マガジンのカバー画像

ハヤカワ・ノンフィクション

539
ハヤカワ・ノンフィクション文庫や、ハヤカワ・ノンフィクションなど。話題のノンフィクション作品の解説、試し読みを公開中。
運営しているクリエイター

2022年3月の記事一覧

正気/狂気に分断された世界に、理性をいかに実装するか? ジョセフ・ヒース『啓蒙思想2.0〔新版〕 政治・経済・生活を正気に戻すために』4/1発売

正気/狂気に分断された世界に、理性をいかに実装するか? ジョセフ・ヒース『啓蒙思想2.0〔新版〕 政治・経済・生活を正気に戻すために』4/1発売

昨年10月にハヤカワ・ノンフィクション文庫で復刊され話題を呼んだ、ジョセフ・ヒース&アンドルー・ポター『反逆の神話〔新版〕 「反体制」はカネになる』。その続篇として構想されたジョセフ・ヒース『啓蒙思想2.0 政治・経済・生活を正気に戻すために』が、ハヤカワ・ノンフィクション文庫に登場! 著者による書き下ろし序文と、東京大学教授で政治学者の宇野重規氏による巻末解説を収録した新版です。

いまや世界は

もっとみる
前途有望な捜査官が情報提供者を殺害。FBI史上初の「殺人犯」を追った犯罪ノンフィクション『死体とFBI』本文試し読み

前途有望な捜査官が情報提供者を殺害。FBI史上初の「殺人犯」を追った犯罪ノンフィクション『死体とFBI』本文試し読み

第2章「この女をぜったい落としてみせる」銀行強盗にとって、ケンタッキー東部は他にはない難しさと他にはない成功の可能性がある。銀行を襲うには、いろいろな点で理想的な土地ではない。
理由のひとつは、この地域には銀行強盗を取り締まるFBI支局があること。もうひとつは、銀行を襲うのはたいてい日中なので、明るいうちに車で逃走する運転技術が不可欠なことだ。

山腹のこちら側の狭い山道を上ってはあちら側の折れま

もっとみる
「メタバース」への事業転換はなぜ行われたのか?(『フェイスブックの失墜』ダイジェスト)

「メタバース」への事業転換はなぜ行われたのか?(『フェイスブックの失墜』ダイジェスト)

関係者400人以上の証言をもとに、世界人口3分1超のユーザーを抱える巨大ITプラットフォームの暗部を描く

本書は400人以上の人々への1000時間を超える取材によって完成した。取材に応えてくれた人の大半は、フェイスブック幹部、元および現従業員とその家族・友人・元同級生、フェイスブックへの投資家やアドバイザーである。(本文より)

創業者ザッカーバーグの欺瞞

フェイスブックがハーバード大学の女子

もっとみる
今なぜアダム・スミスなのか。堀内勉氏の解説を一挙公開!『アダム・スミス 共感の経済学』

今なぜアダム・スミスなのか。堀内勉氏の解説を一挙公開!『アダム・スミス 共感の経済学』

 好評発売中の『アダム・スミス 共感の経済学』(ジェシー・ノーマン:著、村井章子:翻訳)。
 21世紀の今、なぜアダム・スミスの哲学や思想に改めて注目する必要があるのか? 日本の渋沢栄一や宇沢弘文、さらには現代のSDGsとの意外なつながりとは?
 本書の持つ今日的意義を、『読書大全 ――世界のビジネスリーダーが読んでいる経済・哲学・歴史・科学200冊』などの著書がある、堀内勉氏にご解説いただきまし

もっとみる