七王国の玉座上

海外ドラマの最高峰「ゲーム・オブ・スローンズ」原作 至高の異世界戦史 ジョージ・R・R・マーティン 〈氷と炎の歌〉

 ジョージ・R・R・マーティンによる現代最高の異世界戦史〈氷と炎の歌〉。2011年よりドラマ化作品ゲーム・オブ・スローンズの放送が開始され、全世界で人気が沸騰。累計7000万部突破のベストセラー・シリーズとなった。ドラマはこれまで7シーズン・全67話が制作されエミー賞最多受賞など高い評価を受けている。この度、ついに amazon Prime Videoでも1~6シーズンの配信が開始された。吹替版字幕版

 第1部七王国の玉座から第5部竜との舞踏まで、全12巻にわたって展開される一大叙事詩〈氷と炎の歌〉の壮大な世界を1部から3部までご紹介する。

■第1部『七王国の玉座』


 舞台は中世イギリスの薔薇戦争を思わせる異世界。季節が不規則にめぐるこの世界では、もう長いこと穏やかな夏が続き、確実に近づきつつある厳しい冬の訪れを人々が漠然と予感している。統一国家〈七王国〉では、かつて絶対的支配を誇った古代王朝ターガリエン家が倒されて以来、新王ロバート・バラシオンが支配権を握った。だが享楽的な王の不安定な統治のもと、あまたの貴族たちが権力を狙ってうごめいていた。
 北の国境地帯を守り、静かに暮らしていた領主スターク家の夫妻と6人の子供たちも、覇権を巡る争いの渦を免れなかった。領主である父エダードが王の補佐役、〈王の手〉に任じられたのを機に、子供らまでが次第に覇権をめぐる陰謀に巻きこまれてゆく。11歳の長女サンサは王子ジョフリーとの婚約に舞い上がっているが、残虐な王子の本性に気づいていない。7歳の次男ブランはある男女の逢瀬をかいま見たために塔から突き落とされ、昏睡状態に陥る。
 エダードが〈王の手〉への任命を受諾したのは、親友である王の求めに応じる意味もあったが、王都キングズ・ランディングに赴任し、ひそかに前任者アリン公の謎の死を探るためでもあった。しかし、都までの旅路で起きた次女アリアによる王子への傷害事件のため、権力を握る王妃との関係が悪化。陰謀渦巻く宮廷で、親子は次第に立場を危うくしていく。
 同じころ、昏睡状態のブランを剣を帯びた刺客が襲う。ブランは飼っている大狼(ダイアウルフ)の助けで難を逃れたものの、誰がなんのために彼を襲うのか? エダードの妻キャトリンは、刺客の武器が王妃の弟である〈小鬼(インプ)〉ことラニスター家のティリオンのものと聞かされ、彼を拉致した。
 この行動はラニスター家の怒りを買い、スターク家とラニスター家の対立は決定的となってしまう。都で〈王の手〉を務めるエダードは、アリン公の死にまつわる王妃の秘密にようやくたどり着くが、すでに陰謀と戦いの火の手は彼を取り巻いていた!
 戦火に揺れる七王国だが、南北からも危機が迫りつつある。遠く離れた南の平原では、古代王朝ターガリエン家の末裔デナーリスが騎馬民族を率いて王位奪還のため蜂起していた。彼女は多くの犠牲と引き換えに、滅びて久しかったドラゴンの卵を孵すことに成功する。また。エダードの私生児ジョン・スノウは生涯を〈壁〉での国境警備に捧げる〈冥夜の守人(ナイツ・ウォッチ)〉に入隊していた。極北の地で彼が見たものは、得体の知れぬ不死の存在〈異形(ジ・アザー)〉が闊歩する姿だった。

