ベストSF2019&SF大賞最終候補! 伴名練「なめらかな世界と、その敵」試し読み
伴名練による初のSF短篇集『なめらかな世界と、その敵』が8月20日に発売されました。寡作ながら発表した短篇のほとんどが年刊日本SF傑作選に収録され、プロ作家・翻訳家からも高い評価を得ている逸材の傑作集! 書店完売が相次いで発売即5刷が決定した、いま最も読まれている1冊です。
【内容紹介】
いくつもの並行世界を行き来する少女たちの1度きりの青春を描いた表題作のほか、脳科学を題材として伊藤計劃『ハーモニー』にトリビュートを捧げる恋愛小説「美亜羽へ贈る拳銃」、ソ連とアメリカの超高度人工知能がせめぎあう改変歴史ドラマ「シンギュラリティ・ソヴィエト」、未曾有の災害に巻き込まれた新幹線の乗客たちをめぐる書き下ろし「ひかりより速く、ゆるやかに」など、卓抜した筆致と想像力で綴られる全6篇。SFへの限りない憧憬が生んだ奇跡の才能、初の傑作集が満を持して登場 。
●本書の印税はすべて京都アニメーション様に寄付されます。詳細はこちら
【収録作】
なめらかな世界と、その敵
ゼロ年代の臨界点
美亜羽へ贈る拳銃
ホーリーアイアンメイデン
シンギュラリティ・ソヴィエト
ひかりより速く、ゆるやかに
【著者紹介】
伴名練 Ren Hanna
1988年生まれ。京都大学文学部卒。2010年、大学在学中に応募した「遠呪」で第17回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞。同年、受賞作の改題・改稿版に書き下ろしの近未来SF中篇「chocolate blood, biscuit hearts.」を併録した『少女禁区』(角川ホラー文庫)で作家デビュー。近年は中短篇SFを中心に発表。本書収録の作品のほかに「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」 (ハヤカワ文庫JA『伊藤計劃トリビュート』収録)、「彼岸花」(同『アステリズムに花束を』)などがある。
イラストを手がけるのは『ib-インスタントバレット-』や『かぐや様は告らせたい』などで知られる大人気漫画家、赤坂アカ氏。10年代最後の、そして令和元年の今を生きる人たちへ向けた1冊です。
さらに、SFマガジン8月25日発売号&ウェブにて伴名練総解説を行ないます。大森望、小川一水、オキシタケヒコ、草野原々、倉田タカシ、坂永雄一、飛浩隆、酉島伝法、西崎憲、長谷敏司、樋口恭介、山岸真(敬称略)という第一線の方々による作品ガイドを掲載しています。
もう一度。本書は2010年最後の、そして令和最初の年、今を生きるあなたへ向けた1冊です。SFはもちろん、ジャンルやメディアを問わず、物語というものがお好きな方であれば、その醍醐味を存分に味わっていただけるはず。どうぞよろしくお願いします。