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二〇二二年の早川書房の翻訳ミステリ&NVラインナップから大注目作をご紹介!

あけましておめでとうございます。
二〇二二年に刊行予定の翻訳ミステリ&NV作品ラインナップのなかから、一部をご紹介いたします。今年の早川書房は大作・話題作がドシドシ登場!

※タイトルは一部を除き原題および仮題です。


○絶対に読んでいただきたい話題作が勢ぞろい!

『We Begin at the End』クリス・ウィタカー/鈴木 恵 訳

『We Begin at the End』原書

英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールド・ダガー賞を筆頭に、オーストラリア推理作家協会賞最優秀長篇賞、シークストン賞の三冠を達成した傑作ミステリが登場! 「アウトロー」を自称しながらも、母と弟の面倒をみている十三歳の少女ダッチェス。彼女が住むカリフォルニア州の海沿いの町ケープ・ヘイブンに、三〇年前に人を殺して刑務所へ収監されていたヴィンセントという男が刑期を終えて戻ってきた。彼の帰還によって、ダッチェスを取り巻く人々の裏に隠された秘密が暴き出されていく。すべての事件が解決された後に少女の迎える結末とは。人と人との絆と、困難に立ち向かう少女の成長を描いた読む者の胸をうつ逸品。今年の早川書房イチ押しの一作です。

両京りょうけい十五日』馬伯庸/稲村文吾 訳

『両京十五日』原書

中国歴史サスペンス×冒険小説の超大作が登場。『両京十五日』の舞台は、明の時代、十五世紀の中国。首都の北京から副都の南京に遣わされた皇太子は何者かによる襲撃に遭い、身をひそめるが、宮廷内にも敵の内通者が潜んで自分の命を狙っていることが判明する。さらに北京にいる父の皇帝が急病との知らせが届く。皇太子はかろうじて信頼できるたった三名の部下とともに、密かに大運河を北上して北京へ向かうことを決意する。敵が事を決すると思われるタイムリミットまでわずか十五日。迫りくる刺客と陰謀をかいくぐりながら、南京から北京へ、幾千里にもわたる決死行がいま始まる――!

『Midnight at Malabar House』Vaseem Khan/田村義進 訳

『Midnight at Malabar House』Vaseem

英国推理作家協会賞ヒストリカル・ダガー(最優秀歴史ミステリ)賞を受賞した本格ミステリ。一九四九年十二月三十一日、共和国化寸前のインド、ムンバイ。不安定な情勢の中、イギリスの政府高官が殺されるという事件が起こる。事によっては国を揺るがしかねないこの大事件に、インド人初の女性警部とスコットランドヤードの男性捜査官のコンビが挑む! 現場から消えた凶器の行方、被害者が握りしめていた暗号のようなメモ、事件の容疑者を集めて真相を明らかにする解決篇にいたるまで、本格ミステリファンの心をくすぐる展開と技巧。歴史ミステリとしても一級品の本作をお見逃しなく!

『The Searcher』タナ・フレンチ/北野寿美枝 訳

『The Searcher』原書

〈ダブリン殺人課〉シリーズで知られるタナ・フレンチの単独作が登場! 妻と離婚したアメリカ人カルは、長年勤めたシカゴ警察を退職し、アイルランドの小さな村に移住する。自宅の修繕をしながら静かに暮らそうとするカルだったが、地元の子どもから、失踪した兄弟の行方を捜してほしいという依頼を受け……。ジョン・フォードの名作西部劇『捜索者』を思わせる本作は、スティーヴン・キング、ギリアン・フリン、イアン・ランキン、エイドリアン・マッキンティら名だたる作家たちから激賞を浴び、米〈ニューヨーク・タイムズ〉、英〈ガーディアン〉、英〈タイムズ〉などの主要メディアで年間ベスト・ミステリに選出されました。重厚なる犯罪小説の傑作です。


『This Tender Land』ウィリアム・ケント・クルーガー/宇佐川晶子 訳

『This Tender Land』原書

大恐慌時代の一九三〇年代アメリカのミネソタ州で、白人の兄弟が孤児院に入れられる。そこは、おもにネイティブ・アメリカンの子供たちを強制的に親から引き離して収容していた。兄弟は、ある事件をきっかけに、親友のネイティブ・アメリカンの少年、心に傷を負った少女と四人で施設から逃亡することに。その夏、カヌーで川を下るうちに、四人はさまざまな出来事に出会う――だが、孤児院の冷酷な教官が執拗に彼らのあとを追っていた。エドガー賞はじめ四冠を達成し「ミステリが読みたい!」第一位に輝いた大傑作『ありふれた祈り』から八年。クルーガーの新たなる代表作が登場します。

