BLM運動で揺れるアメリカの新鋭作家が放つ、差別の構造を浮き彫りにするクライム・ノヴェル『白が5なら、黒は3』(ジョン・ヴァーチャー/関麻衣子訳)
早川書房では、2月3日にアメリカの作家ジョン・ヴァーチャーの長篇デビュー作『白が5なら、黒は3』(原題 Three-Fifths)を刊行します。
装幀:水戸部功
著者デビュー作ながら、アンソニー賞、レフティ賞、エドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)の最優秀新人賞の候補になり、《シカゴ・トリビューン》や《ガーディアン》でベストブックにノミネートされたほか、人種問題を深く理解する上で必須のクライム・フィクションとして高評価を得た作品です。
●あらすじ
1995年、ピッツバーグ。О・J・シンプソン事件の裁判の行方が全米で注目され、人種間の緊張が高まるなか、青年ボビーは秘密を抱えていた。
それは、白人として生きる彼に黒人の血が流れていること。
その彼の前に、白人至上主義者に変わり果てた旧友アーロンが現れ、ある黒人青年に対し傷害事件を起こす。期せずして旧友の逃走に手を貸してしまったボビーは捜査に怯え、さらには出自をアーロンに悟られまいと苦悶する。
そんなとき、黒人である死んだはずの父親が姿を現しーー。
人種問題の核に迫るクライム・ノヴェル。
●著者 ジョン・ヴァーチャー
©Rachel Kathryn Photography. Rachel Keith
アメリカ、フィラデルフィア在住の作家。長篇デビューとなる本作は、
エドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)をはじめ、
アンソニー賞、レフティ賞の新人賞にノミネートされた。
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自身に黒人の血が流れているという事実を隠すしか
恐怖から逃れる方法がなかった青年と
その周囲の人々の葛藤を描いた『白が5なら、黒は3』。
早川書房より、好評発売中です。
書名:『白が5なら、黒は3』
著者:ジョン・ヴァーチャー 訳者:関麻衣子
2021年2月3日発売/ポケット判246頁/ISBN:978-4-15001964-8