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映画『DUNE/デューン 砂の惑星』公開記念! 〈デューン〉の世界を知ろう!

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』が10月15日に日本で公開される。フランク・ハーバートの小説『デューン 砂の惑星』の二度目の映画化だ。映画をより楽しむために参考になるかと思い、ここで〈デューン〉の世界の理解を深めるために、小説に登場するキーワードをまとめてみた。

小説版『デューン 砂の惑星〔新訳版〕』(酒井昭伸 訳)下巻巻末の用語集を参考に構成しなおし、あいうえお順に並べている。

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アラキス デューンとして知られる惑星。カノープス(竜骨座α星)の第3惑星。本書の主要舞台。

羽ばたき飛行機[オーニソプター] 鳥のように持続的に翼をはばたいて飛べる航空機。

〈繰り声〉[からくりごえ] ベネ・ゲセリットが創始した複合的な修業の産物。声の調子を適宜選択することにより、意のままに他人を操れる。

カラダン 孔雀座δ星の第3惑星。ポールの出身地。アトレイデス家の本拠地だった。

教母 ベネ・ゲセリットの学監のうち、みずからを意識のより高い次元に引きあげた者をいう。フレメンも「教母」を自分たちの宗教的指導者の呼び名として使う。

ギルド 航宙ギルド。〈大協約〉を維持する政治的な三脚の一脚。

〈クウィサッツ・ハデラック〉 「〈道〉の短縮」の意味。ベネ・ゲセリットが遺伝的手法によって出現させようとする〈未知なるもの〉の呼称。時空に掛け橋をもたらす男性ベネ・ゲセリットのこと。

結晶質ナイフ[クリスナイフ] アラキスのフレメンが使用する聖化ナイフ。砂蟲の死体から採取した歯で造る。「定着済」と「未定着」のものとがあり、未定着のナイフは、分解しないよう、人体の電界付近に置いておかねばならない。

皇帝 帝王[パーディシャー]皇帝。現皇帝はコリノ家第81代当主シャッダム四世。

ゴム・ジャッバール 「横暴な敵」の意味。人間の意識を試す生死をかけた試練においてベネ・ゲセリットの学監が使用する、特殊な毒針のこと。

コリオリの嵐 アラキスに発生する大規模砂嵐。広大な砂床に吹き荒れる大風が惑星の自転運動で加速し、風速190メートル(時速700キロ)に達する。

サーダカー 帝王皇帝に仕える狂信的親衛兵。齢11歳に達するまでに、13人中6人までもが命を落とすという、きわめて苛酷な環境のもとで育つ。軍事教練で優先的に叩きこまれるのは、無慈悲であるべし、自己の安全を顧みず死兵と化すべしとの教えである。

サルーサ・セクンドゥス 魚座γ星の第3惑星。帝室が魚座α星ことカイタンに遷都したのち監獄惑星となった。

シエチ フレメンのことばで、「危機にさいして集まる場所」の意。部族共同体が住む群居洞を指すようになっている。

ジエディ・プライム 蛇遣い座36番星Bの惑星。ハルコンネン家の本拠地。

防御シールド ホルツマン・フィールド・ジェネレーターが生ずる保護フィールド。低速度で動いている物体だけを通過させる。

砂蟲[サンドワーム] アラキスの砂漠にすむ生物。砂漠深奥部においては、全長400メートルを超える巨大個体がたびたび目撃されている。

〈大協約〉 ギルド、領主会議、皇帝の三者によって維持されるパワー・バランスのもと、広く強制される宇宙平和協定。

帝国制式条件づけ スーク医学院の開発になる。人命を奪うことを抑止する最強の条件づけ。被処置者はそのしるしとして、額にダイヤモンドの形をしたタトゥーを入れられ、長髪をスークの銀輪で束ねることをゆるされる。アトレイデス家の医師ユエがこの条件付けを受けている。

読真師 読真トランス状態に入り、人の不実や虚偽を見ぬく能力を持つ教母のこと。ガイウス・ヘレネ・モヒアムが現在、皇帝の読真師をつとめる。

バトラーの聖戦[バトラーのジハード] コンピュータ、思考機械、自意識あるロボットに対する聖戦。BG201年に勃発し、BG108年に終結を迎えた。当時の戒めは、つぎの形で『オレンジ・カトリック聖典』に残っている。「汝、人心を持つがごとき機械を造るなかれ」

超磁性コンパス[パラコンパス] 局所的地磁気異常のもとでも方向を定められるコンパス。

保命キット[フレムキット] 砂漠のサバイバル・キット。フレメン製。

フレメン アラキスの自由な民族。いくつもの部族が砂漠に住む。

ベネ・ゲセリット 古い歴史を持つ、精神と肉体の鍛練が目的の教育機関。〈バトラーの聖戦〉によって、いわゆる「思考機械」とロボットが破壊されたのち、主に女学生のために創立された。

保水スーツ アラキスで開発された、全身をすっぽり包みこむスーツ。スーツの生地はマイクロ・サンドウィッチ構造になっており、体熱を外に放散するいっぽう、排泄物から水分を濾過・蒸留する機能を持つ。回収された水分は、蓄水ポケットに蓄えられ、チューブで飲むことができる。

保水テント マイクロ・サンドウィッチ構造の生地でできた小型で気密性の高いテント。テントの中に放出された呼気の水分を回収し、飲料水に変えられるように造られている。

ムアッディブ アラキスに適応した小型のトビネズミのこと。地球が原産。大砂原における生存能力の高さから、フレメンが敬意を捧げる対象となっている。

メランジ 映画内で「スパイス」と呼ばれる。「香料の中の香料」。アラキスにのみ産出する。おもに抗老化作用で知られ、少量を服用するだけであれば弱い習慣性ですむが、体重70キロの人間が1日に2グラム以上の量を服用すると強い中毒性を示す。帝国市場でのメランジの価格は、10グラムあたり62万ソラリスにもなる。

演算能力者[メンタート] 帝国の市民階級のひとつ。きわめて高度な論理演算ができるように訓練された者たち。別名「人間コンピュータ」。スフィル・ハワトがアトレイデス家に、パイター・ド・フリースがハルコンネン家に仕えている。

リサーン・アル゠ガイブ 〈外世界からの声〉。フレメンの救世主伝説では、惑星外からの預言者。

領家[りょうけ] 惑星または恒星系を統べる一族の呼称。アトレイデス家、ハルコンネン家は大領家のひとつ。

領主会議[ラーンスロード] 領家たちの組織。〈大協約〉を維持する政治的な三強のひとつ。

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