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【ディック感覚に溺れて夢を見るか?】☆HAYAKAWA FACTORY☆アメリカSFの巨匠「フィリップ・K・ディック特集」

「“永遠の名作” の商品化」がコンセプトの早川書房・公式グッズ・レーベル HAYAKAWA FACTORY(ハヤカワファクトリー)。今回はTシャツ・シリーズが大人気のフィリップ・K・ディックを全力投球で特集します!!


1️⃣ フィリップ・K・ディックってどんな人?


「現代で最も重要なSF作家の一人」といわれる、SF界の鬼才
本名:フィリップ・キンドレッド・ディック(Philip Kindred Dick)
[1928年12月16日ー1982年3月2日]アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ出身

もともとは純文学作家を志していましたが、紆余曲折を経て1952年に『ウーブ身重く横たわる』(『アジャストメント』収録)で、SF作家として商業誌デビューしました。55年の長編『太陽クイズ偶然世界』が注目され、その後矢継ぎ早にSF作品を発表。63年に『高い城の男』でヒューゴー賞、75年には『流れよ我が涙、と警官は言った』によってジョン・W・キャンベル記念賞、78年に『暗闇のスキャナースキャナー・ダークリー』で英国SF協会賞を受賞しています。
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2️⃣ ディックの代表作は?


最も知名度が高いのは、アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
ハリソン・フォード主演の映画「ブレードランナー」の原作

内容は知らなくても「タイトルは知ってる」という人も多い、超有名作品。よく見る「○○は××の夢を見るか?」のパロディは、これがもとネタです。

映画は観たけれど小説を未読の方は、小説はぜひご一読あれ! ペンフィールド情調オルガン、共感(エンパシー)ボックス、マーサー教等々、SFガジェット満載でディック的世界にどっぷり浸れます。
大雑把にいうと、映画は「アンドロイドvs人間」を描いた名作でしたが、小説は「アンドロイドと人間の違い」がテーマ。映画と小説は結構内容が違うので、SF好きなら一度は読んでほしい傑作です。


人によってラインナップが違う、ディックの代表作
ディックは、受賞作=代表作とは限らず、ラインナップは人によって異なります。よく名前が挙がるのは、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』『ユービック』『流れよ我が涙、と警官は言った』『高い城の男』。他にも『火星のタイム・スリップ』や『トータル・リコール』『ヴァリス』なども最高傑作とされることの多い作品です。
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3️⃣ ディック作品の特徴 


作品のテーマは「現実の不確かさ」と「アイデンティティークライシス」ディック作品は、(たとえば、政治的な陰謀や“信頼できない語り手”の変化などによって)現実だと思っていたものが崩れ、自分が何者かわからなくなっていくという現実の崩壊とアイデンティティの危機が主題。
この「現実が崩壊していく悪夢のような感覚(通称、ディック感覚)」が、ディック作品の最大の特徴です。このディック感覚に加えて「本物と偽物、現実と幻想」の対比等も、作品に共通する特徴といえます。

4️⃣ ディック作品に触れてみる!

❶ ディック作品を「読む」:ハヤカワSF文庫と電子書籍

ディックは、その生涯で長編44作品と短編約121作品を執筆した非常に多作な作家。現在、早川書房刊行で入手可能なのは、以下の30作品です。この「ディック・シリーズ」の装丁担当は、アートディレクター土井宏明さん。
どれも、印象的なグラフィックが目を引くカッコイイデザインです。

※どーんと30冊まとめて表紙一覧(ハヤカワSF文庫)。全て電子書籍化されています!

  🔗作品情報一覧は、「30冊がまとまった表紙一覧」画像をクリック!


❷ ディック作品を「聴く」:オーディオブック

ディックファンも、挫折した人も、SF初心者も
プロのナレーターや声優が朗読した本「オーディオブック」。朗読は、地の文と会話文の声色が使い分けされていたりと、作品に紙の本とは違った立体感があります。そのためディック特有の「面白いけれど難解」な物語の背景がイメージしやすいという声も♪ SF好きだけどディックは途中で挫折したという人やSF初心者さんにも、オーディオブックは超おススメです。
また紙の本の再読としても新しい魅力が発見できるので、ディックファンにもお楽しみいただけます!

