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みんなで読めばこわくない。渡辺祐真(スケザネ)編『みんなで読む源氏物語』(12/19発売、ハヤカワ新書)書影と目次を一挙公開!

ハヤカワ新書の新刊として、いま注目の書評家・文筆家の渡辺祐真(スケザネ)氏を編者とした『みんなで読む源氏物語』(12/19発売)を刊行します。国文学者や日本語学者、歌人に能楽師、芸人、物理学者、英→日の「戻り訳」や最新の現代語訳を手がけた作家、翻訳家まで『源氏物語』に通じ愛する面々が多方面から集結し、その現代的な魅力を語りつくした一冊です。この記事では、刊行に先駆けて本書の書影と目次を初公開します。

書影を初公開!

書影です!

『みんなで読む源氏物語』渡辺祐真編

個人蔵の貴重な源氏物語絵巻(桐壺、明暦元年)をお借りして、袖から表1、背、表4、袖までをぐるっと覆った特別仕様の全面帯となっています。

『みんなで読む源氏物語』全面帯

目次も初公開!

全体を4つのPARTで構成、各PARTの間にはバラエティ豊かな書き手によるコラムを収録しています。巻末には付録「源氏「聖地」めぐり」(マップ付き)も!

まえがき  渡辺祐真

PART1 『源氏物語』の門前

第1章 『源氏』ってどんな物語?――あらすじと主要人物を一気に知る  渡辺祐真  

渡辺祐真(わたなべ・すけざね)
1992年生まれ。東京都出身。書評家、文筆家。毎日新聞文芸時評担当(2022年4月~)。TBSラジオ「こねくと」レギュラー(2023年4月~)。TBSpodcast「宮田愛萌と渡辺祐真のぶくぶくラジオ」パーソナリティ。書評系YouTuber としても活動し、自身のチャンネル「スケザネ図書館」で書評や書店の探訪、ゲストとの対談など多数の動画を展開する。著書に『物語のカギ』、共著に『吉田健一に就て』『左川ちかモダニズム詩の明星』など。

第2章 紫式部とその時代  川村裕子 

川村裕子(かわむら・ゆうこ)
1956 年、東京生まれ。国文学者、新潟産業大学名誉教授。立教大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程後期課程修了。博士(文学)。著書に『平安のステキな!女性作家たち』『平安男子の元気な!生活』『平安女子の楽しい!生活』『ビギナーズ・クラシックス 更級日記』『王朝生活の基礎知識』『王朝の恋の手紙たち』など。古典の普及に力を注いでいる。

コラム① 挫折せずに読み通すには  ニシダ

ニシダ
1994 年、山口県生まれ。上智大学在学中、同級生のサーヤと二人で、お笑いコンビ「ラランド」を結成。M-1 グランプリでアマチュアながら2019 年、2020 年と2 年連続準決勝に進出し、話題を集める。年間100冊を読破する読書家としても知られる。著書に小説集『不器用で』がある。

PART2 『源氏物語』に親しむために

第3章 日常づかいの和歌・古典  対談:俵 万智 × 安田 登

俵 万智(たわら・まち)
1962 年生まれ。歌人。1986 年、「八月の朝」で第32回角川短歌賞受賞。翌87 年、歌集『サラダ記念日』を刊行し、同書で第32 回現代歌人協会賞を受賞。以降、エッセイ、評論、紀行など幅広い執筆活動を行っている。2004 年、『愛する源氏物語』で第14 回紫式部文学賞を受賞。近著に『未来のサイズ』(第55 回迢空賞、第36 回詩歌文学館賞)、『アボカドの種』など。2023 年紫綬褒章を受章。

安田 登(やすだ・のぼる)
1956 年生まれ。下掛宝生流ワキ方能楽師。高校教師時代に能と出会い、27 歳で鏑木岑男氏に弟子入り。能楽師のワキ方として国内外を問わず活躍し、能のメソッドを使った作品の創作、演出、出演などを行うかたわら、『論語』などを学ぶ寺子屋「遊学塾」を全国各地で開催。著書に『野の古典』、『能』、『あわいの力』などがある。

第4章 『源氏物語』のヒロインを階級で読む  三宅香帆

三宅香帆(みやけ・かほ)
書評家、作家。1994 年生まれ。高知県出身。京都大学大学院博士後期課程中途退学。著書に『人生を狂わす名著50』『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』『名場面でわかる 刺さる小説の技術』『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない 自分の言葉でつくるオタク文章術』他。

コラム② 夕顔物語  宮田愛萌 

宮田愛萌(みやた・まなも)
1998 年東京都生まれ。2023 年アイドルグループ卒業時に『きらきらし』(新潮社) で小説デビュー。『小説現代』(講談社)でエッセイ「ねてもさめても本の中」連載中。『短歌研究』短歌研究員。TBS podcast「ぶくぶくラジオ」配信中。バターの女王アンバサダー就任。

