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2023年ピュリッツァー賞フィクション部門受賞! 『トラスト―絆/わが人生/追憶の記/未来―』(エルナン・ディアズ/井上里訳)5月26日発売のお知らせ

5月8日、2023年のピュリッツァー賞受賞作が発表され、早川書房から5月26日に刊行予定『トラスト―絆/わが人生/追憶の記/未来―』(エルナン・ディアズ/井上里訳)がフィクション部門を受賞しました。ピュリッツァー賞フィクション部門といえば、過去にはコーマック・マッカーシー『ザ・ロード』コルソン・ホワイトヘッド『地下鉄道』ヴィエト・タン・ウェン『シンパサイザー』ジェニファー・イーガン『ならずものがやってくる』など、名作ばかりが受賞してきた文学賞です。『トラスト―絆/わが人生/追憶の記/未来―』も、発売直後から数多くの媒体のベストブックに名を連ね、オバマ元大統領の推薦図書に入ったり、カーカス賞ジョン・アップダイク賞を受賞したりと話題になっていた小説です。

あらすじ
1920年代、ニューヨーク。
投資家ベンジャミン・ラスクは、冷徹無慈悲な読みでニューヨーク金融界の頂点に登り詰める。
一方、妻のヘレンは社交界で名声をほしいままにするが、やがて精神に病をきたす。
一世を風靡した夫妻の、巨万の富の代償とは一体何だったのか――。
こうして1937年に発表され、ベストセラーとなった小説『絆』

しかし、ここに描かれた大富豪夫妻には、別の記録も存在していた。
『絆』への反駁として大富豪が刊行しようとした自伝『わが人生』
『わが人生』を代筆した秘書の回想録『追憶の記』
そして、大富豪の妻の死後発見された日記『未来』
夫妻を全く異なる視点から描く四篇を読み進めるうち、浮かび上がる真実とは……。

(原書ペーパーバック書影)
(原書ハードカバー書影)
🄫Pascal Perich(禁転載)

エルナン・ディアズ Hernan Diaz
1973年、アルゼンチン生まれ。その後スウェーデンに移り、ニューヨーク大学で博士号を取得した。2017年に発表したデビュー作 In the Distance(未邦訳)はピュリッツァー賞とPEN/フォークナー賞の最終候補となり、パブリッシャーズ・ウィークリーの年間ベスト10に選ばれた。2作目となる本書はニューヨーク・タイムズ・ベストセラーとなり、カーカス賞とジョン・アップダイク賞をダブル受賞、ブッカー賞候補にもなった。2023年にはピュリッツァー賞を受賞。ニューヨーカー、タイム、エスクァイアなど、多くの媒体のベストブックに輝き、オバマ元大統領の2022年のベストブックの一つとなった。著者の作品は、34言語での翻訳が決定している。ニューヨーク在住。