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ハヤカワ・ミステリ

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「ハヤカワ・ミステリ」及び「ハヤカワ・ミステリ文庫」の話題作品の解説、試し読みを公開中。
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#アイルランド

12/7発売 ”マクドナーとアイルランド演劇” 特集の全貌!(『悲劇喜劇』24年1月号)

12/7発売 ”マクドナーとアイルランド演劇” 特集の全貌!(『悲劇喜劇』24年1月号)

演劇界・映画界をリードするマーティン・マクドナー。
アイルランド人の両親を持ち、イギリス育ちである彼の演劇作品は、
どの程度「アイルランド演劇」なのか──。
『悲劇喜劇』24年1月号では、マクドナーと、ベケット以降の現代アイルランド演劇双方の魅力を、作家・作品・文化慣習の面から紐解きます。

▽掲載戯曲はこちら

・『海をゆく者/The Seafarer』
コナー・マクファーソン作、小田島恒志訳

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刊行以来大反響! ミステリ小説『捜索者』(タナ・フレンチ)訳者あとがき公開

刊行以来大反響! ミステリ小説『捜索者』(タナ・フレンチ)訳者あとがき公開

 四月に刊行して以来、その丹念な筆致と巧みな描写に大好評をいただいております大作ミステリ小説『捜索者』(タナ・フレンチ/北野寿美枝 訳)。今回、翻訳者の北野氏による訳者あとがきを公開いたします。

訳者あとがき 敬虔なカトリックの国。ケルト文化が色濃く残り、いまも妖精とともに生きている国。豊かな自然あふれる緑の国。そんなアイルランドの片田舎の村を舞台に、インディペンデント紙で〝アイルランドの犯罪の

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各紙絶賛の海外ミステリ大作『捜索者』(タナ・フレンチ)発売中!

各紙絶賛の海外ミステリ大作『捜索者』(タナ・フレンチ)発売中!

現代クライム・ノヴェルの旗手タナ・フレンチによる最新長篇『捜索者』(北野寿美枝訳)がハヤカワ・ミステリ文庫より刊行となりました。

○あらすじ

離婚し、長年勤めてきたシカゴ警察を退職したアメリカ人のカルは、アイルランド西部の小さな村に移住することに。廃屋の修繕をしながら静かに暮らしていたカルだったが、地元の子どもから、失踪した兄の行方を捜してほしいと頼まれる。誰もが失踪の理由に心当たりがないと話

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【応募は締め切りました】現代警察小説の最前線! 刑事ショーン・ダフィが密室殺人事件に挑むシリーズ最新刊『レイン・ドッグズ』がゲラで読める! 読者モニター募集キャンペーン実施

【応募は締め切りました】現代警察小説の最前線! 刑事ショーン・ダフィが密室殺人事件に挑むシリーズ最新刊『レイン・ドッグズ』がゲラで読める! 読者モニター募集キャンペーン実施

早川書房では、海外で大人気の〈ショーン・ダフィ〉シリーズの最新作である『レイン・ドッグズ』を、ハヤカワ・ミステリ文庫より本年12月に邦訳刊行! その読者モニターを募集いたします。          

(原書表紙)

 王立アルスター警察隊の警部補ショーン・ダフィの元にかかってきた電話は、北アイルランドにあるキャリック・ファーガス城で事件が起こったことを伝えるものだった。城の中庭で女性の転落死体が

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期間限定!『機龍警察 自爆条項〔完全版〕上【無料拡大お試し版】』リリースのお知らせ

期間限定!『機龍警察 自爆条項〔完全版〕上【無料拡大お試し版】』リリースのお知らせ



8月18日発売『機龍警察 白骨街道』(月村了衛著)の紙版電子版同時発売を記念して、電子書籍版『機龍警察 自爆条項〔完全版〕上【無料拡大お試し版】』を期間限定でリリースいたします!

『機龍警察 自爆条項〔完全版〕』解説の霜月蒼さんをして
「シリーズの世界観を提示した第1作『機龍警察』を受けて、この類稀なるシリーズの実質的なスタートを告げた堂々たる大作にして名作」
と言わしめた作品でもあります。

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やたら表紙がかっこいい『ガン・ストリート・ガール』装幀メイキング公開!【刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ第四弾】

やたら表紙がかっこいい『ガン・ストリート・ガール』装幀メイキング公開!【刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ第四弾】

刊行以来、大好評いただいております『ガン・ストリート・ガール』(エイドリアン・マッキンティ/武藤陽生訳)。今回は装幀のメイキング記事をお届けいたします。

『コールド・コールド・グラウンド』から始まる刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズの装幀をすべて担当していただいているのはデザイナーの國枝達也さん(Twitterはこちら)。エラリイ・クイーン〈悲劇四部作〉(角川文庫版)やドン・ウィンズロウ『ザ・カル

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「読み終わった後しばらく虚脱」「シリーズ最高傑作だった」「これまでの中でベスト」激賞の声相次ぐ『ガン・ストリート・ガール』【刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ第四弾】

「読み終わった後しばらく虚脱」「シリーズ最高傑作だった」「これまでの中でベスト」激賞の声相次ぐ『ガン・ストリート・ガール』【刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ第四弾】

今月刊行以来、大好評いただいております『ガン・ストリート・ガール』(エイドリアン・マッキンティ/武藤陽生訳)。いただいた感想へのリンクをご紹介いたします!