■第2部『王狼たちの戦旗』


 血と炎に彩られた時代の到来を宣するかのように、いつしか七王国の空に真っ赤に輝く彗星が現われた。前王ロバートの死後、王都では少年王ジョフリーが玉座に就いたものの、前王のただ二人の血縁である弟、スタニスとレンリーがそれぞれに貴族の後押しを得て蜂起し、また北方を統べるスターク家の長男ロブも、謀反人の汚名を着せられ処刑された父の復讐を求めて立ち上がった。七王国は諸家に分断され、国土は戦いと略奪で荒廃し、政情は混乱を極める。
 スターク家の子供たちも、それぞればらばらに離散し過酷な運命に曝されていた。15歳の長男ロブは、〈北の王〉として蜂起したものの、老獪な対立諸公に手玉に取られている。長女サンサは少年王ジョフリーの婚約者の名目で、王宮で人質生活に耐えている。次女アリアは王宮を脱走し、少年の姿に身をやつして故郷ウィンターフェルへの帰還を目指す。半身不随の次男ブランは、戦いに旅立った兄の代理としてウィンターフェルを守っていたが、かつて兄弟のように育ったシオン・グレイジョイが指揮をとる鉄(くろがね)諸島人の攻撃に城を奪われ、北部の森をさまよう逃亡生活に入る。そして、〈冥夜の守人〉の一員として〈壁〉の防御にあたる私生児ジョン・スノウは、蛮族の動向を探る遠征隊に参加し、極北の地へ赴く……
 やがて玉座を巡る争いは、南方から伝わった異教の呪いを用いた前王の弟スタニスと、少年王ジョフリーを擁する王宮のラニスター家との決戦に委ねられる。都に面した湾を埋めつくすスタニスの大船団と、〈王の手〉となった〈小鬼〉ティリオンが打った大胆な秘策が激突する!

■第3部『剣嵐の大地』


 都を火の海にした決戦(巻き上げ機の塔の戦い)から一夜明け、七王国は一応の王権の安定をみた。ラニスター家の本格的な統治が始まったのだ。王位争奪の大戦争に勝利し、太后サーセイの父である老獪なタイウィン公を〈王の手〉に迎え、少年王ジョフリーと南部の大家タイレル家の当主の娘との政略結婚を決めて、ラニスター家の権勢はとどまるところを知らない。だが、スターク家との確執は続いている。タイウィン公はラニスター家の支配を確たるものにすべく、ロブを亡き者にする陰謀を巡らせていた……
 いっぽう、これを劣勢で迎えうつスターク家には、これまで以上に過酷な運命が訪れていた。子どもたちの母キャトリンは、〈北の王〉こと長男ロブに付き従っているが、その悲しみはとどまることを知らない。宮廷に囚われたままの長女サンサの消息は不明で、次女アリアもエダードの処刑以来行方知れず。しかもロブとともに南に進軍している隙に、北の所領ウィンターフェルは西の鉄諸島から襲ったグレイジョイ家に占拠され、幼い次男ブランと三男リコンは処刑されたというのだ。しかしそのブランとリコン、そして行方不明のアリアは、運命に翻弄されつつもそれぞれ逃げのびて身を隠していた。
 また、第2部での〈冥夜の守人〉の偵察隊を離脱し、間諜として蛮族〈野人〉に同行したジョン・スノウの周りでも異変が起きていた。厳寒の山岳地帯で野人たちは〈異形〉たちにひどく怯え、それゆえに国境の南に攻め込もうとしていたのだ。かれらが異形をそれほど恐れるのはなぜなのか? さらに、海の向こう、はるか南で七王国の玉座を奪還せんと行軍をつづけるデナーリスは、三匹のドラゴンに加え、強大な軍団を得ることになるのだった……

★《氷と炎の歌》主要登場人物紹介

エダード(ネッド)・スターク
ウィンターフェル公で北部総督。キャトリンとの間に、ロブ、サンサ、アリア、ブラン、リコンの5人の子がおり、また私生児の息子であるジョン・スノウがいる。のちの七王国王ロバート・バラシオンとともに、高巣城のジョン・アリンのもとで育ち、アリン公を父のように尊敬し、ロバートを終生の友と思うようになった。〈王の手〉だったジョン・アリンが急死した後、ロバートに請われて〈王の手〉となり、ウィンターフェルを離れ王都キングズ・ランディングへ赴く。

