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本を読む楽しさ――ほんタメ(ヨビノリたくみさん&齋藤明里さん)が選んだハヤカワ文庫5選

毎年恒例の「ハヤカワ文庫の100冊フェア」。今年は4人のインフルエンサーの皆さんに、おすすめ本をエッセイやインタビュー、そして動画でご紹介いただきました。本欄では100冊フェア小冊子の中から、ほんタメ(ヨビノリたくみさん&齋藤明里さん)による特別インタビューを採録します。

ほんタメ

「ほんタメ」は、ヨビノリたくみと齋藤明里がMCをつとめる、本についてのYouTubeチャンネル。 ◉ヨビノリたくみ 1993年、神奈川県生まれ。YouTubeチャンネル【 予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」 】で主に数学や物理の解説動画を配信中。
◉齋藤明里(さいとう・あかり) 1995年、東京都生まれ。女優として、舞台を中心に映画やドラマにも出演。

【動画で紹介!】


本を読む楽しさ

――お二人は今回どんな五作品を選ばれましたか。
齋藤明里(以下、あかりん) 国内SF入門篇というテーマで選んでみました。SFをまだ読んだことがない人や、難しそうだと思っている人にこそ手に取ってみてほしいですね。
ヨビノリたくみ(以下、たくみ) ミステリも宇宙論もSFも、それぞれ別のベクトルから新しい知識や発見をくれるので、自分の世界を広げたい人におすすめの本を選んでみました。

――まずはあかりんさんが選んだ『虐殺器官〔新版〕』『ハーモニー〔新版〕』ですが、どちらも伊藤計劃の作品ですね。
あかりん 『虐殺器官』のアニメ映画を観て、そこからSFを読むようになったんです。タイトルの禍々しさとは裏腹に、すごく読みやすくて。昨日読み返してたんですが、書き出しが良いですよね! 一瞬で引き込まれます。『ハーモニー』はディストピア小説の魅力に気づいたきっかけの一冊です。すごく残酷で、なのに美しい世界に衝撃を受けました。ディストピア小説を読んでいると、人間の描いた理想は完璧じゃないんだと痛感しますね。

――残りの三冊は新世代のSF作家の短篇集と、アンソロジーです。
あかりん 伴名練さんの『なめらかな世界と、その敵』はタイトルとカバーに惹かれて手に取ったんですが、とても読みやすい短篇集なので、SFが苦手な人にこそ読んでほしい! 『日本SFの臨界点[恋愛篇]』は伴名さんが編纂した、これを読んでおけば間違いないアンソロジーです。柞刈湯葉さんの『人間たちの話』はサイエンスとユーモアの融合が素晴らしいです。収録作では「宇宙ラーメン重油味」が秀逸。いろんな宇宙人に合ったメニューを作るラーメン屋さんのお話で、読むとラーメンが食べたくなる(笑)。予備知識が無くても楽しめるのが短篇SFの醍醐味かなと思います。

――たくみさんはアガサ・クリスティーのそして誰もいなくなった』『オリエント急行の殺人』を選ばれていますね。
たくみ クリスティーの作品は一度読んだら忘れられない衝撃の結末が魅力ですよね。絶対にネタバレを頭に入れずに読んでほしい。小学生の時に夢中になって読んで、今も大好きなミステリ作家です。

――一方『ホーキング、宇宙を語る』は、数学や物理の講義もされているたくみさんの専門分野です。
たくみ ホーキングは科学者として超一流なんですが、さらに作家としての才能もあったのがすごいですよね。宇宙の始まりとか、根源的な疑問が取り上げられているので、この宇宙に住んでいるなら一度は読んだ方がいい。

――ミステリも宇宙論も、知的好奇心を刺激するところがお好きなんですね。
たくみ 僕はちょっとタイトルフェチみたいなところがあるんですが『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は知的好奇心を刺激する最高のタイトルですよね。アンドロイドと人間の違いが描かれた小説なんですが、アンドロイドをAIに置き換えると現代にも通じる内容です。陸秋槎さんの『文学少女対数学少女』もタイトルが気になって読んだんですが、作中の数学の内容がガチすぎてびっくりしました。各話のタイトルからして、「連続体仮説」「フェルマー最後の事件」とか。しかもそれがちゃんと事件の解決に絡んでいる。唯一無二のミステリですね。


齋藤明里さんが選んだハヤカワ文庫はこちら!

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