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【7月4日発売】現実が妄想に侵される異色のミステリ『ミセス・マーチの果てしない猜疑心』(ハヤカワ・ミステリ文庫)

早川書房はハヤカワ・ミステリ文庫より、2023年7月4日にヴァージニア・フェイト『ミセス・マーチの果てしない猜疑心』を刊行いたします。

ヴァージニア・フェイト『ミセス・マーチの果てしない猜疑心
翻訳:青木千鶴
定価:1,782円(税込) ハヤカワ・ミステリ文庫
刊行日:2023年7月4日(電子版同時発売)
カバーイラスト(コラージュ):Q-TA
カバーデザイン:albireo

ISBN:978-4-15-185551-1

◆あらすじ

人気作家の妻、ミセス・マーチは誰もが羨む幸福な日々を送っていた。
しかし、夫の新作小説の主人公である醜い娼婦は自分をモデルにしているという不名誉な噂により精神のバランスを崩してしまう。

誰もが私を馬鹿にしているにちがいない、
この家にはゴキブリがいるにちがいない、
世間を賑わす殺人犯の正体は夫にちがいない。

疑心暗鬼に取り憑かれたミセス・マーチが辿り着いた結末は?
現実が妄想に侵される異色のミステリ

◆みどころ

本書は刊行前から実力派女優エリザベス・モスの主演・プロデュースによる映画化が決定し、各所で大きな反響を呼んだ作品です。
刊行後も「ニューヨーク・タイムズ」や「ワシントン・ポスト」等で盛んに取り上げられ、各誌で高い評価を得ています。

主人公のミセス・マーチはアッパー・イースト・サイドに建つ高級アパートで優雅に暮らす「すてきな奥様」。家政婦の助けを借りつつ、人気作家である夫を支え、8歳の息子を育てる充実した日々を過ごしています。

ミセス・マーチは完璧な妻・母であると同時に、たいへんな虚飾家。
善い人間に見られようと、常に周囲を気にしています。
そんなある日、夫の新作小説に関する不名誉な噂を耳にします。
噂をきっかけに疑心暗鬼に陥ったミセス・マーチは、様々な「証拠」から夫は殺人犯だと確信し……

「信頼できない語り手」による物語は、ページをめくればめくるほど、読者を混乱の渦に引きずり込みます。
どこまでが現実で、どこからが妄想なのか。どうかその目でお確かめください。

◆著訳者情報

ヴァージニア・フェイト 著
スペイン生まれ。ロンドン大学クイーン・メアリー校で英語と演劇を、マイアミ・アド・スクールで広告学を修め、マドリードの広告代理店に勤務。
退職後に一年をかけて書き上げた本書『ミセス・マーチの果てしない猜疑心』で小説家デビューを果たす。マドリード在住。

青木千鶴 訳
白百合女子大学文学部卒,英米文学翻訳家
訳書『二流小説家』『ミステリガール』『用心棒』『続・用心棒』ゴードン,『エレベーター』レナルズ,『熊の皮』マクラフリン(以上早川書房)他多数