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各賞ノミネートのサスペンス! 殺人にハマってしまった夫婦を描く『殺人記念日』好評発売中!

ハヤカワ・ミステリ文庫より『殺人記念日』(サマンサ・ダウニング著/唐木田みゆき訳)が発売となりました。
エドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)ほか、英国推理作家協会賞、国際スリラー作家協会賞、マカヴィティ賞など各最優秀新人賞にノミネートした気鋭の新人のデビュー作です。

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◎オフビートすぎるあらすじ

本作の語り部は郊外のカントリークラブでテニスコーチを勤める「わたし」。不動産業をしている妻ミリセントと、ふたりの子供たちともに平穏ながらもぱっとしない暮らしを送っていた彼ですが、妻の姉ホリーとトラブルとなり、ついテニスのラケットで撲殺してしまいます。

自宅の居間に死体が転がっているのはまずいので「わたし」とミリセントは頑張って死体を処分します。ところがホリーの失踪をタネに夫婦を強請ろうとする女性が来訪。こんどはミリセントがワッフルパンで彼女を撲殺します。二人もの人間を手に掛けてしまった夫婦ですが……

そこにはときめきがあった。

なんと殺人の「ときめき」に憑かれてしまった「わたし」とミリセント。彼らは自発的に殺人を計画・獲物を探すようになり、リンジーという女性を誘拐して殺害しました。

それから一年、あらたな獲物を物色中の「わたし」はあるニュースを聞いて仰天します。リンジーの死体が警察に発見されたのです。しかも彼女は死後数週間しかたっていませんでした。一年前に処分を任せたはずのミリセントを問い詰めると、実はつい最近までリンジーを監禁し拷問を加えながら生かしておいたことを告白します。どうしてこのタイミングで警察に見つけさせたんだと問う「わたし」にミリセントはこう答えます。

「わたしたちの記念日だから」
「結婚記念日は五カ月前だ」
「その記念日じゃないの」
 知っているはずのことでへまをしたくないので、わたしは考える。こういうことは覚えているのが当たり前だ。
 突然わかる。「一年前にリンジーを選んだ。ふたりで決めたね」
 ミリセントが顔を輝かせる。「そうよ。そして彼女が発見されるその日まで一年」

何言ってんだこの人……。さらに彼女はリンジーを監禁・拷問していた理由はオーウェン・オリバー・ライリーの手口を模倣するためと説明します。オーウェンはかつてこの地域で何人もの人を手に掛けたとされる伝説の殺人鬼。リンジーの死体が発見されたのはオーウェンの最後の殺人からちょうど十八年目でした。彼女は自分たちの罪をオーウェンに着せようとしていたのです。


「でも、なぜ話してくれなかったんだ。一年ものあいだ」
「あなたをびっくりさせたかったの」ミリセントが言う。「わたしたちの記念日に」
 わたしは見つめる。いとしい妻を。
「イカレてるな」
 彼女が片眉をあげてわたしを見る。何か言われないうちに、わたしは彼女の唇に指を当てる。
「そして、最高にすばらしい」と言う。
 ミリセントが体を寄せ、鼻の頭にキスをくれる。

何言ってんだこいつら……。かくして伝説の殺人鬼に罪をなすりつけようとシリアルキラーの夫婦による画策が始まります……。ここから先のツイストに満ちた展開は是非本書をお手に取ってお確かめください!

◎ニコール・キッドマン製作で映像化企画が!

米アマゾン・スタジオとオスカー女優ニコール・キッドマン率いる製作会社ブロッサム・フィルムズによるプロデュースで映像化のニュースも報道されています。ミステリ・ドラマ『ビッグ・リトル・ライズ』のプロデュースで高い評価を得たニコール・キッドマンだけに期待が高まりますね!

【書誌情報】

■タイトル:『殺人記念日』
■著訳者:サマンサ・ダウニング著/唐木田みゆき訳 
■本体価格:1,260 円(税抜) ■ISBN: 9784151844515
■レーベル:ハヤカワ・ミステリ文庫
※書影等はAmazonにリンクしています

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