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日本SFの新たな世代へ。第5回ハヤカワSFコンテスト受賞作、文庫版同時刊行!

2020年代に突入して、新たな局面を迎えている日本SF界。6月25日発売のSFマガジン8月号で「日本SF第七世代へ」という特集が掲載されることも話題となっています。その特集にも参加予定の第5回ハヤカワSFコンテスト大賞W受賞作家、津久井五月さんと樋口恭介さんの受賞作が文庫化! 6月18日に同時発売されます。
2084年の近未来東京を舞台とする都市SF『コルヌトピア』と、現代SF100年の総括と絶賛された本格SF『構造素子』。これからの日本SF・文芸の未来を担う作家陣による2冊、ぜひセットでお手元にどうぞ。

コルヌトピア_帯

津久井五月『コルヌトピア』

○あらすじ
人類が植物の生理機能を演算に応用する技術「フロラ」を生み出した未来。東京は23区全体を取り囲む環状緑地帯により巨大な計算資源都市へ発展していた。フロラ企業に勤める砂山淵彦は、とある事故調査の過程で天才植物学者の折口鶲と出逢う。若者たちを通して描かれる、植物と人類の新たなる共生のヴィジョンとは? SFコンテスト大賞受賞作、本篇のその後を描いた中篇を追加して文庫化。解説=ドミニク・チェン

○津久井五月(つくい・いつき)
1992年生まれ。栃木県那須町出身。東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。2017年、本作で第5回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞し、デビュー。

構造素子_帯

樋口恭介『構造素子』

○あらすじ
売れないSF作家だった父ダニエルの死後、エドガーは母ラブレスから未完の草稿を渡される。その物語内で、人工意識の研究者だった両親は子をもうけるかわりに人工意識、エドガー001を構築した。自己増殖するエドガー001は新たな物語を生み出し、草稿を読むエドガーもまた、父ダニエルとの思い出をそこに重ね書きしていく。選考会で絶賛を浴びた、現代SF100年の類い稀なる総括。第5回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作。解説=神林長平

○樋口恭介(ひぐち・きょうすけ)
1989年生まれ。岐阜県出身、愛知県在住。早稲田大学文学部卒、現在会社員。本作で第5回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞してデビュー。他の著書に評論集『すべて名もなき未来』がある。