ブッカー国際賞を史上最年少の29歳で受賞。オランダ文学界の新星のデビュー長篇『不快な夕闇』
その年の優れた翻訳(英訳)小説に贈られる英国の文学賞、ブッカー国際賞。その2020年の受賞作『不快な夕闇』(オランダ語題:De avond is ongemak/英題:The Discomfort of Evening)がついに日本でも刊行となります。
『不快な夕闇』は、オランダで詩人としても活躍するマリーケ・ルカス・ライネフェルトの長篇小説デビュー作で、オランダでは28万部を突破するベストセラーに。ブッカー国際賞を史上最年少の29歳で受賞したことでも世界の注目が集まりました。
日本語版は、ライデン在住の翻訳家、國森由美子さんによるオランダ語からの翻訳です。巻末には翻訳家・文芸評論家の鴻巣友季子さんの解説も入った貴重な一冊です。
●あらすじ
オランダの小さな村の酪農家で育ったヤスが、
赤いジャケットを脱がなくなったのは10歳の時だった。
大切なウサギの代わりに兄が死にますようにと神に祈り、
それがほんとうになったから。
これ以上悪いことが起こらないよう
外の世界から自分を守るためのジャケットだ。
でも、どんどん家族は壊れていき、
ヤスはますます自分の内に閉じこもる──
●著者について
マリーケ・ルカス・ライネフェルト
Marieke Lucas Rijneveld
1991年生まれ(he/him)。オランダ・北ブラバント州の農家で育った作家、詩人。2015年、詩集Kalfsvliesでデビューし、国内の新人詩人に授与されるC. Buddingh'賞の最優秀作品に選ばれる。2018年に出版されたデビュー長篇の『不快な夕闇』は、オランダ国内でベストセラーとなり、2020年には英訳版が国際ブッカー賞を受賞。同賞史上最年少の29歳での受賞となった。
●訳者について
國森由美子(くにもり・ゆみこ)
桐朋学園大学音楽学部卒、ライデン在住のオランダ文学翻訳家、ライデン日本博物館シーボルトハウス公認ガイド。
訳書:『慈悲の糸』『オランダの文豪が見た大正の日本』ルイ・クペールス、『アントワネット』ロベルト・ヴェラーヘン、『ウールフ、黒い湖』ヘラ・S・ハーセ、他
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2月21日の発売をどうぞお楽しみに!
●著者インタビュー記事(英文記事)