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【6月19日発売】野崎歓氏、絶賛!アフリカ文学の最先端にして、英国最高峰ブッカー賞受賞作『約束』(デイモン・ガルガット/宇佐川晶子訳)

2021年のブッカー賞受賞作『約束』(デイモン・ガルガット/宇佐川晶子訳)が6月19日に発売となります。
 本作は、南アフリカ出身の作家としてはナディン・ゴーディマー、J・M・クッツェーに続く三番目のブッカー賞受賞となるデイモン・ガルガットの小説です。アパルトヘイト撤廃以前と以後で大きく変化していく南アフリカを舞台に、アフリカーナーの一家とその黒人メイドの間に交わされた「約束」をめぐる物語です。
 1シーンで、多い時にはなんと5人も視点がかわってしまう(!)にもかかわらず、浮遊しているかのようになめらかな神の視点で語られていく、独特の文体が特徴的。
フランス文学者の野崎歓による解説も収録の、見逃せない一冊です。

装画=Alexander Levetan
装幀=山田和寛+竹尾天輝子(nipponia)


●あらすじ

アパルトヘイト以前・以後――
社会変革の渦中で激動する「奇跡の国」南アフリカ。
プレトリアで農場を営む白人のスワート一家と
その黒人メイドとの間に交わされた土地をめぐる約束が、
30年以上にわたり一家の運命を翻弄する。

●評価

「過去を水に流すことのできない人びと」とともにあること。それが文学にとっていかに大切なことかを実感させてくれる小説(本書解説より)──野崎歓(フランス文学者)

この世界に真の正義は存在するのか──デイモン・ガルガットは南アフリカの歴史と人類そのものに対して、そう問いかける。この問いへの本作の向き合い方こそ、賞にふさわしい達成である──チゴズィエ・オビオマ(小説家、ブッカー賞選考委員)

●著者について

©Michaela Verity

1963年、南アフリカ・プレトリア生まれ。小説家、劇作家。ケープタウン大で演劇を学びながら、17歳という若さで小説家デビュー。その後、『The Good Doctor』、『In A Strange Room』(どちらも未訳)でそれぞれブッカー賞の最終候補に選出。第九作目となる本書『約束』が2021年のブッカー賞を受賞。ナディン・ゴーディマー、クッツェーにつづく、南アフリカ出身の作家で3番目のブッカー受賞者となった。ケープタウン在住。

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