『Winter Counts』David Heska Wanbli Weiden/吉野弘人 訳

『Winter Counts』原書

アンソニー賞、国際スリラー作家協会賞、バリー賞ほか、ミステリ文学賞の新人部門を驚異の五冠獲得! サウスダコタのネイティブ・アメリカン居留地に暮らす主人公ヴァージルはラコタ族と白人のハーフ。普段は便利屋を営んでいるが、その裏の顔は、金で雇われて警察が手を出せない犯罪者を制裁する処罰屋だった。居留地での薬物売買の拡大を止めろと依頼された彼は調査に乗り出す……クライム・ノヴェルの新星による圧巻のデビュー作です。

『The Plot』ジーン・ハンフ・コレリッツ/鈴木 恵訳

『The Plot』原書

かつて有望な若手作家だった主人公は、なかなか作品を出版できなくなり、現在は講師としてくすぶっていた。あるとき天才的な受講生が小説を完成させることなく亡くなったらしいと知った彼は、生前に聞いていた受講生の筋書きをもとに本を発表。たちまちベストセラーとなり、人気の小説家として人生の絶頂をむかえる――「お前は盗人だ」という匿名の手紙を受け取るまでは……。作中作を交えて二転三転する物語が辿りつくのは?〈ニューヨーク・タイムズ〉〈ウォール・ストリート・ジャーナル〉〈ワシントン・ポスト〉で年間ベストミステリに選出、一気読み必至のエンターテインメント!


○名匠マイクル・Z・リューイン三作品を刊行!

『Alien Quartet』原書

私立探偵〈アルバート・サムスン〉シリーズで知られるアメリカ・ミステリ界の名匠、マイクル・Z・リューインが今年で生誕八〇年を迎えます。なんと今年は早川書房からリューイン作品を三作を続々刊行する予定です!! 
『Whatever it Takes』(田口俊樹 訳)は、未曽有のウイルス災害後の世界で「家族」を描く、ポスト・アポカリプスものの最新の未発表作品です。
〈アルバート・サムスン〉シリーズからは、サムスンが娘のサムと事件を追う代表的長篇『沈黙のセールスマン』(石田善彦 訳)を新版で復刊します
さらにはシリーズの最新連作短編集『Alien Quartet』(武藤陽生 訳)もついに刊行! サムスンと、成長し警官となった娘サムが登場します。自分で記事書いててこの一文だけでも涙が……二二年はリューイン・イヤーです!

○人気シリーズの最新作が続々登場

『The Man Who Died Twice』リチャード・オスマン/羽田詩津子 訳

『The Man Who Died Twice』原書

世界累計二五〇万部突破、昨年度のミステリ年末ベスト上位を席巻した『木曜殺人クラブ』から、早くもシリーズ第二作が登場! あの老人探偵たちが帰ってきます! 盗まれた宝石、凶悪な組織、そして殺人――エリザベスたち「木曜殺人クラブ」のメンバーは事件を解決できるのか? 乞うご期待!

『When She Was Good』マイケル・ロボサム/越前敏弥 訳

『When She Was Good』原書

英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー『天使と噓』につづく、〈サイラス&イーヴィ〉シリーズ第二弾。なんと本作でスティール・ダガーをも受賞し、シリーズ二作連続で英国推理作家協会賞を獲得しました。本作では元刑事の不審死事件に関連して、他人の嘘を見抜くことができる少女イーヴィの凄絶な過去がついに明かされます。果たしてかつて彼女に何があったのか――?

『Police at the Station and They Don't Look Friendly』エイドリアン・マッキンティ/武藤陽生 訳

『Police at the Station and They Don't Look Friendly』原書

大好評発売中のエドガー賞受賞作『レイン・ドッグズ』につづく刑事〈ショーン・ダフィ〉シリーズ第六作。本作でマッキンティは二度目のオーストラリア推理作家協会賞の最優秀長篇賞に輝きました! 一九八八年のベルファスト。クロスボウで射殺された麻薬売人の男の死体が発見された。捜査にあたることになったショーン・ダフィだが、なぜか彼に捜査をやめるように圧力がかかる。秘密裡に捜査を進めるショーンがたどり着いた真相とは……?

