
「読むことの力と意味を感じる体験」「遠い異国の女性の生涯に圧倒的な親近感を覚えてしまう」「トルコに生きた全ての弱者や女性への思いに満ちている」『レイラの最後の10分38秒』レビューと感想
1990年、トルコ。イスタンブルの路地裏のゴミ容器のなかで、一人の娼婦が息絶えようとしていた。テキーラ・レイラ。しかし、心臓の動きが止まった後も、意識は続いていた──10分38秒のあいだ。
(著者エリフ・シャファク氏による、本作の紹介動画です)
ひとつの生命の旅立ちを、愛のあるまなざしで美しく描き出した感動作『レイラの最後の10分38秒』(エリフ・シャファク、北田絵里子訳)。邦訳の刊行以降、新聞、雑誌、店頭、SNSで好評をいただいています。その一部をご紹介します。
『レイラの最後の10分38秒』エリフ・シャファク/北田絵里子訳
装画=千海博美 装幀=岡本歌織(next door design)
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イスタンブルの多様性、歴史、猥雑さ、悲しさが組み込まれた
怪しげな魅力を放つモザイクキャンドルのようで
目が離せぬまま一気読みした。
娼婦テキーラ・レイラと五人の仲間たちを好きにならずにいられない。
――中島京子(作家)
本を閉じた後も、レイラは生きている。
今もずっと、私のそばにいてくれる。
彼女の、控えめに言っても過酷な人生を歩みたいとは思わないけれど、
彼女のように生きることが出来たらと、心から思う。
友を、そして自分を信じて、体当たりで世界を愛する彼女は、
私のスーパーヒーローだ。
――西加奈子(作家)
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9月25日の週刊新潮での、鴻巣友季子さんによる書評では、本書の構成について「プルーストの『失われた時を求めて』のマドレーヌのように、死者も五感に導かれて時を駆ける」と評していただき、「本書ははみ出し者の連帯を祝す賛歌であり、マイノリティとして生きた人々の生にそっと光を投げかける秀逸な追想録とも言えるだろう」との賛辞をいただきました。
そして、10月24日の朝日新聞のいとうせいこうさんによる書評では、「イスタンブール底辺の熱き友情」というタイトルで、読書という行為が「供養」にもつながるという興味深い書評をしていただきました。
本日の朝日新聞書評、いとう担当分。今年読んだ小説の中で一番好きかもしれないやつ。ロマンチックで残酷で社会的で。『レイラの最後の10分38秒』(エリフ・シャファク)→ https://t.co/L2s7Opharb
— いとうせいこう (@seikoito) October 24, 2020
さらに、11月7日の日経新聞では、オルハン・パムクの訳者である宮下遼さんから、「死後、魂は幽冥界に留め置かれ審判の日を待つと考えられるイスラーム文化圏の小説では、死者はときに生者よりも雄弁であるが、本作では死者も生者もひとしく雄弁で、達観した覚悟に貫かれた強烈な人生譚が語られる。(中略)軽妙な翻訳と相俟って素晴らしいひとときを過ごせる傑作だった」というコメントをいただきました!
店頭でもご紹介をいただいています!
#推しコレ2020 #エリフ・シャファク
— ジュンク堂書店 吉祥寺店 (@junk_kichijoji) December 1, 2020
📚本日の推しコレ本📚
「レイラの最後の10分38秒」
エリフ・シャファク 著 早川書房
推しコレクター
・文芸担当N https://t.co/rhlc39vlO5 pic.twitter.com/bm1SKABzTP
衝撃のラストです…!
