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この時間テーマのSFを読みたい!

過去を変えられたら……未来を思いどおりにできたら……というときには、タイムトラベルを考えてしまいますね。そんなあなたに、時間テーマのSFをご紹介します。

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・ジョディ・テイラー『歴史は不運の繰り返しーセント・メアリー歴史学研究所報告』 田辺千幸 訳

歴史家の卵マックスは恩師からセント・メアリー歴史学研究所での勤務を紹介される。普通の研究所と思いきや、じつはここでは実際にタイムトラベルをしながら歴史的事件を調査していたのだ! 研修を経て研究所の一員となったマックスだが、白亜紀から第一次大戦下にいたるまでの任務はハードかつ凄惨を極める。そして研究所を揺るがす陰謀までがあきらかになり!? 英国で大人気のタイムトラベルシリーズ開幕篇。解説/小谷真理


・アナリー・ニューイッツ『タイムラインの殺人者』 幹遥子 訳

過去になら数億年前まで時間旅行ができるけれど、未来にはいけない(出発点までなら戻れる)マシンが登場します。

数億年前から存在する5基の〈マシン〉により、時間旅行が可能になっている世界。2022年の時間旅行者テスは、歴史の修正を試みる任務のため訪れた30年前のコンサート会場で、〈マシン〉閉鎖をもくろむ男たちを発見する。一方、1992年の女子高校生ベスは、同じコンサートからの帰り道に殺人の共犯者となってしまうことに。ふたりの人生が交差していくなか、タイムライン編集戦争が勃発するが――新世代タイムトラベルSF 解説/橋本輝幸


・A・G・リドル『タイタン・プロジェクト』友廣純 訳

作家のハーパーが乗ったロンドン行き三〇五便が墜落した。彼女と生き残った飛行機の乗客たちは助け合って救助を待つが、捜索隊はいっこうに現われない。それもそのはず、そこは人類が消えてしまった未来だったのだ! どうやらここは、ハーパーらが関わることになる全人類的大プロジェクトが実現したタイムラインらしい。なぜハーパーたちはここに連れてこられ、人類はどこに消えたのか? 謎と興奮のタイムトラベルSF!


・エラン・マスタイ『時空のゆりかご』金子浩 訳

空飛ぶ自動車にロボットメイド、宇宙観光……かつて人々が夢見た輝かしい未来が実現したもう一つの2016年からぼくはやってきた。きみたちの"間違った世界"に。この世界がディストピアになったのは、すべてぼくのせい。クリーンなエネルギーを無限に生みだす革命的装置ゲートレイダー・エンジン起動の瞬間に、ぼくが立ち会わなければ……。世界を変えてしまった残念な時間航行士の冒険を描く、可笑しくも哀しい時間SF


コニー・ウィリスの《オックスフォード大学史学部》シリーズ(大森望 訳)

時間SFを語るなら、外せないのがこれ。ヒューゴー賞/ネビュラ賞/ローカス賞受賞シリーズ。


チャールズ・ユウ『SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと』円城塔 訳 

「僕」はタイムマシンの修理とサポートを担当する技術者で、個人用タイムマシンに乗って時間のはざまを漂っている。電話ボックス大の空間で暮らす僕にとって、UIのタミーと非実在犬のエドはかけがえのない存在だ。家族は父と母の三人だけど、母は同じ時間を繰り返すループ・サービスに入ったきりだし、ガレージでタイムマシン開発をしていた父は失踪中で、時空のどこにいるのか不明だ。あるとき、修理工場でタイムマシンから僕が降りてくるのを目撃した僕は、とっさに「もうひとりの自分」を撃ってしまった!? 最悪のパラドックスに陥った僕は……。アメリカ小説界注目の俊英の家族小説を、円城塔の翻訳で贈る。


・グレッグ・イーガンの〈直交〉三部作(山岸真・中村融 訳)

別の物理法則に支配された宇宙なら、自然にタイムトラベルができるという……。


・マット・ヘイグ『トム・ハザードの止まらない時間』大谷真弓 訳

タイムマシンは登場しないけれど、時間テーマのSFです。

歳をとるのが極端に遅い"遅老症(アナジエリア)"のため、16世紀に生まれ、21世紀の今も生き続けている男、トム・ハザード。シェイクスピア、フィッツジェラルド、クック船長らに出会いながら、さまざまな時代の局面に立ち会ってきた、彼の数奇にして波瀾万丈な人生とは──


・ ロバート・A・ハインライン『夏への扉』福島正実 訳

ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。家にあるいくつものドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。1970年12月3日、かくいうぼくも、夏への扉を探していた。最愛の恋人に裏切られ、生命から2番目に大切な発明までだましとられたぼくの心は、12月の空同様に凍てついていたのだ! そんな時、〈冷凍睡眠保険〉のネオンサインにひきよせられて……永遠の名作。


・ ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』福島正実 訳

FT文庫からも時間テーマの作品を。

由緒ある静かな街ゲイルズバーグ。この街に近代化の波が押し寄せる時、奇妙な事件が起こる……表題作他、現代人の青年とヴィクトリア朝時代の乙女とのラヴ・ロマンスを綴る「愛の手紙」など、甘く、せつなく、ホロ苦い物語の数々をファンタジイ界の第一人者がノスタルジックな旋律にのせて贈る魅惑の幻想世界。


・大森望 編『ここがウィネトカなら、きみはジュディ 時間SF傑作選』 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー) 

時間テーマSFのアンソロジーです。

男はいつもと違う色の天井の下で目覚めた。ここはウィネトカか? それとも……。人生をとびとびに生きる男女の奇妙な愛を描いた、SF史上に残る恋愛時間SFの表題作。ヒューゴー賞/ネビュラ賞/星雲賞の三冠を獲得した、テッド・チャンのアラビアン・ナイトとハードSFを融合させた書籍初収録作、時間に囚われた究極の愛の形を描いたプリーストの名作ほか、永遠の叙情を残す傑作全13篇を収めた時間SFのショウケース。


・テッド・チャン『あなたの人生の物語』浅倉久志 他訳

この短篇集の、表題作「あなたの人生の物語」はある意味時間SFかな?

【映画「メッセージ」原作】地球を訪れたエイリアンとのコンタクトを担当した言語学者ルイーズは、まったく異なる言語を理解するにつれ、驚くべき運命にまきこまれていく……ネビュラ賞を受賞した感動の表題作をはじめ、天使の降臨とともにもたらされる災厄と奇跡を描くヒューゴー賞受賞作「地獄とは神の不在なり」、天まで届く塔を建設する驚天動地の物語--ネビュラ賞を受賞したデビュー作「バビロンの塔」ほか、本邦初訳を含む八篇を収録する傑作


・ケン・リュウ『母の記憶に』 古沢嘉通 他訳

表題作「母の記憶に」が時間テーマSF。新☆ハヤカワ・SF・シリーズ版『母の記憶に』は、文庫版では『母の記憶に』『草を結びて環【たま】を銜【くわ】えん』の2冊に分冊されています。


・ ロバート・A・ハインライン『輪廻の蛇』 矢野徹 他訳

表題作はタイム・パラドックスもの。映画化されました(『プリデスティネーション』)。

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・ライアン・ノース『ゼロからつくる科学文明──タイムトラベラーのためのサバイバルガイド』 吉田三知世 訳

最後に、タイムトラベラーのみなさん向けに、こちらのノンフィクション単行本もご紹介しますね。

以上、さまざまな時間テーマSFをご紹介しました。読まれていない作品があったら、ぜひお手に取ってみてください!


ありがとうございます!今日のおすすめは『息吹』です。
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