キャトリン・スターク
タリー家の長女に生まれ、スターク家のエダードに嫁ぐ。三男二女をもうける。〈王の手〉となったエダードにラニスター家を陰謀を伝えるため、王都へと向かう。

ロブ・スターク
スターク家の長男。エダード亡きあと、スターク家の当主となった若き〈北の王〉。すべての合戦に無敗だが、政治的に未熟な王。グレイウィンドと名付けた大狼(ダイアウルフ)に守られる。

サンサ・スターク
スターク家の長女。王都で人質同然の生活をしている。サンサの大狼は、ジョフリーを傷つけたとの濡れ衣で殺された。

アリア・スターク
スターク家の次女。姉のサンサと正反対の性格で、戦いに魅了され剣士としての訓練を積む。彼女の大狼は、ジョフリーを傷つけたため追放された。

ブランドン(ブラン)・スターク
スターク家の次男。ウィンターフェル城の塔に登って遊んでいる際に、あるものを見てしまったことから、塔から転落させられ、半身不随となる。サマーと名付けた大狼の身体に魂を移して行動することができる。

リコン・スターク
スターク家の兄妹の末子。次兄ブランと行動をともにする。シャギードッグと名付けた大狼に守られている。

ジョン・スノウ
スターク家の故エダード公の私生児。エダードが〈王の手〉として王都へ赴く際、〈壁〉へと向かい、〈冥夜の守人(ナイツ・ウォッチ)〉の一員となった。ゴーストと名付けた白子の大狼に守られている。

サムウェル・ターリー
〈冥夜の守人〉隊員。鴉の世話係として、〈壁〉の北側への遠征に参加する。ホーンヒルのランディル公の後継者だったが、放逐された。

ロバート・バラシオン
七王国の王。サーセイの夫。〈ロバートの反乱〉でバラシオン家を破り、玉座につく。父のように慕うジョン・アリンを〈王の手〉に任命し、統治はアリンに任せた。アリンの急死後は、親友であるエダード・スタークを〈王の手〉に迎える。狩猟時に負った怪我がもとで死亡する。

サーセイ・バラシオン
ロバート・バラシオン王の妻。ロバートの死後は、少年王ジョフリーの母として王国の実権を握る。双子の弟ジェイミーを子どもの頃から愛し、弟ティリオンを嫌悪している。

ジェイミー・ラニスター
サーセイと双子の、〈王の盾(キングズガード)〉総帥。ターガリエン家の最後の王である狂王エイリス二世を殺したため、〈王殺し(キングスレイヤー)〉と呼ばれる。

ティリオン・ラニスター
醜い顔立ちで矮躯だが知略に長ける人物。第2部では〈王の手〉として七王国の財政の立て直しや、王都での決戦で奇策を用いるなどして尽力するが、民には邪悪な小人として憎まれている。

ジョフリー・バラシオン
ロバート王亡き後、バラシオン家を継ぎ、七王国の王となる。性格は傲慢で残酷。実は太后サーセイと双子の弟ジェイミーとの間の子である。

タイウィン・ラニスター
七王国で最も裕福なラニスター家の当主。双子のサーセイとジェイミー、小人のティリオンの三人の父。権謀術数に長け、老獪な人物。サーセイが実権を握ってからは、〈王の手〉として手腕をふるう。

デナーリス・ターガリエン
古代王朝ターガリエン家の末裔。騎馬民族ドスラク人の王カール・ドロゴと結婚し、彼らを率いて七王国に帰還すべく、奇怪な妖術や怪異が渦巻く南方の国々を旅している。その人生において三度裏切られると予言されている。

ヴィセーリス・ターガリエン
デナーリスの兄。古代王朝ターガリエン家の最後の王エイリス二世の次男として生まれ、ロバート・バラシオンの反乱の際、妹のデナーリスとともに〈狭い海〉を渡り自由都市をさまよった。

カール・ドロゴ
ドラスク族の長であり、デナーリスの夫。ドラスク族の軍を得ようとしたヴィセーリスによりデナーリスと引き合わされ結婚する。

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