— 紀伊國屋書店広島店 (@KIno_Hiroshima) October 14, 2020
エリフ・シャファク「レイラの最後の10分38秒」(早川書房)。
伝統や信仰が根強く残るトルコの田舎町で生まれたレイラは、しがらみから逃げイスタンブルへ。そこで彼女が得た自由とは。
トルコ文学、初体験でした。登場する料理がどれも美味しそうで…たまりませんなぁ〜
I.M. pic.twitter.com/zlKOCMVVYr
SNSでも反響が続々と寄せられています。一部をご紹介します。
通読できていなかったエリフ・シャファク『レイラの最後の10分38秒』夜明けとともにようやく読了。女性であり流体である”イスタンブール”というヴィジョンが素晴らしいなあ。無限の物語を内包する”襞”のような街なんですよね、あそこは。
— Shimpei Shimokawa (@sindbaad_sharqi) November 29, 2020
トルコの作家エリフ・シャファクの「レイラの最後の10分38秒」。イスタンブルが舞台。娼婦のレイラが殺され心臓が止まっているにも関わらずそのレイラの意識が続いているという話。美しい装丁も気に入っています。トルコの事についてほとんど知りません。こういった小説で旅ができるのは楽しいです。 pic.twitter.com/GPou9xyHVt
— 浜崎貴司 (@HamazakiTakashi) November 21, 2020
『レイラの最後の10分38秒』読了。遠い異国の女性の生涯に圧倒的な親近感を覚えてしまうほど、地球上の女性達が背負わされる苦しみが普遍的なことが哀しい。読んだ後には、勝手に自分も彼女の5人の友達と同じように、レイラと友達になったような気持ちになる。#レイラの最後の10分38秒
— ran-ran (@verus_i) November 8, 2020
早川書房「レイラの最後の10分38秒」死へ向かっていく物語だが、読むにつれて生への鮮やかさを感じる。息詰まる環境、苛つく親族…灰色の檻から飛び出し、新たな街で多くの友と出会って世界が色づいていく。心にこみあげてくるものがある。トルコの情勢がみえる。人と人を結ぶ絆の強さは血ではない。 pic.twitter.com/TtcfOlVJW9
— asaumi (@asaumi_t) October 7, 2020
エリフ・シャファク「レイラの最後の10分38秒」読んだ。血族ならぬ「水族」と言い表される概念は映画「万引き家族」で描かれた疑似家族にも通じるように感じた。選べないことの多い世の中で、共に過ごす人や生き方を必死に選ぼうとした彼女たち。物語を語ること、読むことの力と意味を感じる体験。
— 果枝 (@A8nrTW49xrOKEGx) September 30, 2020
エリフ・シャファク『レイラの最後の10分38秒』(北田絵里子 訳 早川書房)。いまにも終わろうとしているこの瞬間から始まる実験性。そこに不可分な理知的文体と詩的想像力の融和。さらには魅力的な登場人物たちによる感受性の交錯。素晴らしい作品。 pic.twitter.com/iksWtvYYY6
— Ulalume_eiji (@Ulalume_eiji) September 20, 2020
#読了
— ヘラジカ (@herasika1025) September 8, 2020
エリフ・シャファク/北田絵里子訳『レイラの最後の10分38秒』
色どり激しいトルコの乱雑と残酷を極めた社会を舞台に、ある女性の生と死の行方を一風変わった構成で描いた秀作。開幕から引きずり込まれ豊潤な物語に圧倒されるまま読み終えた。聖人のような5人が愛おしい。 pic.twitter.com/BtSiUQzajB
シャファク『レイラの最後の10分38秒』(北田絵里子訳、早川書房)。娼婦、トランスジェンダー、移民、障害者など社会的弱者や女性たちが尊厳を取り戻すために立ち上がる。彼らのしぶとさと楽観、しなやかさは爽快。トルコに生きた全ての女性や弱者への思いに満ちている。そして何よりラストが美しい。
— mof418sox (@mof418sox) September 7, 2020
海外にいくことが難しくなった今、読書を通して「遠くに住む誰か」に思いを馳せることの大切さを、本書は教えてくれるかもしれません。
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『レイラの最後の10分38秒』は早川書房より、好評発売中です。