【あらすじ】 富豪の夫妻が射殺される事件が発生した。当初は家庭内の争いによる単純な事件かと思われたが、容疑者と目されていた息子が崖下で死体となって発見される。現場には遺書も残されていたが、彼の過去に不審な点を感じたショーン・ダフィ警部補は、新

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「シリーズ最高レベル」――書店員からも絶賛の声!『ガン・ストリート・ガール』【刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ第四弾】

「シリーズ最高レベル」――書店員からも絶賛の声!『ガン・ストリート・ガール』【刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ第四弾】

ショーン・ダフィ〉シリーズ最新作にして最高傑作『ガン・ストリート・ガール』絶賛発売中です! 今回、千葉県のときわ書房本店の宇田川拓也さんより、本作のゲラをお読みいただいた際のコメントをご紹介いたします。

 『ガン・ストリート・ガール』ゲラ、拝読しました。底の見えない事件の深度もさることながら、P457「24 謎のコノリー氏」で物語のギアが変わり、
 事件の真相に迫れば迫るほど奈落が近づいてくる不

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「あいについて語るときに我々の語ること」――『ガン・ストリート・ガール』訳者あとがき【刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ】

「あいについて語るときに我々の語ること」――『ガン・ストリート・ガール』訳者あとがき【刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ】

 〈ショーン・ダフィ〉シリーズ最新作にして最高傑作『ガン・ストリート・ガール』は全国で好評発売中です! 今回はシリーズの翻訳者、武藤陽生氏による訳者あとがきエッセイを特別掲載いたします。シリーズファン必読です!

あいについて語るときに我々の語ること
 大変お待たせいたしました。刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ四作目をようやく日本の読者のもとに届けることができ、ほっと胸を撫でおろしています。本作は

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間違いなく本書が最高作であると断言しようーー『ガン・ストリート・ガール』レビュー【刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ第四弾】

間違いなく本書が最高作であると断言しようーー『ガン・ストリート・ガール』レビュー【刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ第四弾】

 〈ショーン・ダフィ〉シリーズ最新作にして最高傑作『ガン・ストリート・ガール』絶賛発売中です! 刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズの既刊レビューに引き続きまして、書評家の小野家由佳氏による『ガン・ストリート・ガール』の最速レビューを掲載いたします。

『ガン・ストリート・ガール』レビュー
 
 『アイル・ビー・ゴーン』は、ショーン・ダフィという男の人生について一つの決着をつける、シリーズの区切りとな

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なんとしてでも読んでもらいたい作品だ――『アイル・ビー・ゴーン』レビュー【刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ第三弾】

なんとしてでも読んでもらいたい作品だ――『アイル・ビー・ゴーン』レビュー【刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ第三弾】

 10月15日の刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ最新作にして最高傑作『ガン・ストリート・ガール』は本日発売! 書評家の小野家由佳氏による刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズのレビューを掲載いたします。

 今回はシリーズのひとつのクライマックスである第三作、『アイル・ビー・ゴーン』をご紹介いただきます。

『アイル・ビー・ゴーン』レビュー 
 異形の作品である。
 ショーン・ダフィという男の抱えている

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「そうなんだよ。これは凄いシリーズなんだ」と力強く保証してくれる――『サイレンズ・イン・ザ・ストリート』レビュー【刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ第二弾】

「そうなんだよ。これは凄いシリーズなんだ」と力強く保証してくれる――『サイレンズ・イン・ザ・ストリート』レビュー【刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ第二弾】

 10月15日の刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ最新作にして最高傑作『ガン・ストリート・ガール』発売を控え、書評家の小野家由佳氏による刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズのレビューを掲載いたします。

 今回はシリーズ第二作にしてアメリカのミステリ専門誌選出の〈バリー賞〉受賞作、『サイレンズ・イン・ザ・ストリート』をご紹介いただきます。

『サイレンズ・イン・ザ・ストリート』レビュー

 『コールド・

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このシリーズを貫く太い芯はショーン・ダフィという男である――『コールド・コールド・グラウンド』レビュー【刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ第一弾】

このシリーズを貫く太い芯はショーン・ダフィという男である――『コールド・コールド・グラウンド』レビュー【刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ第一弾】

 10月15日の刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ最新作にして最高傑作『ガン・ストリート・ガール』発売を控え、書評家の小野家由佳氏による刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズのレビューを掲載いたします。

 傑作揃いの本シリーズは、アメリカミステリ界最高の栄誉であるエドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)など各ミステリ賞受賞をはじめ、アメリカのミステリ批評サイトCrimeReadsにて2010年代を代表する

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特集『コールド・コールド・グラウンド』⑤ 発見された奇妙な死体の謎とは?

特集『コールド・コールド・グラウンド』⑤ 発見された奇妙な死体の謎とは?



大好評発売中の『コールド・コールド・グラウンド』より、前回の試し読みの続きを掲載いたします。

(承前)
「なるほど。場所は?」
「バーン・フィールド。テイラーズ・アベニューのそばだ。知っとるかね?」
「あい。警部は現場ですか?」
「今はフェアリーマウントのレディのお宅で電話を借りてる」
「レズのウケ(フェアリーレディ)、ですか?」
「いいからさっさと来い、馬鹿たれが」
「十分で行きます」
 

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