PART3 時代を超える、言語を超える  

第5章 現代〝小説〟としての『源氏物語』――ヘテログロシアの海で  鴻巣友季子

鴻巣友季子(こうのす・ゆきこ)
英語圏文学翻訳家。訳書にエミリー・ブロンテ『嵐が丘』、マーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』(全5 巻。以上新潮文庫)、ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』(河出書房新社『世界文学全集 Ⅱ-01』)、J・M・クッツェー『恥辱』、マーガレット・アトウッド『誓願』(以上ハヤカワepi 文庫)など多数。文芸評論家としても活動し、朝日新聞、毎日新聞などで書
評委員や文芸時評を担当。著書に『文学は予言する』、『謎とき『風と共に去りぬ』』(以上新潮選書)、『翻訳ってなんだろう?』( ちくまプリマー新書)など多数。

第6章 謎と喜びに満ちた〈世界文学〉――英語を経由して『源氏物語』を読む効能 鼎談:円城 塔 × 毬矢まりえ × 森山 恵 

円城 塔(えんじょう・とう)
1972 年、北海道生まれ。小説家。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。著書に『Self-ReferenceENGINE』(ハヤカワ文庫JA)、『道化師の蝶』(第146 回芥川賞受賞)、『文字渦』(第43 回川端康成文学賞・第39 回日本SF 大賞受賞)などがある。

毬矢まりえ(まりや・まりえ)
俳人、評論家。アメリカのサン・ドメニコ・スクール卒業。慶應義塾大学文学部フランス文学科卒業、同博士課程前期中退。『源氏物語 A・ウェイリー版』全4 巻(左右社)を妹の森山恵とともに現代語に訳し戻し「ドナルド・キーン特別賞」受賞。著書に『ドナルド・キーンと俳句』(白水社)、『ひとつぶの宇宙』がある。

森山 恵(もりやま・めぐみ)
詩人、翻訳家。聖心女子大学英語英文学科卒業、同大学院修了。詩集に『夢の手ざわり』、『エフェメール』、『みどりの領分』、『岬ミサ曲』、訳書にヴァージニア・ウルフ『波〔新訳版〕』(早川書房)がある。毬矢まりえ共著『レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳「源氏物語」』(講談社)近刊。

コラム③ 源氏物語変奏曲  全 卓樹 

全 卓樹(ぜん・たくじゅ)
1958 年、京都府生まれ。高知工科大学理論物理学教授。東京大学理学部物理学科卒業、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。量子力学、数理物理学、社会物理学を専門とする一方で、詩情ある科学エッセイの名手としても知られる。著書に『エキゾティックな量子』、『銀河の片隅で科学夜話』、『渡り鳥たちが語る科学夜話』などがある。

PART4 こんな視点でも読み解ける!

第7章 イギリス文学から考える『源氏物語』――ケア、ピクチャレスク、無意識、コモン・ガール  小川公代 

小川公代(おがわ・きみよ)
1972 年、和歌山県生まれ。上智大学外国語学部教授。ケンブリッジ大学政治社会学部卒業。グラスゴー大学博士課程修了(Ph.D.)。専門はロマン主義文学、および医学史。著書に『世界文学をケアで読み解く』、『ケアする惑星』、『ケアの倫理とエンパワメント』など、訳書にシャーロット・ジョーンズ『エアスイミング』などがある。

第8章 データサイエンスが解き明かす『源氏物語』のことばと表現――本居宣長からChatGPTまで 対談:近藤泰弘 × 山本貴光

近藤泰弘(こんどう・やすひろ)
1955 年生まれ。日本語学者。青山学院大学名誉教授。東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専門課程修了。専門は文法理論、日本語史、コーパス言語学。著書に『日本語記述文法の理論』、共著に『コーパスに基づく言語研究』、『日本語の歴史』などがある。

山本貴光(やまもと・たかみつ)
1971 年生まれ。文筆家、ゲーム作家。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授、金沢工業大学客員教授。慶應義塾大学環境情報学部卒業。著書に『文学のエコロジー』、『文体の科学』、『文学問題(F+f)+』などがある。

コラム④ 人はなぜ物語を必要とするのか  角田光代  

角田光代(かくた・みつよ)
1967 年、神奈川県生まれ。小説家。早稲田大学第一文学部卒業。1990 年、「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。2021 年、『源氏物語』の現代語訳により第72 回読売文学賞を受賞した。そのほかの著書に『対岸の彼女』(第132 回直木賞受賞)、『八日目の蝉』(第2 回中央公論文芸賞受賞)などがある。

あとがき 〜『源氏』をもっと楽しむためのブックガイド〜  

付録  源氏「聖地」めぐり

『源氏物語』や紫式部にゆかりのある「聖地」を、その謂れと共に徹底案内。これを手に『源氏物語』の世界に旅立とう! 名所を記したイラストマップ付き。(イラスト:錫杖撫莉華)


本書を読んでいるうちに『源氏』が読みたくなってムズムズして、思わず『源氏』を手に取って、その後にまた本書に帰ってくる。そんな一冊を理想として編みました。「みんな」の一員になったつもりで、肩肘を張らずに、楽しんでみてください。(編者)

本書を手に取れば、源氏を読みたくなること間違いなし!

渡辺祐真編『みんなで読む源氏物語』(ハヤカワ新書)は12月19日発売です!

みんなにも読んでほしいですか?

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