書店員さんから絶賛の声続々! 世界に誇る大河警察小説シリーズ最新作 月村了衛『機龍警察 白骨街道』8月18日刊行
吉川英治文学新人賞や日本SF大賞などさまざまな賞に輝く機龍警察シリーズ。その最新作である『機龍警察 白骨街道』がついに8月18日に刊行されます。
刊行に先立ち、書店員さんの感想を2回に分けて公開します!
■書店員さんの感想
混迷極まりない2020年代を確かに捉えた、いま先頭に立つ警察小説と冒険アクションとは? その答えを、本作に見ました。
ミャンマーの紛争地域と京都の裏社会がつながる犯罪の構図。
先の先の先を読み合うような特捜部VS〈敵〉との火花散る相克。
プロフェッショナルの戦術と心理を活写した見事な活劇場面。
シリーズの大きな転換点となる衝撃の展開。
そして、「人間」という、底の知れない、つかみ切れない存在を強く印象付ける真相とラストシーン。現代を熱く鮮烈に射抜くためにエンタテインメントが目指すべきクオリティと見据えるべきヴィジョン。月村さんがお考えになっているであろうそれらが、本作にはこれまで以上に強くはっきりと見えるように感じました。
(ときわ書房本店 宇田川拓也さん)
ミャンマー情勢、ロヒンギャ問題にまで切り込んだ本作は圧倒的な戦闘シーン、その描写で私をその地へ連れて行った。一人一人と殺戮の罠にはまっていき、誰が犯人かぞくぞくしながら読む手が止まらなかった。
白骨街道、インパール作戦、失敗の死の作戦で背負ったものと現在の私たちが真実を見なければならない社会がつながる。誰もが姿のように強靭でない、しかし、いつこのような憂き目、危機にみまわれるかもしれない。人間って権力の甘い罠に魅せられたらこうも腐敗してしまうのか。パートパートにより絡み合った読みどころがすべてエンターテイメントに満ちていて、そして心を喜び、悲しみ、怒りに揺らされ続ける。
この世界を知ってしまったら、もうこのシリーズのとりこ。続編も早く読みたい。
(ジュンク堂書店滋賀草津店 山中真理さん)
壮大なフィクションでありながら、「圧倒的な臨場感でノンフィクションの様な世界に一気に引きずりこまれる快作!」という感じです。
白骨街道のサブタイトルはやはり戦時中の日本軍の事でしたが、ミャンマーと京都・日本の政界・警察などそれぞれに魑魅魍魎が蠢いていて権力者が
弱者の築いた白骨の上を悠々と歩いている感じがして決してフィクションとは割り切れない部分が多々ありました。
(三省堂書店名古屋本店 奥野純司さん)
■書誌情報
『機龍警察白骨街道』月村了衛
ハヤカワ・ミステリワールド 四六判上製単行本
本体価格:2090円(税込)
ISBN:978-4-15-210045-0
予定ページ数:444ページ前後(編集中)
刊行予定日:2021年8月18日
〈内容紹介〉
国際指名手配犯の君島がミャンマー奥地で逮捕された。日本初となる国産機甲兵装開発計画の鍵を握る彼の身柄引取役として官邸は警視庁特捜部突入班の三人を指名した。やむなくミャンマー入りした三人を襲う数々の罠。沖津特捜部長は事案の背後に妖気とも称すべき何かを察知するが、それは特捜部を崩壊へと導くものだった……傷つき血を流しながら今この時代と切り結ぶ大河警察小説、因果と怨念の第6弾。