
- 運営しているクリエイター
#小説
「言うなれば、疾走するエンターテインメント不条理小説。巻を措く能わずのおもしろさである」――J・M・クッツェー『イエスの学校時代』訳者あとがき(鴻巣友季子)
ノーベル文学賞作家J・M・クッツェーの最新刊『イエスの学校時代』(鴻巣友季子訳)は好評発売中です。本作は2016年に刊行の『イエスの幼子時代』の続篇にあたります。本記事では、翻訳者の鴻巣友季子さんによる、著者J・M・クッツェーの作品変遷と本作についての解説を掲載します。
訳者あとがき 本書は、J・M・クッツェーによる The Schooldays of Jesus(2016年)の全訳である。
非常事態下のイタリアから、日本へ宛てたもう一通の手紙。『コロナの時代の僕ら』より「訳者あとがき」
編集部より「今、このときに読んでほしい」。そんな考えから、全文の公開を行ったパオロ・ジョルダーノ『コロナの時代の僕ら』。全文公開は4月12日19時をもってすでに終了してしまいましたが、たいへん多くの方々に読んでいただき、感想をお寄せいただいたこと、ありがとうございました。
本文の後日談であり、多くの方からご高評をいただいている著者あとがきは公開を続けております、ぜひご一読ください。
今回は、本
何を守り、何を捨て、僕らはどう生きていくべきか。『コロナの時代の僕ら』全文公開【終了/著者あとがきのみ継続】
編集部よりイタリアの小説家パオロ・ジョルダーノによるエッセイ『コロナの時代の僕ら』の全文を、著者の特別な許可を得て、2020年4月10日19時より48時間限定公開(終了しました)します。緊急事態宣言下の日本において、今、このときに広く読まれるべきテキストだと考えたからです。
本書は、イタリアでコロナウイルスの感染が広がり、死者が急激に増えていった本年2月下旬から3月下旬に綴(つづ)られたものです
歴史小説であり、女性の成長物語であり、家族の物語であり、ノワールであり、ミステリであり、怒濤の海洋冒険物語。ジェニファー・イーガン新作『マンハッタン・ビーチ』の魅力とは?
斬新な手法を駆使した『ならずものがやってくる』でピュリッツァー賞および全米批評家協会賞を受賞したジェニファー・イーガン。その7年ぶりの新作『マンハッタン・ビーチ』は、前作とは異なる作風ですが、前作同様の面白さを持つ作品です。翻訳者の中谷友紀子さんによる訳者あとがきで、その魅力に触れていただければと思います。
(書影はAmazonにリンクしています)
超大国アメリカの覇権はいずれ終焉を迎えるの
カズオ・イシグロ『浮世の画家』『充たされざる者』『忘れられた巨人』のオーディオブック配信開始!
ノーベル賞作家カズオ・イシグロの傑作小説3作『浮世の画家』『充たされざる者』『忘れられた巨人』のオーディオブック配信がAudibleで始まりました。『浮世の画家』はNHKドラマ化が決定しています。主演は世界の渡辺謙さん! オーディオブック未体験の方は無料お試しも可能ですよ!
カズオ・イシグロ文学白熱教室DVD化決定!
NHKで放送され好評を博したカズオ・イシグロ文学白熱教室のDVD化が決定しました! 2018年2月9日発売です。ノーベル賞作家の貴重なレクチャーをお見逃しなく。
★番組未放送シーンなど貴重な映像を収録予定
★カズオ・イシグロの英語が聞ける日本語音声ON・OFF機能付き
http://amzn.to/2CDQb6b
※amazonページへジャンプします。
トランプ安倍会談の裏を読み解くヒントがあるのかないのか。ジョージ・オーウェル『一九八四年〔新訳版〕』(第一部-4、高橋和久訳、ハヤカワepi文庫)、無料公開004
『一九八四年[新訳版]』ジョージ・オーウェル/高橋和久訳
(ハヤカワepi文庫より好評発売中! お買い求めは全国書店にて)
最初から読みたい方はこちらから
第一部
4
ウィンストンはテレスクリーンがどれほど近くにあっても、一日の仕事がはじまるときには、思わず無意識の溜息を深々と吐(つ)かずにはいられない。その溜息を吐きながら、彼は口述筆機を引き寄せ、送話口の埃を吹き払って、めがねを
あれよあれよと20万部を突破してしまいました。ジョージ・オーウェル『一九八四年〔新訳版〕』(第一部-3、高橋和久訳、ハヤカワepi文庫)、無料公開003
『一九八四年[新訳版]』ジョージ・オーウェル/高橋和久訳
(ハヤカワepi文庫より好評発売中! お買い求めは全国書店にて)
第一部-2はこちらから。
第一部
3
ウィンストンは母の夢を見ていた。
母が姿を消したとき、自分は十歳か十一歳だったはずだ、とウィンストンは思った。母は背が高く、彫像を思わせる均整の取れた身体つきの寡黙な女性で、挙措(きよそはゆったりとしていて、素晴らしい
それなりに反響があったので連載になりました。いけるところまでいってみましょう。「ポスト真実」時代を予言したと話題のジョージ・オーウェル『一九八四年』(第一部-2、高橋和久訳、ハヤカワepi文庫)、無料公開002。
『一九八四年[新訳版]』ジョージ・オーウェル/高橋和久訳
(ハヤカワepi文庫より好評発売中! お買い求めは全国書店にて)
第一部-1はこちらから。
第一部
2
ドアのノブに手をかけながら、ウィンストンは日記をテーブルの上で開きっぱなしにしていたことに気づいた。一面に〝ビッグ・ブラザーをやっつけろ〟と書いてあり、しかも部屋の端からでも読めるくらいの大きな字である。とんでもなく愚かな
主人公の仕事は文書改ざん。ジョージ・オーウェル『一九八四年』(第一部-1)冒頭公開001
『一九八四年[新訳版]』
ジョージ・オーウェル/高橋和久訳
第一部
1
四月の晴れた寒い日だった。時計が十三時を打っている。ウィンストン・スミスは不快な風を避けようと顎を胸に埋めるようにしながら、ヴィクトリー・マンションのガラス製のドアを素早く通り抜けた。素早くとは言っても、砂埃の渦が自分について入ってくるのは防ぎようがない。
玄関ホールは茹キャベツとぼろぼろになった古マットの匂