早川書房のミステリ・シリーズからは、サラ・パレツキーの〈V・I・ウォーショースキー〉シリーズ『Dead Land』(山本やよい訳)や、アンデシュ・ルースルンド〈グレーンス警部〉シリーズの『Knock Knock』(井上舞・下倉亮一訳)、アビール・ムカジーの〈ウィンダム警部シリーズ〉『阿片窟の死』(田村義進 訳)、大好評いただいているエラリイ・クイーン新訳企画『ダブル・ダブル』『靴に棲む老婆』(越前敏弥 訳)もどうぞお楽しみに。

○今年の早川書房はホラーにも注目

『メキシカン・ゴシック』シルヴィア・モレノ=ガルシア/青木純子 訳

『Mexican Gothic』原書

一九五〇年メキシコ。若き女性ノエミは、郊外の屋敷に嫁いだ、いとこのカタリーナから手紙を受け取った。それには亡霊に苛まれ、助けを求める異様な内容が書かれており……。メキシコの屋敷に秘められた恐るべき秘密はいったい何なのか。英国幻想文学大賞、ローカス賞、オーロラ賞の各ホラー小説部門の三冠を達成し、ネビュラ賞や世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞の最終候補にもノミネートされた新世代のゴシック・ホラー小説です!

『The Southern Book Club's Guide to Slaying Vampires』グレイディ・ヘンドリクス/原島文世 訳

『The Southern Book Club's Guide to Slaying Vampires』原書

一九九三年。アメリカ南部に暮らす主婦パトリシアの息抜きは、主婦仲間たちによるシリアル・キラー本の読書会だ。そんなある日、彼女は近所の老婦人が動物の死体をむさぼっているところに遭遇し、襲われてしまう。近隣で続出する不可解な死や行方不明の背後にひそむものの正体は……〈ニューヨーク・タイムズ〉ベストセラーとなり、Amazonで映像化も決定の話題作。

『The Last House on Needless Street』Catriona Ward/中谷友紀子 訳

『The Last House on Needless Street』原書

かつて殺人の疑いを掛けられた過去のある男テッド。彼をいまだに自分の妹を殺した犯人だと信じている女ディーは、テッドの暮らす不気味な屋敷の隣に引っ越してくるが……。テッドたち複数の視点(中には飼い猫の語りまで!)から描かれる物語は、次第に驚くべき様相を呈していく……スティーヴン・キング&ジョー・ヒルが絶賛したゴシック・スリラーの会心作です!

○必読の冒険アクション/スリラー

『Falling』T・J・ニューマン/吉野弘人 訳

『Falling』原書

新たな航空冒険小説の傑作が登場です! コースタル航空416便の機長の元に、謎の男からの連絡があった。――家族を救いたければ飛行機を墜落させろ。144名の乗客の命か、家族の命か。ドン・ウィンズロウやイアン・ラキンをはじめ様々な巨匠たちが激賞する、迫真のタイムリミットサスペンス!

『The Terminal List』ジャック・カー/熊谷千寿 訳

『The Terminal List』

マーク・グリーニー激賞のアクション冒険小説新シリーズが開幕! 特殊部隊隊長のジェイムズ・リースはアフガニスタンで作戦中に奇襲に遭い、多くの部下を失った。彼はアメリカへと帰国を許されるが、妻と娘が殺人事件で命を失い、作戦を生き延びた数少ない部下も謎の自殺を遂げる。立て続けに起こる不幸は何者かによる陰謀なのか? リースは復讐を誓い、国防犯罪捜査局の暗部へと足を踏み入れる。『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』『ジュラシック・ワールド』のクリス・プラット主演で映像化も決定!

『Rules of Engagement』David Bruns&J. R. Olson/黒木章人 訳

『Rules of Engagement』原書

冒険アクション&サイバースリラー小説の新シリーズスタート! 軍事的緊張が高まる東シナ海と南シナ海。その裏には、武器市場を活性化させるべく極東での衝突を煽ってほしいというロシアンマフィアの依頼を受けた、北朝鮮のサイバー攻撃によるものだった。攻撃を主導した国際テロリストと因縁のある合衆国サイバー軍幹部は、若い才能を得てサイバー攻撃に対抗する!

このほかハヤカワ文庫NVからは、アクション冒険小説ファンに大好評の『シリア・サンクション』の〈マット・ドレイク〉シリーズ第二作、ドン・ベントレー『The Outside Man』(黒木章人 訳)や、マーク・グリーニーの〈グレイマン〉シリーズ最新作『Sierra Six』(伏見威蕃 訳)も刊行予定です!


今回の記事でご紹介しきれなかった傑作・名作もたくさん控えております。情報は随時小社note公式Twtterにアップしていきますので、是非フォローしてチェックを! 本年もご愛読よろしくお願いいたします。


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