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『死刑にいたる病』の著者が放つ新たなるシリアルキラー・サスペンスの金字塔『氷の致死量』待望の文庫化👁👁

白石和彌監督、阿部サダヲさん・岡田健史(水上恒司)さんW主演で大好評を博した2022年5月公開映画「死刑にいたる病」👁👁
櫛木理宇さんの同名原作本は、累計26万部を突破。今年に入ってもなお重版がかかり、ベストセラーとしてなおその勢いは止まらない。

そして本日、その櫛木理宇さんが放つ新たなるシリアルキラー・サスペンスの金字塔『氷の致死量』が待望の文庫版で発売した!

『氷の致死量』パネル

【あらすじ】
私立中学に赴任した教師の鹿原十和子(かばら・とわこ)は、自分に似ていたという教師・戸川更紗(とがわ・さらさ)が14年前、殺害された事件に興味をもつ。更紗は自分と同じ無性愛者(アセクシャル)ではないかと。一方、街では生まれついての殺人鬼・八木沼武史(やぎぬま・たけし)が“ママ”を解体し、その臓物に抱かれていた。更紗に異常に執着する彼の次の獲物とは……殺人鬼に聖母と慕われた教師は、惨殺の運命を逃れられるのか?『死刑にいたる病』の著者が放つ、傑作シリアルキラー・サスペンス! 解説/大矢博子

『氷の致死量』表紙

本当に、帯の通り、本書は、数ある櫛木作品の中でも屈指のグロ場面が出てくる。耐性のない方はご注意されたし!
マザコン殺人鬼・八木沼武史の八面六臂の活躍から目が離せない!!初登場ではドン引きの残虐非道ぶりを見せる八木沼だが、なぜかだんだん応援したくなってしまう、奇妙で愛しいキャラクターなのだ。出た櫛木マジック!

一方で、本書は、前の学校で遭った事件のせいでトラウマを抱え、自分がアセクシャルであることと家族との関係に思い悩む中学教師・鹿原十和子の、成長物語でもある。タイトルにもある「氷」は、十和子が夫から投げつけられた心無いひとことに由来している。14年前に学園で起きた、何者かによる十和子にそっくりの教師の惨殺事件に興味をひかれて調べていくうちに、いろいろなセクシャリティに触れ、さらに、十和子の身にも魔の手が迫るのだが、事件を通して自分が自分であることに目覚めていくのだ。めっちゃハートウォーミング! ……(あくまで当社比です)。

この八木沼と十和子の運命が交錯したとき、驚愕の真実が明かされる!(ババーン!!!)

文庫化に際してついた大矢博子さんの解説がまたすごい!
「櫛木理宇が加速している」から始まる、櫛木理宇の作家論、決定版と言うべき、熱い(そして厚い)文章で、過去作から作家としての特徴、進化をひもとき、それらが結実した作品〈ザ・櫛木理宇〉として、本書を紹介している。たいへんな読み応えなので、ぜひ単行本で本書を既読の方にも、お読みいただきたい!

『氷の致死量』文庫解説

もちろん文庫化を心待ちにされていた方も多いと思います。
ずっと前から櫛木さんのファンの方にも、『死刑にいたる病』で知ったよという方にも、全力でおすすめする本書。この文庫化を機に、いかがでしょうか。

書誌情報
氷の致死量
櫛木理宇(著)
ハヤカワ文庫JA/定価990円