🎧SF好きだけど挫折した人におススメ! のディックのオーディオブック
『ユービック』

“SF好きだけど挫折した人”のディック作品のイメージは、「SF好きを喜ばすギミックが盛りだくさん(で、ついていけない)」ではないでしょうか。『ユービック』にももちろんSF的ギミックは使われていますが、それよりも「超能力者vs反能力者」といった娯楽要素が強く、「エスパー」「未来予知」「テレパス」など、それが何であるかイメージしやすい世界観となっています。ゲームっぽい、ジ●ジ●っぽいという人もちらほら。ものすごーく面白い作品なので、ぜひ一度聴いてみてくださいね☆


🔰SF初心者さんにおススメ! のディックのオーディオブック
 短編集『トータル・リコール』

SFは専門用語がいっぱいで取っ付きにくいもの。「少しでも知っている」作品だとハードルがぐんと下がるので、SF初心者さんには、映画化された短編がおススメです。ただし超有名作品だからと『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』などの長編から挑戦するのは、ちょっと無謀。最初は一気に読める短編が◎。ディックは卓越したアイディアで物語を紡ぐ短編の名手なので、純粋に面白いというのもあります。なかでも短編集『トータル・リコール』には表題作のほか『マイノリティー・レポート』(ともに同名映画の原作)も収録されているので、入門書としてどうぞ♪


🌟ディックファンにおススメ! のオーディオブック
  『市【まち】に虎声【こせい】あらん』

没後25年にして出版されたディックの処女作。SF作家に転身前の純文学作品です。訳者はなんとジャーナリストの阿部重夫さん(解説「ディックのバイオグラフィー」は、必読です!)。SF作品ではありませんが、主人公の造形等にその後のSF作家ディックの原点が感じられます。ディックファンには、ぜひ読んでもらいたい一冊です!


❸ ディック作品を「着る」:HAYAKAWA FACTORYのTシャツ&ポケットレスパーカー

✴HAYAKAWA FACTORYのTシャツ
【Tシャツ選びの3大ポイント】である ①よれない ②透けない ③長持ちするを兼ね備えた綿100%(5.6oz生地)です。1枚で着ても、カッコよく決まるボックスシルエット。サイズは、「XL」をご用意しています。首元は洗濯後も伸びにくい「ダブルステッチ」仕上げ。縫い目のない「丸胴仕様」なので着心地も抜群です♪ 

✴HAYAKAWA FACTORY 10月新商品
待望の新アイテムの登場です。フードは二枚生地仕立て。立体感のあるシルエットで、後ろ姿もカッコよくキマります♪


ハヤカワファクトリーのディックグッズはこちら↓


➰こぼれ話

✴ 映画化されたディック作品

ディックの人気に火が付いたのは、何といっても82年の『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の映画化。SFの定番的内容を独特の世界観で描くディック作品は、映画との相性が良く多くの作品が映画になっています。

有名なところでは、先ほど触れたブレードランナー(1982年)【原作:『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』】、トータル・リコール(1990年)【原作:『トータル・リコール』(旧題:『追憶売ります』)】、マイノリティ・リポート(2002年)【原作:マイノリティ・リポート(短編集『トータル・リコール』に収録)』(旧題:『少数報告』)】、スキャナー・ダークリー(2006年)【原作:『スキャナー・ダークリー(旧題:『暗闇のスキャナー』)】など。ご覧になったことがある作品は、あったでしょうか。

✴ フィリップ・K・ディック賞

アメリカのSF文学賞。ディックの功績からディックの名を冠して設立されたSF文学賞。他界の翌年につくられました。彼がその作品の多くをペーパーバックとして出版したことから「アメリカでペーパーバック・オリジナルで刊行された作品」(日本でいうところの文庫オリジナルで出た作品、単行本は出ていない) のみが対象となっています。
◎日本人作家の受賞者も! ➡ 伊藤計劃『ハーモニー』(2011年)
               円城塔『Self-Reference ENGINE』(2014年)

 🔗作品情報は、『下線付きタイトル』をクリック!


フィリップ・K・ディックは、その独創的な世界観が唯一無二の魅力を放つSF作品を、私たちにたくさん残してくれました。
そんなキラキラ輝く彼の作品の魅力を「できるだけ多くの人に伝えたい!」との願いを込めた「フィリップ・K・ディック特集」。「読む」「聴く」「着る」お好みの方法で、ぜひぜひ作品に触れてみてくださいね!


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