【ネタバレ注意!】ついに明後日『三体X 観想之宙』発売! これまでのあらすじ『三体Ⅲ 死神永生』篇【発売前に復習】
ついに『三体』公式二次創作こと宝樹『三体X 観想之宙』の発売が明後日、7月6日(水)に迫りました……!!
予約の準備はお済みですか?
「待って待ってまだ『三体Ⅲ 死神永生』読み直せてないよ! 内容あやふやなのに……」というあなたのために、大森望さんによる、『三体Ⅲ 死神永生(上)』既読のみなさま向けの「これまでのあらすじ」を掲載いたします。これは、『三体X 観想之宙』の巻末に収録されている「『三体Ⅲ 死神永生』あらすじ」から、一部(上巻の半分弱まで)を抜粋したものです。『三体X』単行本には、『死神永生(下)』結末までのあらすじが収録されています。また、『三体』および『三体Ⅱ 黒暗森林』既読のみなさま向けのあらすじはこちらからどうぞ。
※本記事には『三体Ⅲ 死神永生(上)』のネタバレが含まれています。未読の方はブラウザバックを推奨いたします!※
『三体Ⅲ 死神永生(上)』あらすじ
大森 望
始まりは、メフメト二世率いるオスマン帝国軍が迫る1453年のコンスタンティノープル。千年以上の歴史を誇る強大なビザンティン(東ローマ帝国)も、ついに滅びようとしていた。だがそのとき、娼婦ディオレナが〝四次元のかけら〟と接触。メフメト二世の命さえ簡単に奪える魔法の力を得た彼女は、聖女になることを夢見て暗殺者に志願するが……。
時代は飛んで、危機紀元はじめ(2010年代後半)。面壁計画の背後でひそかに進行していた階梯計画──それは、三体艦隊の太陽系到着に先駆けて、敵のふところに人類のスパイを送り込もうという大胆なプロジェクトだった。この計画に不可欠な推進方法を考案したのが、若き航空宇宙エンジニアの程心(チェン・シン)。大学院で航空宇宙工学を学んだ彼女は、国連惑星防衛理事会(PDC)の戦略情報局(PIA)に、技術センター室長補佐として就職したばかりだった。程心の提案が採用され、階梯計画は着々と進みはじめるが、積載可能な重量はわずか500グラムと判明。人間を送ることは不可能だ。しかし、鉄の意志を持つPIA長官トマス・ウェイドはその知らせにも動じず、こう言い放つ。「脳だけを送る」
三体文明にとって地球人類の脳は貴重なサンプルになる。階梯計画のすべては智子(ソフォン)を通じて筒抜けだから、彼らはかならず人類の宇宙船を鹵獲し、脳から地球人を再生するだろう……。
その〝脳〟の候補として白羽の矢が立ったのが、大学時代、程心の同級生だった雲天明(ユン・ティエンミン)。末期がんで余命宣告を受けた彼は、家族のために安楽死を選択する。その天明の病室に、大学の元同級生がやってくる。当時、天明がなにげなく口にしたアイデアをもとに、卒業後、「緑色暴風(グリーン・テンペスト)」という青汁飲料を企画したところ、商品化が実現。巨額の利益を得たので、その一部を天明に配分すると言う。天明は、ずっと片思いしてきた程心に、その金で星をひとつプレゼントしようと考える。病院を抜け出し、国連が資金集めのために企画した「星群計画」の中国オフィスを訪ねた天明は、恒星DX3906を購入、所有権を匿名で程心に贈る。
もう思い残すことはないと天明が安楽死の手続きを進めている最中、階梯計画のスタッフが処置室に駆けつける。その中にいたのは、だれあろう、憧れの程心その人だった。階梯計画のために脳を提供してほしいと求められた天明は、皮肉な思いを抱きながら了承する。
その後、天明の脳を搭載した宇宙船は計画どおり打ち上げられたものの、些細な不具合で針路がそれ、宇宙船は行方不明に。程心は階梯計画関係者を代表して、未来への使者として人工冬眠に入る。
三百年後に目覚めた程心は、匿名の人物からプレゼントされた恒星DX3906に地球型惑星が見つかり、価値が急上昇したことを知る。国連は、この恒星を買い戻すため、所有者である程心を蘇生させたのだった。熟慮の結果、程心は惑星だけを国連に売却。DX3906に惑星を発見した大学院生・艾(アイ)AAは程心のアシスタントに志願し、莫大な資産を運用する会社を経営することになる。
直後、発信元を艾AAと偽った電話に呼び出された程心は、やはり人工冬眠していた元上司のウェイドに銃撃されるが、かろうじて一命をとりとめる。ウェイドは、自分が次の執剣者(ソードホルダー)になるため、有力なライバルである程心の排除をもくろんだのだった。執剣者とは、全宇宙に向かって三体世界の座標を重力波送信することで暗黒森林攻撃を誘発し、三体世界を(ひいては地球をも)滅ぼすひきがねを引く資格をゆだねられた人物のこと。暗黒森林抑止を成立させて三体世界の侵略を阻んだ面壁者・羅輯(ルオ・ジー)が長くその地位にあったが、三体人の原作を映画化した『長江おとぎ話』が世界的に大ヒットするなど三体世界との文化交流が進むにつれて宥和派が台頭。時代の空気は女性化に向かい、羅輯の加齢もあって、新たな執剣者選びが喫緊の課題となっていたのである。
退院した程心は、羅輯とともに智子(ともこ/陽子サイズのスーパーコンピュータ智子[ソフォン]を通じて三体文明に操作される女性型アンドロイド)に呼び出され、着物姿の智子と茶室で語り合う。
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そして物語は『三体X 観想之宙』へ――。
異星種属・三体文明の太陽系侵略に対抗する「階梯計画」。それは、敵艦隊の懐に、人類のスパイをひとり送るという奇策だった。航空宇宙エンジニアの程心(チェン・シン)はその船の推進方法を考案。船に搭載されたのは彼女の元同級生・雲天明(ユン・ティエンミン)の脳だった……。太陽系が潰滅したのち、青色惑星(プラネット・ブルー)で程心の親友・艾(アイ)AAと二人ぼっちになった天明は、秘めた過去を語り出す。三体艦隊に囚われていた間に何があったのか? 『三体III 死神永生』の背後に隠された驚愕の真相が明かされる第一部「時の内側の過去」。和服姿の智子が意外なかたちで再登場する第二部「茶の湯会談」。太陽系を滅ぼした〝歌い手〟文明の壮大な死闘を描く第三部「天萼」。そして――。
《三体》の熱狂的ファンだった著者・宝樹は、第三部『死神永生』を読み終えた直後、喪失感に耐えかねて、三体宇宙の空白を埋める物語を勝手に執筆。それをネットに投稿したところ絶大な反響を呼び、《三体》著者・劉慈欣の公認を得て、《三体》の版元から刊行されることに……。ファンなら誰もが知りたかった裏側がすべて描かれる、衝撃の公式外伝(スピンオフ)。
また、本日にはうれしいお知らせもあります!!!
『三体X 観想之宙』発売はいよいよ明後日、7月6日(水)!!