、無為の意味を導き出す『何もしない』から、訳者の竹内要江さんによる訳者あとがきを公開します。

評価・木澤佐登志 推薦
「無為とともに思考/抵抗せよ。「何もしない」を「する」ために、そして世界を変革するために」
・バラク・オバマ年間ベストブック
・ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー

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これが、生産性至上社会への抵抗。『何もしない』発売中

これが、生産性至上社会への抵抗。『何もしない』発売中

大企業が人々の時間と注意を無断で搾取する注意経済(アテンション・エコノミー)がもっとも恐れているもの、それは、私たちが「何もしない」ことだ。

現代アーティストでスタンフォード大学で講師を務めるジェニー・オデルによる『何もしない』(原題:How to Do Nothing: Resisting the Attention Economy) が、10月5日に刊行されました。

本書から、「はじめに」

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【いまを生き延びるための哲学】マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』累計100万部突破!

【いまを生き延びるための哲学】マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』累計100万部突破!



(写真禁転載)

マイケル・サンデル/鬼澤忍訳『これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学』が累計100万部を突破しました(電子版を含む)。

初版の刊行は2010年5月22日。日本がまだ、東日本大震災もコロナ禍も経験していなかった頃のことです。

それから10年間、私たちが読み継いだ「いまを生き延びるための哲学」。

特に、本書を通じて広く知られるようになった「トロッコ問題

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「読んでて心拍数が上がる」「至高の一冊」「興奮が止まらない」「傑作本格ミステリを読んでるような知的興奮」「SF好きは必読」「一種の虚構論」「目はすごい」「軽妙でクソ面白い語り口やべえ」「目からウロコの見本市」ーー4刷決定『ヒトの目、驚異の進化』読者の声part3

「読んでて心拍数が上がる」「至高の一冊」「興奮が止まらない」「傑作本格ミステリを読んでるような知的興奮」「SF好きは必読」「一種の虚構論」「目はすごい」「軽妙でクソ面白い語り口やべえ」「目からウロコの見本市」ーー4刷決定『ヒトの目、驚異の進化』読者の声part3

発売から20日で4刷が決定した、マーク・チャンギージー『ヒトの目、驚異の進化――視覚革命が文明を生んだ』(柴田裕之訳)。現在、Amazon「科学読み物」ベストセラー1位、「ビジネス街で売れているベストセラー・ランキング」(週刊ポスト)新書・文庫部門9位など、ベストセラー街道を爆走中。「目の本が一体なぜ?」と思われる方もいるかもしれません。そんな疑問に答えるべく、Twitterの皆様の熱い感想をまと

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【電子書籍セール】マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』他、哲学本11点が期間限定で半額に!

【電子書籍セール】マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』他、哲学本11点が期間限定で半額に!

早川書房では電子書籍の「秋の哲学書フェア」をKindle、Kobo、hontoなど主要電子書店で開催中です。
対象電子書籍が11月14日(木)まで全品半額!
東洋哲学やストア哲学、マイケル・サンデルなど、どれも選りすぐりの哲学書です。
人生に迷ったとき、生きづらさを感じたとき……人生の様々なステージで役立つ人生訓が満載。
ここで、その一部をご紹介しましょう。

遭難した男たちが生き延びるため少年を

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AIをめぐる、GAFAの壮大なるマッチポンプ『虚妄のAI神話』試し読み

AIをめぐる、GAFAの壮大なるマッチポンプ『虚妄のAI神話』試し読み



(以下、本文より抜粋)

放火魔の消防士

 現在、インターネット業界の表舞台に立っている大企業は、フランスでは、GAFAや、GAFAM、NATUというふうに総称されている。これらのいわゆる「ウェブ業界の巨人」は、シンギュラリティの宣伝に巨額の資金を投じている。

*GAFAは、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルのこと。マイクロソフトを加え、GAFAMと呼ばれることもある。フランスで

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「シンギュラリティ」の背後にうごめく、GAFAの政治的野望とは?『虚妄のAI神話』解説・西垣通(東京大学名誉教授)

「シンギュラリティ」の背後にうごめく、GAFAの政治的野望とは?『虚妄のAI神話』解説・西垣通(東京大学名誉教授)

シンギュラリティ仮説の背後にうごめくもの
東京大学名誉教授(情報学) 西垣通 2010年代後半に入って、AI(人工知能)ブームの過熱ぶりは凄まじい。とりわけ、その中核にあるシンギュラリティ(技術的特異点)仮説は、現代のグロテスクな神話と言ってもよいだろう。本書『虚妄のAI神話──「シンギュラリティ」を葬り去る』(原題はLe mythe de la Singularité、2017)は、シンギュラリ

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NHK「100分de名著」で話題の「ストア哲学」とは? 『迷いを断つためのストア哲学』著者が解説

NHK「100分de名著」で話題の「ストア哲学」とは? 『迷いを断つためのストア哲学』著者が解説

刊行直後から話題沸騰の、マッシモ・ピリウーチ『迷いを断つためのストア哲学』(月沢李歌子訳)。

ストア哲学は、現代人が学ぶべき人生哲学として、国内外でいま大きな注目を集めています。たとえば、4月のNHK「100分de名著」は『自省録』(毎週月曜日、全4回)。『自省録』といえば、高校世界史でもおなじみ、ローマ皇帝にしてストア哲学者のマルクス・アウレリウスによる著作です。番組中では『嫌われる勇気』の岸

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新生活に疲れたら読みたい、”無敵になれる”哲学!『迷いを断つためのストア哲学』試し読み

新生活に疲れたら読みたい、”無敵になれる”哲学!『迷いを断つためのストア哲学』試し読み



新年度が始まり、就職、異動、進学、進級等々、これまでとは違う環境で生活を始めた方も多いことと思います。新生活には、楽しさと同じくらい、不安がつきものですよね。新しく出会った人たちに自分がどう見られているのかな、自分はこの先うまくやっていけるのかな、、、

こんなときは、古代ローマ時代のストア哲学者、エピクテトスの言葉に耳を傾けてみましょう。

「無敵なのは誰か? 理性で選びようのない物事には、

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イチローも語った、「コントロールできない」物事に悩む無意味さ 『迷いを断つためのストア哲学』訳者あとがき

イチローも語った、「コントロールできない」物事に悩む無意味さ 『迷いを断つためのストア哲学』訳者あとがき



イチロー選手は昨日の引退会見のなかで「生き様で伝えたこと、伝わっていたら嬉しいと思うこと」を問われ、次のように答えました。

「人より頑張ることなんてとてもできないんですよね。あくまでも、秤(はかり)は自分のなかにある。それで自分なりに秤を使いながら、自分の限界を見ながら、ちょっと超えていくということを繰り返していく」

野球人生を通じてこの美学を貫いてきたイチロー選手。2001年、メジャーデ

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