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「ケラリーノ・サンドロヴィッチ自選戯曲集」発売記念! 「シャープさんフラットさん」作品紹介

不条理劇からウェルメイド劇まで、振り幅の大きい作品群を精力的に発表し続ける現代劇の鬼才、ケラリーノ・サンドロヴィッチ。
著者初となる自選戯曲集(全2巻)では、広がりのある作品世界を一望する8作品を一挙収録します。

「ケラリーノ・サンドロヴィッチ自選戯曲集1 ナイロン100℃篇」

KERAさん自選戯曲集01

(書影をタッチすると、amazonページにジャンプします)

収録作品
「シャープさんフラットさん 」
「2番目、或いは3番目 」
「社長吸血記」  
「ちょっと、まってください」  
「睾丸」


「ケラリーノ・サンドロヴィッチ自選戯曲集2 昭和三部作篇」

KERAさん自選戯曲集02_0420

(書影をタッチすると、amazonページにジャンプします)

収録作品
「東京月光魔曲」  
「黴菌」 
「陥没」

解説:徳永京子[ナイロン100℃篇]
   嶋田直哉[昭和三部作篇]
装幀:はらだなおこ
写真:平塚篤史

発売:6月18日
予価:4,600円+税[ナイロン100℃篇] 
   3,800円+税[昭和三部作篇]

***


発売に向けた特別企画として、早川書房のnoteでは、
自選戯曲集に収録する全8作品を、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)のコメントとともに紹介。
今回は「ナイロン100℃篇」収録の「シャープさんフラットさん」の紹介です。


「シャープさんフラットさん」作品紹介

実は人間のほとんどが、世の中の奏でる音楽とはズレてるんじゃないか、正しく唄えている人なんかいないんじゃないか……僕はそういう人達を、「シャープさんフラットさん」と名付けよう(「シャープさんフラットさん」より)

ナイロン100℃の15周年記念公演として上演された「シャープさんフラットさん」。
実際の上演では、ナイロン100℃の全劇団員が「ブラックチーム」と「ホワイトチーム」にわかれて出演した。
ベースとなる戯曲は同一でありながら、キャストに合わせて演出やエピソードを変更。「ダブルキャスト二本立て興行!」と謳い公演をおこなった。
今回はその二つのバージョンを統合する形で、新たにKERAの手が入った。

舞台となるのは、日本中が異様な好景気に湧いていた90年代はじめ。
笑いの魅力に取り憑かれ劇団を主宰する辻煙(つじ・けむり)が、ある出来事をきっかけに東京から離れ、サナトリウムに転がり込む。
サナトリウムで辻煙は、漫才師や会社社長など、不思議な面々と遭遇し……
KERAの「笑い」への執着や考察、劇団への愛憎が色濃く出た、「私戯曲」とも言える稀有な作品。


ケラリーノ・サンドロヴィッチ コメント
(本書収録「あとがき」より引用)

〇八年に劇団の一五周年記念公演として、ブラックとホワイトの二チーム、オール・Wキャストで上演した作品。大筋は変わらないが、ラストが異なり、人物の設定や性別、細部の台詞やギャグも変え、セットは同一であったが演出も当然異なった。この度収録したのはブラックチームの上演台本をベースに、少しだけ手を加えたものだ。強いて言うなら黒みの強いグレーか。久々に読み返してみたら、記憶よりずっとシリアスだったので驚いた。八〇年代、二〇代の頃に書いた某作品以来の「私戯曲」とも言える。「笑い」への執着や考察、劇団への愛憎を、一五年の節目に描いておきたかったのだ、たぶん。この時期に限らぬが、かつてあった閃きやこだわりの多くを、今の自分はきっと失ってしまった。その代わりに手に入れた別の何かの力で書いてゆくしかないのだ。 そういうもんだ。


次回は、別役実にオマージュを捧げつつ、東日本大震災がおこる直前に執筆された“予見的”な作品「2番目、或いは3番目」を紹介します。


◎著者略歴
ケラリーノ・サンドロヴィッチ
劇作家、 演出家、 映画監督、 音楽家。1963年1月3日生まれ。82年、 ニューウェイヴバンド「有頂天」を結成。またインディーズ・レー ベル「ナゴムレコード」を立ち上げ、70を超えるレコード・CDを プロデュースする。85年、「劇団健康」 を旗揚げ、 演劇活動を開 始。92年解散、93年に「ナイロン100°C」を始動。99年、『フロー ズン・ ビーチ』 で第43回岸田國士戯曲賞を受賞し、 現在同賞の選 考委員を務める。2018年秋の紫綬褒章を始め、 第66回芸術選奨文 部科学大臣賞、 第24回読売演劇大賞最優秀演出家賞、 第26回読売 演劇大賞最優秀作品賞(ナイロン100°C『百年の秘密』)、 第4回ハ ヤカワ「悲劇喜劇」 賞(世田谷パブリックシアター+KERA・ M A P # 0 0 7 『 キ ネ マ と 恋 人 』) な ど 受 賞 多 数 。 音 楽 家 と し て は 、 ソ ロ活動の他、「有頂天」(2014年再結成)、鈴木慶一とのユニット 「No Lie-Sense」、ケラ&ザ・シンセサイザーズなどで、ライブや 新譜リリースを活発に展開中。


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